沈黙のセールスマン
- 米澤穂信の100冊 (47)
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点8.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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アルバート・サムソン・シリーズの第4作。製薬会社のセールスマンである弟が事故で会社の病院に入院し、半年以上も面会謝絶になっている理由を調べてほしいという依頼を受けたサムソンが調査を進めるサスペンス・ミステリーである。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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表紙のイラストと中身のギャップの差が激しい。 もちろん内容も面白いですよ。全然飽きないで読了しました。 | ||||
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この2月にたまたま家族で旅行をすることになり、以前、最寄りの書店で買っていて、積ん読(つんどく)になっていた「沈黙のセールスマン」を、旅行中の息抜きにと思って、旅の鞄に詰め込んだ。そして、旅先のホテルで読み出したら、大変面白くて、ついつい引き込まれてしまった。 私は、ミステリーの熱心な読者とは言えないので、ミステリーファンの方に参考になるレビューを書けるとは全く思えないのだが、この本の読了後、Amazonのレビューを見たら、まだ誰もレビューを書いていないので、これから購入を考えている人の参考になるかもしれないと思い、レビューを書くことにした。まず、この本の背景知識を書くと、以下3点となる。 ①この作品は、マイクル・Z・リューインの私立探偵〈アルバート・サムスン〉シリーズの作品で、代表作とされる(シリーズは8作品あり、シリーズ第4作目である)。原題はThe Silent Salesman、1978年の作品である。 ②マイクル・Z・リューインは1942年生まれ。昨年(2022年)が生誕80周年ということで、早川書房が熱心に新作の翻訳も出し、この「沈黙のセールスマン」も新版が出版された(旧版は1994年5月に刊行されたそうだ)。 ③この本の巻末にある池上冬樹の解説を読むまで知らなかったが、チャンドラーらの古典的ハードボイルドに対比して、1970年代にネオ・ハードボイルド派が出てきた。池上によれば、「なかでも本書のマイクル・Z・リューインが生み出した私立探偵アルバート・サムスンの個性は際だった」とされる(ただし、この「ネオ・ハードボイルド」という概念は日本人の手製のものらしく、英語版Wikipediaを読んでみたら、アルバート・サムソンは“a distinctly low-keyed, non-hardboiled private detective/地味でハードボイルドではない私立探偵”と紹介されており、翻訳や文化受容のテーマとして興味深い)。 さて、物語は、なかなか依頼が来ず、将来の見通しに不安を抱えるアルバート・サムソンのところに、ミセス・ドロシー・トーマスという婦人から電話が来ることから始まる。彼女の弟は、ロフタス製薬にセールスマンとして勤務しているが、なぜか研究中に薬品が爆発して重症を負い、7か月もの間、会社の関係施設、ロフタス診療所に入院しているという。その間、姉のミセス・ドロシー・トーマスは、3度面会を申し込んだが、全て拒絶され、彼女はその理由を知りたいといと、サムソンに依頼する。サムソンは、セールスマンが携わっていた研究とは何か、ロフタス製薬が行っている研究に何か怪しいものがあるのではないか、と疑いを持ち始め、多くの関係者にインタビューを始める。そこに離婚した妻のもとにいる娘のサムが訪れてくる。 そして、物語は、サムソンの真実を求める行動により、螺旋階段を登るように進み、ロフタス製薬の疑惑は次々と大きくなり、読者は物語の展開に引き込まれてしまうだろう。とにかく、次々と予想外の展開が起こり、それでいて地に足が着いているプロットで、私にはとても面白く読めた。私の評価は「素晴らしい作品」として☆4つとしたが、☆5つとするか悩むところだった。これは私の書いた58番目のレビューである。2023年2月27日読了。 | ||||
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会話は面白い。テンポも素晴らしい。読んでいて飽きない。いい作品ななんだと思う。 しかし、警察の制止を振り切ってなぜ探偵の調査を続けるのかに全く説得力がない。また最後のシーンに向かってのドタバタはとても乱暴な作りこみに見える。種明かしもいまひとつ納得感がない。雑だなあという感触を受ける。設定やしかけも正直退屈。 | ||||
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主人公のサムスンの元に事故で怪我をした弟と面会謝絶になっているので何とかしてほしいという依頼が来て・・・というお話。 まず、多くの方が指摘されているように、失踪人捜査とかそういうよくある幕開きでなく、ずーっと面会謝絶になっている弟に面会したいという姉の依頼から始まる発端が抜群にいいと思いました。その後の主人公の探偵、サムスンが実の娘と10年くらいぶりに再会し、一緒に捜査にあたるという展開も、作品全体を明るくしているようで、いい感じに思いました。さらに、事件が中盤から思わぬ方向に進んで行く展開もよく考え抜かれたプロットで感心しました。憶測ですが、著者のリューインはこの作品を書くに当たってかなり周到に話を考えて書いたものと考えましたがどうでしょうか。それくらいよく練られているプロットに溜飲が下がりました。この辺がハードボイルド/私立探偵小説ファン以外の本格ミステリファンにもこのシリーズが歓迎されている理由だろうと思いました。 また、前述した久しぶりに会った娘と父の交情にもとってつけたような印象がなく、自然でほのぼのとしていてわざとらしさがなく、著者の才気を感じました。この作品から人気が決定的になり、人気シリーズになったというのも頷けます。 これからのシリーズが楽しみになる第4作。機会があったら是非。 | ||||
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サムソンの優しさが溢れる本 「優しくなれなければ生きている資格がない」 マーロウよりサムソンのほうが優しいです(^-^) | ||||
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