密林の骨



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初公開日(参考)2008年07月
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長編小説

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密林の骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

2008年07月01日 密林の骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

アマゾン河を旅する格安ツアーに参加したギデオンだが、同乗者は奇妙な人間ばかりだった。不穏な雰囲気の漂う民族植物学研究者一行、秘密を持つ船長、出自不明のガイド。やがて事件が勃発する。岸の方から槍が飛来し、船内に突き刺さったのだ。そしてその穂先の基部に巻かれていたのは…さらに接岸した場所で不思議な穴のあいた骨が発見され…一片の骨から名推理を展開するスケルトン探偵ギデオンが密林の闇に挑む。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

密林の骨の総合評価:6.83/10点レビュー 6件。Cランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

ピラニア食べてみたい!

毎回このギデオン・オリヴァーシリーズは異国の地を舞台に骨が関わる事件が描かれるが今回はアマゾン河。しかし有名なブラジルからではなく、お隣のペルーからの進入だ。
そして本作は個人的に非常に面白い物となった。読書中、自分がチリへ出張した時のことを思い出したからだ。

本書でも述べられているが、南米への旅行には不便が強いられ、私がチリに行った時も行きは24時間、帰りは28時間かかり、ギデオンたちも例に洩れず、行きは乗り継ぎの空港リマに来るだけで24時間が経過していた。しかも乗り継ぎの空港がリマであるというのも一緒だった。ただ私の場合はチリ行きの便が途中に立ち寄る空港がリマで、乗り降りの必要は無かったのだが。
他にもペルーの主流タクシーである屋根付三輪オートバイ<モトカー>はこちらフィリピンで横行している<トライシクル>そのままだし、国は違えど、南の国々の乗り物はさほど変わらないことを認識させられた。

またクルーザーの船長が乗客に振舞うピスコサワーに激しく反応してしまった。作中で書かれているとおり、この飲み物はペルー特産の蒸留酒ピスコをベースにした飲み物なのだが、これはチリでもよく飲まれており、かくゆう私も出張中、食前酒として何度も飲み、またお土産として持って帰ったくらい、実に美味しい飲み物なのだ。35度という比較的高いアルコール度数とは裏腹に飲みやすい味わいがあり、女性も気軽に飲める、一種の爆弾みたいな飲み物だ。本作を読んで、またこのピスコサワーが飲みたくなった。
更にはマラリアの予防注射が存在せず、錠剤を飲むだけだということも正にこちらで自身がやっていること。つまり本作でギデオンらが体験した事は全て私自身も経験しているようなことで、いつもにも増して親近感を覚えてしまった。

他にも作者が実際に取材したペルーでの旅、アマゾン河クルーズの体験がふんだんに盛り込まれており、我々文明社会に生きる者たちの想像を超える気候、思想、文化が余すところなく作品に活かされて、興味が尽きない。特にアマゾン河に住む部族のシャーマンに逢いに行く際、この体験記を書くために訪れたフリーライターのメルがメモしようとするが、ものすごい湿気のためにゲルインクのペンは凝固せずにそのまま流れ、代わりに鉛筆を使うが、今度は紙が湿気を帯びて破れて書けず、しまいにはノートを綴じている糊が湿気で溶け、バラバラになってしまう。更に代わりに取り出したハンディレコーダーもテープが湿気で膨張し、使い物にならないと、想像を絶する環境なのだ。つまりかくして秘境は謎に包まれるということか。TVや映画でアマゾンを取材した映像を観たりすることがあるが、あれが途轍もない苦労の末の成果だということを気付かされる。

そしていつも思わせられることだが、エルキンズはキャラクターを作る力が本当に抜きん出ている。内容の軽さゆえに、読み飛ばしそうなシリーズだが、毎回ギデオンが旅先で出くわす人物たちは、普通の人とはちょっと違ったエキゾチックな特徴を持っており、それをストーリーに上手く絡ませて、上質のウィットを生み出している。
特に今回は昆虫学者のオースターハウトが個人的には一番面白いキャラクターだった。ゴキブリの権威である彼とジョン・ロウとのやり取りは思わず大きな声を発してしまうほど笑ってしまった。

そして本シリーズの恒例の目玉であるギデオンによる骨の鑑定だが、本作ではなんと全400ページ弱の分量に於いて280ページのあたりと物語も7割を過ぎた辺りでようやく出てくる。しかもメインの事件ではなく、云わば物語の装飾の部分に該当する麻薬取引を取り潰すマフィアの画策に関する事件に関連してくる。しかしこの被害者の正体がメインの事件を絞り込むのに大いに関わってくるから、決して副次的な物ではない。
ただ、この骨の絡んだ事件の真相はすぐに解ってしまった。こう申しては失礼だが、謎としては小学生のなぞなぞのレベルである。

思うにこのギデオン・オリヴァーシリーズはミステリとしての謎の醍醐味よりも、先に書いた登場するキャラクターの面白さと売りとなっているギデオンの骨の鑑定から判明する意外な事実、つまり知的好奇心を満たす新情報といった小説としての旨みにある。前作ではそろそろジュリーとギデオンとの間に何か変化が起きてもいいのでは?などと書いたが、やはりこのいつものメンバーがいつものように旅先で出会う事件を、ギデオンが骨を鑑定しながら解決する、こういう定型を愉しんでいるのだと再認識させられた。

さて最後に本作の原題“Little Tiny Teeth”とは直訳すれば「小さな小さな歯」となるが、これはピラニアの歯を指している。このピラニアの歯がギデオンの骨の鑑定に少しばかりお手伝いをしている。恐らくこれは作者エルキンズが目の当たりにした自然界の力強さを象徴するものだったのだろう。

不思議の世界アマゾン。エルキンズの筆によるアマゾン行は面白かったが行きたいとは思わなかった。ただこのピラニアは一度食べてみたいなぁ。


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No.5:
(2pt)

「ショットガン槍」?

文庫版159頁の翻訳を読んで「ショットガン槍」なる武器を想像出来るか?最初は「ソードオフしたショットガン」か?CA870CQBみたいなのを誤訳したのかと思ったが、どうも「槍」が主体で「ショットガン」はオマケらしい。「基部を尖らせて」は撃針の誤訳で以下「銃身」「バレル」の区別が無い為に変な訳になったらしい。正確に言えば「長い木の棒の先端に溝を彫る」→「薬室+銃身をそこに嵌めこむ」→「撃針をうまい具合に雷管に当たるように木の棒の最も後側にセットする」→「槍の穂先を木の棒に括り付ける」→投げると刺さった時に銃の重さで雷管が叩かれてタマも発射される=二倍の殺傷力になるという仕掛け。しかし雷酸水銀(雷汞=らいこう)が衝撃で発火しても高湿度のアマゾンでは発射火薬は燃えず不発に終わる事が多いそうな。COST PERFORMANCEに劣る武器らしい。さっくり「ライフル銃を木の棒の中に嵌め込んで ついでに槍も括りつけた武器」とでも訳せば解るのに。
女性の翻訳家に多く見られる「武器」「刃物」「メカ物」を雰囲気で訳してしまう誤訳でかなり読みにくい。
密林の骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:密林の骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4151751092
No.4:
(4pt)

今回はクルーズ船で密封

ナイル河ではなくアマゾン河の格安クルーズ船で名探偵御一行以外はすべての人物が殺人の動機を持ち、先住民族や麻薬、過去の因縁(ちょっと無理もありますが・・・)をブレンドさせて物語は進む。犯人やトリックに奇抜さはないが、よほど覚悟を決めないと訪れる機会がないであろう地域なのでとても新鮮。落ち着いて読める紀行風土記にミステリーの味をプラスした上質の読み物として評価できる。次はどこへ行くのだろうか?
密林の骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:密林の骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4151751092
No.3:
(3pt)

舞台はアマゾン!

スケルトン探偵ギデオン・オリヴァー・シリーズ第13作。
ペルーのアマゾン河をおんぼろ船で旅する格安ツアーに参加したギデオンとジョン。同乗者は民族植物学者と彼に特別な思いを抱いた人々。やがて事件が起こる。
先日劇場で見た「インディ・ジョーンズ」のイメージが頭にあり、いつも以上に舞台が想像できて、楽しく読めました。厳密には違うのかも知れませんが、よくわからないので。
ただ、今回はスケルトン探偵としての専門性は後半にならないと出て来ません。どちらかというと、軽い「ナイル殺人事件」ののりみたいです。
密林の骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:密林の骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4151751092
No.2:
(3pt)

舞台はアマゾン!

スケルトン探偵ギデオン・オリヴァー・シリーズ第13作。
ペルーのアマゾン河をおんぼろ船で旅する格安ツアーに参加したギデオンとジョン。同乗者は民族植物学者と彼に特別な思いを抱いた人々。やがて事件が起こる。

先日劇場で見た「インディ・ジョーンズ」のイメージが頭にあり、いつも以上に舞台が想像できて、楽しく読めました。厳密には違うのかも知れませんが、よくわからないので。
ただ、今回はスケルトン探偵としての専門性は後半にならないと出て来ません。どちらかというと、軽い「ナイル殺人事件」ののりみたいです。
密林の骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:密林の骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4151751092
No.1:
(5pt)

過去最速の白骨化かも!?

ギデオン先生としては、新鮮な(笑)死体より、白骨化した死体の方がありがたいわけで、過去のシリーズでも、鑑定する骨はだいたい1年以上前に死んだ人のものだったりすることが多いのですが、今回鑑定する骨は、もしかしたら過去最速で白骨化してしまったものかも!
今回は推理劇というよりアマゾン川下りの情景描写の方が多くて楽しいんですが、湿度100%のこの地には、実際には行ってみたくないですね
密林の骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:密林の骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4151751092



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