ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。

画商の息子で画家を目指す僕こと緑川礼は、冴えない高校生活を送っていた。

ミステリ界注目の新鋭によるシリ-ズ第一作有名画廊の社長が密室で殺された。

宇佐見護博士は、サンフランシスコ近郊の研究所に勤める博物学者。紅茶を飲みながら思索を巡らし、ときに幻想の旅に出る。

銀座の花師・佐月恭壱のもう一つの顔は絵画修復師。

ニューヨーク、国連本部。イラク攻撃を宣言する米国務長官の背後から、「ゲルニカ」のタペストリーが消えた。

名画展を手伝うためにベルリンに赴いた美術館学芸員クリス・ノーグレン。

一七世紀オランダで、陶器の名産地として栄えた港町・デルフト。

予想できない方法でわたしは姿を現し、生き返る。遺された取材ノートから知った、ロートレックの名画『マルセル』盗難事件。

化粧をほどこされたホームレスの死体が、すべての発端だった。二人、三人、四人…犠牲者に刻印された徴は何を意味するのか。

独自の意味を背景や小物として絵画に書き込む手法、図像。英国で図像学を学んだ千景は、祖父の死を機に日本に戻ってきた。

実物を知る人間は数えるほどしかいない、所在不明の幻の絵画『ロンド』。

華々しい経歴を持ちながら、訳あって自分の絵筆がとれない洋画家の本庄敦史は、師の勧めにより知的障害者更生施設「ユーカリ園」でアートワークグループの指導をすることになった。

夭折したはずの画家から届いた絵葉書――。

殺された画家、盗まれた絵画。

名門ヴァインフェルト家の末裔アドリアンは絵画の鑑定家として働く一方、芸術家に資金を援助するパトロン役も果たす温和な人物だった。

ベルギーの小さな村の教会から、壁に掛けられていた絵がなくなった。