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新車の中の女
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新車の中の女の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全17件 1~17 1/1ページ
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両親を早くに亡くして孤児院で育った主人公ダニー・ロンゴは26歳のOL。元同僚のアニタが広告代理店社長のミシェルと結婚した縁で、その会社で勤務している。ある日社長命令で急ぎの書類を50枚社長宅に泊まってタイプする。そしてあくる日空港に向かう社長一家の車を運転して返すよう言われる。素敵なオープンカー、洒落た白いスーツ、社長にもらった給料。女王様のような気分になったダニーは、気まぐれに南フランスへドライブを楽しむことにした。だが、はじめて行く場所なのに、皆がダニーを昨夜見たという。なぜ? 以下ネタバレ。みんなが知らない見ていないという「幻の女」の逆バージョンである。ダニーとアニタの過去エピソードが出てくるので、アニタがダニーを恨んでいるのかと思うが、そうではなくて良かったです。ミシェルの複雑な心理が、理解しにくい。「シンデレラの罠」と違ってハッピーエンドでした。 | ||||
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お茶目なOLダニーは、社長の白いサンダーバードを指示通り車庫に返すのをやめて、きまぐれでパリから南仏までドライブに行ってしまいます。 途中、何者かに襲われて怪我をしたり、くるまのトランクに見知らぬ男の死体が入ってたり、散々な旅ですが、実は、それらは彼女を殺そうとしている社長の陰謀です。 ヒロインも混乱しますが、社長も彼女の思いがけない動きにふりまわされます。 最後は、社長が悔い改めて自主し、ダニーは途中のレストランで出会った、気のいいトラック運転手と仲良くなります。 謎解きを楽しむと同時に、平凡なしあわせは有難い(有るのが難しい)と感じさせる作品です。 | ||||
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広告代理店で働くOLのダニーは、社長の持っている新車を、運転して自宅に停めておいてくれと頼まれる。 彼女は、ふと思いたって、この素晴らしいオープンカーの新車に乗って、かつて行ったことのない海へ向かってバカンスの旅に出た。 しかし旅の途中、行き交う人々が、なぜか自分を知っていると言う。なぜ? 現代の国内ミステリーに読み慣れてしまうと、「古典」「海外」ものは、なんだか堅苦しくて古臭くて、離れていってしまいがちになります。 しかし、やはり、長く受け継がれる作品というのは、どんな場所や時代でも人を惹きつけるのだと思い知りました。素晴らしかったです。 特に前半部分が良かったです。主人公が、旅の行く先々で、見知らぬ人々から、「あなたに会った」と言われ困惑していく、落とし穴にはまっていくような展開。なぜ?なぜ?と目が離せなくなり、物語から抜け出せなくなりました。 ネタばらしの部分に入ったときは、一瞬白けた感じになりましたが、根気強く読んでいくと、スーっと謎が解けていくカタルシスをちゃんと味わえました。 254ページの主人公の決意と、最終ページの結び方のつながりが、とっても良かったです。 | ||||
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エンディング近くまでギリギリ感いっぱいで楽しめた。が、このオチは何だ?ご都合主義もいいとこ。予想つく結果だとしても、ここまで帳尻合わせされたら笑うしかない。ラスト頁なんか、もう面倒くさいのでこれでいいでしょ?的うっちゃり。ガッカリ。古典だから当時はウケたのだろうが、今のサスペンスではとても通用しない代物。唯一、フランスの漁村をドライブする感覚だけが楽しめた。 | ||||
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1960年代のフランス文学の潮流を反映した実存主義的な雰囲気の中、不安と焦燥を煽るサスペンスの醸成が素晴らしい。いささかハッタリが先行気味の『シンデレラの罠』(それでも傑作である事に疑いはないが)よりも本作を上位に置く向きも多いだろう。 そしてエレガントな筆致と華麗な技巧を駆使し綴られる迷宮にも似た物語の果てに浮かび上がる愛、歪でありながらも悲痛極まりない、その姿には大いに心打たれる。 解説を寄稿している故 連城三紀彦氏の作品(例えば『私という名の変奏曲』)とも通底する繊細な心理描写と巧みな叙述テクニックが融合した、まさに作者ジャプリゾの真骨頂。 | ||||
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車を回送させるように頼まれた主人公がそのまま旅に出て不可解な事態に巻き込まれ・・・というお話。 行く先々で自分では覚えていないのに相手が自分の事を知っているという不可解な状況の元に追いやられるという不条理なサスペンス。自分では初めて来た所なのに、周囲の人間は前に見たと主張するという状況は前作「シンデレラの罠」に通じるアイデンティティの喪失と通じる部分のある展開だと思います。ジャプリゾはこういうニューロテッィク・スリラーを書かせると抜群の技量を発揮し、本書もこの人の作品を全部読んだ訳ではないですが、異論を承知で言えば最高傑作に当たるのではないかと思いました。故・瀬戸川猛資氏も「シンデレラの罠」よりもきらびやかなテクニックを駆使した本書の方が断然いいと仰っていた記憶があります(私は両方とも好きですが)。 という訳で巻き込まれ型サスペンスのジャンルの中でも最高峰に位置する作品だと思うので、余計な情報や先入観を読む前に持たないで、いきなり読んだ方が楽しめること請け合いの作品だと思います。 それと、冒頭のセリフの緊張感が凄まじく、ミステリ史に残る名文だと思いました。 鬼才がその技巧の粋を極限まで凝らした大傑作。必読。 | ||||
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―わたしはまだ海を見たことがない。 むかし旧訳で本作を読んだ時、この書き出しの一行だけで、ビンタを食らったような衝撃をうけた。乱歩に正史、カーやクイーンといった、ドロドロコチコチの本格物しか知らなかったミステリ少年にとっては、あり得ないセンテンスだった。散文というよりポエム。度数のあわない眼鏡のレンズごしに覗いたような、いびつな現実のデフォルメ、思いがけない角度からの事象の切り口、どこか崩れているようで痛いほど的確に心理の陰影に食い込んでくるレトリック。そんな印象深い文章が、聴き慣れない異国の音楽のように演奏されているのに、ひたすら陶然となった。 しかも、その怜悧なセンテンスは、精緻に計算された謎解きミステリのパズルの一コマ一コマであり、同時に、主人公の人格と人生を繊細に描き出すピースの一片一片でもあった。旧訳よりも軽妙で読みやすくなったこの新訳でも、勿論それは同様である。この初対面のジャプリゾの文体に、鮮烈なカルチャーショックを受けた少年には、もはやミステリに求められる奇抜なトリックだの意外な犯人だの、そんなものはどうでもよくなっていた。本書の書き出しの一行は、これまで読んだすべてのミステリのなかで、いちばん強く記憶に残る書き出しとなって脳裏に焼きついた。しかし、本作はミステリとしても極上の面白さを備えていた。 ―夜は若く、彼も若かった。 やはりこの書き出しで有名なウィリアム・アイリッシュの『幻の女』は、その夜一緒にいたはずの女の存在を、そんな女は知らない、見たこともないと、幾人もの証人に否定されてしまう話。本書『新車のなかの女』は、その逆パターンで、その夜パリにいたはずの自分を、別の場所で見たという何人もの証言者に出くわしてしまう物語。存在したはずのないもう一人の自分を発見してゆくという、ドッペルゲンガーが徘徊する異次元スポットにはまり込んだようなストーリーが、実にスリリングで面白い。しかも、拾い集めた見知らぬ自分自身の姿を、合理的なシチュエーションで繋げることが、殺人事件の謎を解明する道であると同時に、主人公が人生の垣根を越えるための自己の再発見の旅にもなっているのが、小説としての本作の秀逸なところだと思う。そのへんに関しては、巻末に連城三紀彦氏による的確な解説があり、ジャプリゾ論にも読める優れた小文となっている。素人が舌っ足らずに言及しすぎて恥をさらすのは避け、ここでは「心理サスペンスの最高傑作!!」と最大級の賛辞を記すだけに止めておこう。 蛇足―。むかし本作を原作とした『殺意の週末』という邦題のフランス映画をテレビで見たが、実につまらない映画だった。一方、日本では浅丘ルリ子主演でテレビドラマ化されたが、こちら方が圧倒的に面白かった。今でもジャプリゾというとこのドラマの書き出し…、じゃない、オープニングがふと思い出されたりする。坂田晃一の主題曲に、浅丘ルリ子のナレーションがかぶっていた。 海が見たい… 真っ白なコートを着て 真っ白なクルマに乗って 真っ白な雲を追って わたしは旅にでる… | ||||
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セバスチャン・ジャプリゾ。「シンデレラの罠」は、新鮮で、ドキドキしながら読みました。そして、この「新車の中の女」。アンニュイな、いかにもパリジェンヌの、金髪の美女ダニー。元友人の、社長夫人の車を、こっそり借りてバカンスに出かける。途中で駐車したあちこちで、昨夜あなたと会ったといわれる。そんなバカな。私は、狂っているの?そして死体が・・・。日本やアメリカのミステリーでは味わえない、まさにシャンソンのようなミステリー。この本は、初版は古いのですが、今でも版を重ねています。それだけの価値がある本です。ミステリー好きの方は、是非一度んでみてください。不思議な、感動がありますよ。 | ||||
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セバスチャン・ジャプリゾ。「シンデレラの罠」は、新鮮で、ドキドキしながら読みました。そして、この「新車の中の女」。アンニュイな、いかにもパリジェンヌの、金髪の美女ダニー。元友人の、社長夫人の車を、こっそり借りてバカンスに出かける。途中で駐車したあちこちで、昨夜あなたと会ったといわれる。そんなバカな。私は、狂っているの?そして死体が・・・。日本やアメリカのミステリーでは味わえない、まさにシャンソンのようなミステリー。この本は、初版は古いのですが、今でも版を重ねています。それだけの価値がある本です。ミステリー好きの方は、是非一度んでみてください。不思議な、感動がありますよ。 | ||||
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内省の心理描写が多くて最初慣れるのに苦労する。ストーリーの大半はもう一人の自分探しで、それに殺人事件がからむという展開。最終章で一気に種明かしだが、そこまでが長くって。知らない自分が存在するという不安感、浮遊感を楽しめればこのテンポでもいいんだろうが、そうでなければ苦痛。途中からなんとなく犯人が見えてくるのも興ざめ。原書はそうなんだろうが、ミシェルとミシェールも紛らわしい。昔の作品であり、終わり方があまりにハッピーで少し古さを感じるのもやむを得ないか? | ||||
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内省の心理描写が多くて最初慣れるのに苦労する。ストーリーの大半はもう一人の自分探しで、それに殺人事件がからむという展開。最終章で一気に種明かしだが、そこまでが長くって。知らない自分が存在するという不安感、浮遊感を楽しめればこのテンポでもいいんだろうが、そうでなければ苦痛。途中からなんとなく犯人が見えてくるのも興ざめ。原書はそうなんだろうが、ミシェルとミシェールも紛らわしい。昔の作品であり、終わり方があまりにハッピーで少し古さを感じるのもやむを得ないか? | ||||
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S.ジャプリゾが贈るフランス風の新感覚ミステリ。冒頭で美女が何故か車で逃走するシーンがあり、どうやら殺人事件の犯人に仕立て上げられそうな展開になる。これは単なるサスペンス小説かなと思ってしまうが、作者の巧みなストーリー展開と伏線によって、読者は戸惑いながらも、それまで味わったことのない新しい感覚のミステリを味わうことになる。 読み進むに連れ、ヒロインの精神状態が読者に飛び込んで来る。「ヒロインの精神状態=読者が味わう感覚」になってしまうのだ。作者の技巧が光る。 一応、犯人は意外な人物に設定してあるが、気づく人は早めに気づくかもしれない。この作品の価値は、そんな犯人の意外性などではなく、これまで出会ったことのない新しい感覚を持ったミステリを味わえるという点である。「シンデレラの罠」ほど派手な試みこそないが、お勧めの一作である。 | ||||
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S.ジャプリゾが贈るフランス風の新感覚ミステリ。冒頭で美女が何故か車で逃走するシーンがあり、どうやら殺人事件の犯人に仕立て上げられそうな展開になる。これは単なるサスペンス小説かなと思ってしまうが、作者の巧みなストーリー展開と伏線によって、読者は戸惑いながらも、それまで味わったことのない新しい感覚のミステリを味わうことになる。 読み進むに連れ、ヒロインの精神状態が読者に飛び込んで来る。「ヒロインの精神状態=読者が味わう感覚」になってしまうのだ。作者の技巧が光る。 一応、犯人は意外な人物に設定してあるが、気づく人は早めに気づくかもしれない。この作品の価値は、そんな犯人の意外性などではなく、これまで出会ったことのない新しい感覚を持ったミステリを味わえるという点である。「シンデレラの罠」ほど派手な試みこそないが、お勧めの一作である。 | ||||
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子供の頃見た日本のドラマ(なんとかサスペンスとか)の下敷きに なっていた原作を探して本書に行き着きました。 それだけ設定が印象深かったと言うことです。 しゃれた文体、ストーリー、登場人物設定、本書は実によろしい。 まあ、日本のテレビドラマとはいえ多少のストーリーは 読む前から知っていたけれど・・・ 本書のあとがきを書いた人は最低。 ☆が2個欠けたのはあとがきのせいです。 | ||||
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子供の頃見た日本のドラマ(なんとかサスペンスとか)の下敷きに なっていた原作を探して本書に行き着きました。 それだけ設定が印象深かったと言うことです。 しゃれた文体、ストーリー、登場人物設定、本書は実によろしい。 まあ、日本のテレビドラマとはいえ多少のストーリーは 読む前から知っていたけれど・・・ 本書のあとがきを書いた人は最低。 ☆が2個欠けたのはあとがきのせいです。 | ||||
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都会的でクールなブロンド美人、ダニー。道ですれ違えば誰もが「かっこいい!」と思うような、我が道を行くタイプの自立した現代女性。だけど本人的には他人が思うほど自由ではないし、都会が好きなわけでもないし、いつもなんとなく孤独を抱えている。そんな共感を誘うヒロインが、些細な気まぐれから起こした自由への逃避行。それをきっかけに彼女は不条理な罠へと追いつめられていく。 丹念な心理描写と、魅力的なキャラクター造形、練られたプロットに、見事な結末。そして強烈に映画的なビジュアルを喚起させる見せ場をふんだんに散りばめた、傑作小説である。セバスチアン・ジャプリゾが作家としての絶頂期に放った傑作であり、最高作と言っても過言ではない。とてつもなく清々しい読後感を与えるラストの一文まで、本を読むことの幸せを堪能できる作品。 | ||||
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都会的でクールなブロンド美人、ダニー。道ですれ違えば誰もが「かっこいい!」と思うような、我が道を行くタイプの自立した現代女性。だけど本人的には他人が思うほど自由ではないし、都会が好きなわけでもないし、いつもなんとなく孤独を抱えている。そんな共感を誘うヒロインが、些細な気まぐれから起こした自由への逃避行。それをきっかけに彼女は不条理な罠へと追いつめられていく。 丹念な心理描写と、魅力的なキャラクター造形、練られたプロットに、見事な結末。そして強烈に映画的なビジュアルを喚起させる見せ場をふんだんに散りばめた、傑作小説である。セバスチアン・ジャプリゾが作家としての絶頂期に放った傑作であり、最高作と言っても過言ではない。とてつもなく清々しい読後感を与えるラストの一文まで、本を読むことの幸せを堪能できる作品。 | ||||
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