刑事の誇り
- パウダー警部補シリーズ (3)
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話はそれほどの盛り上がりはありませんが読後感は良かったです。 | ||||
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インディアナポリス失踪人課のパウダー警部補は働き者。 夏に関してかれが好きなこと、夕方腕に熱があたり、踏む小石にも太陽がしみこんでいる。「で、そばを通るとその熱を感じるわけだ。おれはそれが好きなんだよ」P137 多数の事件を休日返上で仕事してよその課にも怒鳴り込むため同僚に嫌われている。元妻にも。あいてる時間には近所のひとの引き出しを修理してやり、自宅農園で野菜果物育てに汗を流す。50すぎの体力は俊敏ではないけど頑張る。頑張りすぎる。だけど、このお喋りで何もかも過剰な警部補が一番好きなのは人間かもしれない。 ★田口俊樹の翻訳は、お喋り誠実仕事人間のパウダー警部補の気質をよくとらえている。 | ||||
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本書の主人公のリーロイ・パウダーは、万年夜勤の刑事から失踪人課の長となった警部補である。 そこえ捜査中に、犯罪者の銃弾で撃たれ、その後遺症で車椅子になったキャロリン・フリートウッド部長刑事が配属された。 モジュラー・スタイルで著者のマイクル・Z・リューインは、このリーロイ警部補ものをシリーズ化しているが、この作家の作品を手にしたのは初めてであった。(本書が二作目である) 主人公のパウダー警部補のシニカルな言動など、なかなか面白いキャラクターとして描いている。 が、あまりにも簡潔化したストーリー・テリングには、なんか映画の台本でも読んでいるような素っ気なさを感じてしまった。 このようなスタイルに慣れない読者には違和を覚えてしまうかな、と思いながら読み進んだのである。 この物語が進行するインデアナポリスの情景描写などがないにひとしい、と巻末の解説で都筑道夫氏が記述していたが、確かに評者もなにかものたりないように感じたのは事実である。 あまりに過剰な情景描写が続くのも辟易してしまいますが・・・。 著者は、1971年にイギリスへ移住してこの作品を書いたのが1982年であり、「御無沙汰しているインデアナポリスの街などの情景描写などできなかったのだろう」と、都筑道夫氏が解説の最後で書いていたから、なるほどと納得したのである。 ・・・パウダーは家に帰った。着替えをしたかった。サンドウィッチをつくつた。 それからリッキーの部屋の中をのぞいた。戸口から見ただけでも、リッキーが家を出て行ったのはあきらかだった。 パウダーはウッズ夫人の家へ向かった。・・・ 上の・・・内は、本書『刑事の誇り』の307ページの一部である。 原書でどのような英語で記述されているのか分からないが、あまりにも素っ気ない翻訳なので呆れてしまった。 訳者のローレンス・ブロック作品(スカダーものや泥棒バーニイもの)などの翻訳の冴えを本書で読みとることはできない。 それとも著者の素っ気ない原文を、そのまま直訳したのだろうか? | ||||
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いいです。 週末、久しぶりに海外ミステリを読もうと物色して、何気なく読んだ一冊。 過去にこのパターンでなんどもハズレ籤を引いたが、これは大当たり。 他のパウダー刑事モノも、脇役で出てくる私立探偵のメインシリーズも知らなくても、 充分愉しめます。 ベテランの刑事と若い女性刑事というお決まりのパターンながら、女性刑事は車椅子。 しかも、ベテランのほうが(容疑者追跡中の事故がもたらした)障碍者であるにも拘わらず、 彼女を痛罵し、冷笑し、しかし、叱咤する。このテンポが最高。 一歩間違えば、“差別”問題を惹起させてしまうところを、ぎりぎりのレトリックで踏みとどまり、 新たな展開へと導いています。このあたり、翻訳もいい。 もう一つ、興味深いのは、ベテラン刑事のダメ息子。 離婚した妻側に親権があったようだが、突然父親の家に訪れ、かつてに同居。 怪しげな友人を連れてくるわ、別の妙な所で仮装パーティーをひらくわ。 このパーティーに、ベテラン刑事が車椅子の部下を連れて行く場面は、冷静に考えれば、 絶対あり得ない展開だが、これが読ませます。しかも伏線としても重要。 父と息子の会話もたいへん面白く、息子の仕事が電話会社勤務という設定も、 その後の展開に大いに貢献して、上手い。 他の方も書いているように、様々の事件が、思わせぶりにたて続けに描かれています。 途中まで、関係か無関係かに気をもたせながら、メインの事件が中盤から急展開し、 被疑者の意外性はもとより、被害者の意外性が明らかとなっていく手際も、素晴らしい。 原題は“Hard Line”で、これはこれで読めば判る意味のあるタイトル。 ただ、邦題も、一件ありふれているようでいて、結末でその真の意図が判る、なかなかの選択。 お薦めです。 | ||||
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責任感が強く職務に誇りを持っているが、他人にワザと嫌われる振舞いをする偏屈な"失踪人課"の警部補パウダー。職務中に狙撃されヒロイン扱いされ、車椅子生活のままパウダーの配下に入った美人部長刑事フリートウッド。パウダーは初対面からフリートウッドに辛辣な言葉を投げかける。あざとい設定ではあるが、この二人の関係の推移が見所と言う事だろう。 失踪人課だけあって、パウダーの元へは様々な事件が持ち込まれる。単なる失踪事件だけではなく、殺人事件の身元不明の被害者や自殺志願者の捜査も頼まれる。作中の失踪人と依頼人、被害者、犯人がクロスする展開が予想される。また、パウダーの家に突然、離婚した元妻の所にいた息子が現れ、贅沢な生活を始めた点にパウダーは疑念を覚える。複数事件並列進行型の作品である。こうした細々した出来事を、読者が混乱しないように巧みに語れる合理的な手腕があるのだから、パウダーが吐くパルプマガジンの私立探偵のような"へらず口"は読んでいて不自然さを覚える。無理やり捻り出した感がある。冒頭のフリートウッドは肩肘張った人形のようなのだが、裏にパウダーの温かい心があったとしても、この常軌を逸した悪口雑言では一日で辞めざるを得ない所だろう。辞めないのも「刑事の誇り」か ? パウダーのちょっとした失敗をキッカケに二人が男女の関係になるのは、定番とは言え唐突過ぎる。登場人物(特にフリートウッド)に血肉が通っていないのである。 パウダーの強硬路線(hard line=原題)と洞察力で各事件は収束するが、本作品でのフリートウッドの役割は「?」なのである。事件そのものに話を絞った方が緊迫感が増し、パウダーの人物像も更に浮き彫りにされたと思う。 | ||||
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万年夜勤刑事から失踪人課の長へと変わったリーロイ・パウダー警部補だが、彼の悩みは尽きない。人手不足の失踪人課にやっと部下が配属されたのだが、来たのは捜査中に負傷して車椅子に乗っている女刑事だった。プライベートでもパウダーには心配事がある。離婚した妻と暮らしている息子リッキーがやって来たのはいいのだが、どうやらリッキーは悪事を働いているようなのだ。失踪人課には様々な人たちが失踪人届けを出して突然にいなくなった妻や娘などを捜し出してくれと訴えてくる。それらをパウダーはバイタリティを持って捌いていく。失踪人届けを出した人物の中の一人に、パウダーは何か引っ掛かるものがあった。妻がいなくなったと言う夫である男が妙に冷静なのだ。パウダーは車椅子の女刑事フリートウッドに捜査を指示する。 ある自殺未遂者の女性の身元調べを行っているパウダーは、彼女が記憶喪失を装っていると確信していた。しかし彼女は断固として何も喋らずに、ある日自分の顔をガラス瓶で切り裂こうとした。パウダーは持ち前の粘り強い捜査で彼女の過去を調べ続けるのだが。 前作となるシリーズ一作目で探偵アルバート・サムスンの恋人の女性に惚れてしまったパウダーであったが、今作では同僚の女刑事と結ばれるのであの三角関係はどうやら解決したようだ。しかし、このオジサン刑事の図々しさには恐れ入る。かなりしつこい攻撃で敵対していた女刑事をモノにしてしまうのだから凄い。こういうやり手は周囲に対してかなりの敵を作ってしまうが、パウダーのこの性格はもはや変えようがないだろう。複数の犯罪事件が最後には全て解決するが、その全てが苦い現実を残すあたりに作者リューインの持つシビアでリアルな姿勢が窺える。ユーモラスな筆運びとは対照的な厳しい目を持っている。 | ||||
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