偽りの名画



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初公開日(参考)1991年06月
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長編小説

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偽りの名画 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

2005年03月24日 偽りの名画 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

名画展を手伝うためにベルリンに赴いた美術館学芸員クリス・ノーグレン。展示されるのは、第二次世界大戦中ナチスに掠奪され、戦後返還された重要な作品ばかり。クリスは嬉々として仕事に向かうが、名画展の主任が「この中に贋作がある」と主張し始めた。まもなく主任は歓楽街で不可解な死を遂げた。やがてその裏に潜む意外な事実が明らかに…絵画にまつわる黒い策謀と人々の欲望が生み出す事件に“美術探偵”が挑む。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

偽りの名画の総合評価:8.22/10点レビュー 9件。Bランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(8pt)

絵画の蘊蓄満載!

アーロン・エルキンズはスケルトン探偵ギデオン・オリヴァーシリーズが有名だが、実はもう1つシリーズ物がある。美術館学芸員クリス・ノーグレンシリーズである。
一方は骨の鑑定家、もう一方は学芸員と全く毛色の違う2つのシリーズだが、双方比べても質が同じであるのはこの作家のすごいところ。このシリーズでは美術に関する専門的な知識、トリビアがふんだんに盛り込まれ、知的好奇心をくすぐる内容が横溢している。

クリスはベルリンに出張している上司に呼び出され急遽彼の地に飛ぶことに。ベルリンの美術館で開催される「ナチ略奪名画展」の作品の中に贋作が含まれており、それを見つけ出すようにというのが出張の目的だった。調査の中、しかしその上司は殺されてしまい、クリスも事件の渦中に引きずり込まれてしまう。

西洋美術に第2次大戦中のナチスの美術品強奪が絡むのはミステリの題材としては非常に魅力的であるのだろう。そしてシリーズ第1作目としてこの歴史的事実と贋作という美術ミステリには無くてはならない題材を絡めたのは作者のシリーズに対する創作意欲と固定ファンを掴むための宣伝効果双方によるものだと思う。
で、このシリーズで主人公を務めるクリスは全くギデオンとは違うキャラクター。ギデオンが妻ジュリーといつも仲睦まじいのに対し、クリスは妻と離婚寸前という情けないキャラクター。しかも人使いの荒い上司へのグチも云う。が、なぜか女性にモテるという面白いキャラクターであり、非常に人間くさくて私は好きな主人公だ。
で、このクリスが殺人犯捜しと贋作探しに孤軍奮闘する。エルキンズのミステリは真っ当なミステリなので、云わずもがな見事クリスはこの2つの事件を解決するのだが、こういう普通の男が見事目的を達成するところは爽快感すら漂う。

真相は、なかなか面白い。特に贋作発見についてクリスのインスピレーションは逆説的であり、思わず「ほお・・・」と声を出してしまった。この相矛盾するエゴによる動機は美術収集家だけのみならず、あらゆる収集家に共通する思いだろう。
以前『ゼロ 神の手を持つ男』という漫画を愛読しており、それがこの作品と非常にダブった。どちらも美術を扱う作品であり、作品に散りばめられた薀蓄も重複するところが結構あり、非常に楽しく読めた。ただ『ゼロ』で頻繁に登場する「炭素14法」が全く出てこなかったところに疑問。使われた塗料、キャンパスが当時のものであるか、その中に含まれた炭素14の崩壊率から年代を推定するこの方法は現代の真贋鑑定に必ずといって採用されるものだと思っていたが。単にエルキンズが知らなかったんだろうか?

まあ、それはさておきギデオン・オリヴァーシリーズに続いて本書もハヤカワ・ミステリ文庫で復刊されており、私同様ファンがいることが確認され、嬉しく思った。
ちなみに本作で取り上げられる絵画の中には数年前日本でも絵画展が大々的に開かれたフェルメールがあり、物語でも重要なファクターとなっている。フェルメールに興味のある方はそれだけでも本書を読む事をお勧めしたい。

Tetchy
WHOKS60S
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.8:
(4pt)

骨屋からキュレーターに?

アーロン・エルキンズの「クリス・ノーグレン」物第一作である。
ギデオン・オリヴァーと違って美術館のキュレーターであり「サレ夫」であり「シタ嫁」と離婚裁判中のサエない身分だ。日本なら有責シタ嫁から離婚訴訟が出来ない筈だが図々しい元嫁と気骨の折れる軽躁を抱え「偽名画」でトラブルに巻き込まれる。
ギデオン物と違って翻訳は概ねピントは外れていないが女性翻訳者に多く見られる「武器」「メカ物」音痴はこの小説でも見られる。
最初の方で二人組の暴漢に襲われるシーンで「サイボ」とかいう武器で殴られるわけだが「伸縮性が有り鞭のようにシナり先端に重りが付いててそこら辺で買える」とかいう。こういった自衛道具に似た名前の武器は見当たらない。恐らく「伸縮性警棒」のNATO型の物だろうが「特殊警棒」で文意は問題なく通じる。更に「電子式スタン銃」?もしかして「機械性スタンガン」でも世の中に存在するのか?で、金属扉を焼ききる能力を持った「レーザー銃」?アメコミの見過ぎだろう。どう考えてもバッテリーと時間が.......。噴飯物なのは「黒色火薬を用いた先込め式の銃」に「薬莢」?薬莢や雷管が一般に使われる様になったのは南北戦争の後から、である。先込め式の鉄砲は先ずバレル(銃身)先端から適量の黒色火薬を専用のフラスコから直接入れて「突き棒」で尾栓の前で突き固める→新聞紙を丸めて突き入れ火薬が所定の場所から出てこないように固定→鉛球(弾丸)を先端から入れて軽く押えてから新聞紙を丸めてまた突いて落ち着かせる。その後フリントロック(回転式や固定式の火打ち石)か「火縄」で尾栓部の穴に着火するわけだ。だから新聞紙=ワッズ(複数形)なのだ。弾薬筒も雷管もこの場合は無い。空胞ならば黒色火薬と新聞紙だけだから「ワッド」と単数形になっている。これは作者が旧式の鉄砲を「散弾銃」と似た様な構造だろうと思って調べずに書いたと思われる。散弾銃の空胞(ブランク)の説明としては正しいからだ。散弾銃の薬莢は新聞紙ではなくお習字の下敷きのようなフェルト素材でできている。先込め式の銃はセットでフラスコと鉛球用の「鋳型」がセットで売られていたし「突き棒」は銃身の下にセットされているものである。
アーロン・エルキンズは軍歴は無いのかな?さもなくばハード・ボイルド系の本を読んでいないようだ。
クリス・ノーグレン物第一作としては中々面白いがギデオン・オリヴァー物よりも主人公がイマイチ感情移入しにくい気がする。
偽りの名画 (ミステリアス・プレス文庫)Amazon書評・レビュー:偽りの名画 (ミステリアス・プレス文庫)より
4151000402
No.7:
(5pt)

とても嬉しく思っています。

迅速で確実なご対応に加えて、思っていたとおりの商品でとても満足しています。有り難うございました。
偽りの名画 (ミステリアス・プレス文庫)Amazon書評・レビュー:偽りの名画 (ミステリアス・プレス文庫)より
4151000402
No.6:
(4pt)

推理小説ファンよりも、美術ファンにおすすめです!

毎年、印象派をはじめとする美術史に残る画家の作品が日本に来ては、展覧会が開催されますが、やっぱりヨーロッパは本場、厚みが違う!好きな番組が「開運!何でも鑑定団」という人、毎月1本以上美術展を観に行くという人には、特にオススメです!作者のエルキンズさん、美術のこと良く勉強しました◎ 日本人にはわかりにくい戦後のヨーロッパの問題もソースのように効いているし、主人公クリス・ノーグレーンのちょっとアキバ系ぽいところも小説として面白いところです。
偽りの名画 (ミステリアス・プレス文庫)Amazon書評・レビュー:偽りの名画 (ミステリアス・プレス文庫)より
4151000402
No.5:
(4pt)

推理小説ファンよりも、美術ファンにおすすめです!

毎年、印象派をはじめとする美術史に残る画家の作品が日本に来ては、展覧会が開催されますが、やっぱりヨーロッパは本場、厚みが違う!好きな番組が「開運!何でも鑑定団」という人、毎月1本以上美術展を観に行くという人には、特にオススメです!作者のエルキンズさん、美術のこと良く勉強しました◎ 日本人にはわかりにくい戦後のヨーロッパの問題もソースのように効いているし、主人公クリス・ノーグレーンのちょっとアキバ系ぽいところも小説として面白いところです。
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4151751025
No.4:
(5pt)

贋作はどれか?

美術館学芸員クリス・ノーグレンもののシリーズ1作目。骨探偵のギデオン・オリヴァーものも好きだけど、こっちのクリス・ノーグレンの方がとぼけた味があって楽しいです。このまま続巻読んでいったら、もしかしたら骨探偵(スケルトン探偵)ものよりも好きになるかも知れない。本作では、殺人事件に関するミステリ、自分が命を狙われることになることに関するミステリ、いろいろ解かなきゃいけない謎はあるけど、やはり最大の謎は名画展の中に存在するはずの贋作の正体。美術書籍でも手元にあれば、なお一層ノーグレンのうんちくが楽しいんだろうな、と思いました。知らなくても楽しいけど、ね。
偽りの名画 (ミステリアス・プレス文庫)Amazon書評・レビュー:偽りの名画 (ミステリアス・プレス文庫)より
4151000402



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