原始の骨



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初公開日(参考)2009年09月
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長編小説

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原始の骨(ハヤカワ・ミステリ文庫)

2009年09月05日 原始の骨(ハヤカワ・ミステリ文庫)

ネアンデルタール人と現生人類の混血を示唆する太古の骨―この大発見の五周年記念行事に参加すべく骨の発掘されたジブラルタルを訪れたギデオン。だが喜ばしい記念行事の影には発掘現場での死亡事故をはじめ、不審な気配が漂っていた。彼自身まであわや事故死しかけ、発見に貢献した富豪が自室で焼死するに至り、ギデオンは疑いを深めるが…。一片の骨から先史時代と現代にまたがる謎を解く、スケルトン探偵の名推理。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

原始の骨の総合評価:6.50/10点レビュー 6件。Cランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

知識がリニューアルされる

今回は考古学の世界によくある事件(捏造)をテーマにした構成になっている。これは作中でも語られている実際の事件―ピルトダウン人事件―がモチーフになっているのだろう。

毎回新たな知識を提供してくれるこのシリーズだが、本書でもビックリするような話が続出する。その中でも最たるものはネアンデルタール人が90年代のDNA鑑定によって今の人類の祖先ではなかったということだろう。
私が高校生の時はクロマニョン人から一連の進化のプロセスに盛り込まれていた既成事実が最近の科学では全くひっくり返されてきている。特に恐竜に関しては私たちが子供の頃図鑑で見たそれと現代のそれらは全く趣きが異なっている。つまり考古学は今なお発展途上にあるということだ。
そして我々も子供の頃の知識のままでいるといつの間にか狂言回しのように見られてしまう。知識はやはりこのような書物を読むことでリニューアルされていかなければならないのだ。

さらにギデオンがこの講演会で開陳する知識とは人が二足歩行をするという進化のために出た弊害というもの。四足歩行よりも心臓の位置が高くなったため、静脈瘤が起きやすくなった、十分に足が進化しないうちに二足歩行に移った為、扁平足が生まれた、云々。
中でも最も蒙が啓かれる思いがしたのは直立する事で骨盤が狭まり、逆に頭蓋が発達した事で出産が困難になったということだ。21世紀になってもまだこのような人間の進化に歴史を探る事で新たな知見が得られる。確かに考古学は刺激的だ。

また旅行ガイド的な側面もこのシリーズの特徴で、例えばジブラルタルの空港の滑走路は町の幹線道路と交差しており、時たま車がエンストして飛行機が降りられなくなるなんていう珍事も本書を読まなければ知りえぬエピソードであっただろう。

しかし他方で本来ミステリとして添え物であるべきこれらの情報がシリーズを重ねる事で際立ち、逆に主題である殺人事件の発生が遅くなっているのもこのシリーズの悪い特徴であると云われ、それは間違いではない。
本書ではギデオンの殺人未遂的な事件は早めに起きるものの、殺人事件は174ページでようやく起きる。404ページに物語の最後が書かれているから、おおよそ約半分のあたりである。これはやはり遅すぎるといわざるを得ないだろう。

しかし今回は薄れつつあったミステリ的趣向が改めて見直されるような緻密な伏線に満ちた構成になっている。
前回の『密林の骨』でもアマゾン河という特異な場所を活かしたあるトリックが使われていたが、これはクイズの類いに過ぎず、児戯に等しい物であったから、本書における物語に散りばめられた風景描写と観光ガイド的土地情報が最後のある1つの単語に収斂していくことを考えると実に味わい深いものがある。

今回は実は事件自体が曖昧でミステリ興味が湧かなかったが、最後になってみると、この何かはっきりとはしないが確実に事件は起きている空気の中で見事もやもやとしていた雰囲気が一気に晴れていく妙味はセイヤーズの作品に通じる物があると感じた。

しかし今回はレギュラーメンバーのFBI捜査官ジョン・ロウが出なかったのが物語としての面白みを半減させていると思う。声を出して笑ってしまうほどのウィットがなかったし、ジョンの存在こそがエルキンズのウィットを最大限に引き出すファクターだから、やはり彼の欠場は痛い。
2009年の9月に本国で発表された次作にはジョンが出ていることを大いに期待したい。


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No.5:
(3pt)

翻訳が.......

余り気になるので原書を借りてきて比較したら解剖学用語をサクッと省略し過ぎだわコレ。上下の椎体の噛合も詳しく書かれ椎間孔や棘突起の長さとかポイントを説明してる部分がスッポリ省略。ま、それは構わないが考古学にちょいとでも興味が有る方は日本で起きた藤村新一氏による旧石器遺跡捏造事件を即座に連想すると思います。捏造を見破った竹岡俊樹氏や角張淳一氏はヒーローと一般人は思いましたが後者は自殺にも等しい死に方をしたし騙されてた(知らんぷりしてた)連中はのうのうと畳の上で死んでます。当書が書かれた時期を推察すると完全に作者の頭のなかには日本で起きた捏造事件と後追い報道がヒントになってそうです。
スケルトン探偵シリーズは一種の勧善懲悪というか予定調和物だから安心して読めるんだけれど翻訳次第でつまらなくなる.......特にギデオンの独り語りによる非常に正確な解剖学の知識披露を抜いて翻訳はいただけない。解剖学教室に相談を持ちかければ解決するのに。
原始の骨(ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:原始の骨(ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4151751106
No.4:
(2pt)

翻訳が……

期待して読み始めたのですが、しょっぱなから妙に読みづらかったです。
話の内容を追うよりも違和感の方が大きい。
そしてギデオンの著作のタイトルが以前の訳と変わっていて、別の著作があるのかと思ってしまいました。
せっかく楽しみにしてたのに残念。
以前から気にはなっていたのですが、翻訳は嵯峨さんよりも青木さんの方が良い。
原始の骨(ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:原始の骨(ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4151751106
No.3:
(3pt)

翻訳者のせいなのかな・・・(汗)

珍しく読みにくさを感じています。
いつものようにサクサクと読み進められない。。。

これは翻訳者が青木久恵さんではないからなのかも、と感じています。
前にも同じような経験をしたので。

何がどう違うのかうまくは言えないけれど…(汗)

やっぱり青木さんの翻訳がスキ♪


原始の骨(ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:原始の骨(ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4151751106
No.2:
(4pt)

最高レベルのマンネリズム

nikataroさんのおっしゃるとおり!
毎回デジャヴのような展開で、「ええかげんにせぇやっ!」とツッコミを入れながらも読まずにはいられない、
貴重な愛しいスケルトン探偵シリーズ。
今回もいいですよ〜。
なんでこんなにおもしろいんだろ?
ちゃんと「へぇ〜」と言わせるべきところでは「へぇ〜」と言わせてくれるこの安心感。
多少説得力に問題があったとしても強引に着地までもっていく底力はプルシェンコなみです(笑)。
でも、このごろとみに妻ジュリーが鼻につくのは私だけ?
次作も心待ちにしております。
原始の骨(ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:原始の骨(ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4151751106
No.1:
(4pt)

予定調和の美しさ

有名な景勝地(今回はジブラルタル!)で小規模な学会が招集され、そこには旧知の仲間たちが集合。観光案内と学術的知識を盛り込みながら、「さりげなく」過去の因縁や確執を伏線として用意。そしてあまり血なまぐさくない、というか細かい描写をしない殺人が起こる・・・、といういつものパターンながら筆者の力量と登場人物のキャラクターで見事に引き込まれてゆく。まさかの大ドンデン返しは期待できないが、風景や食事の表現、会話の巧さは筆者ならではの際立ち感。こういう安定したシリーズものこそがミステリーの王道であり、読み物としての一級品だと思う。どうか翻訳、発売のペースを崩さずに「文庫で初版」のポリシーを守って末永く続けてほしい。
原始の骨(ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:原始の骨(ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4151751106



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