証拠は語る
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大学を舞台にしたミステリですが、なんとも人を食った内容です。 古典からの引用が多用され、一見難解で読みにくいように思えるかもしれませんが、エンターテイメント作品として、十分楽しめました。読みにくいように思えるのは、描写が丹念だからで、ハリウッドムービー風のスピード感たっぷり(しかし雑)の描写に馴れた読者には、最初は抵抗があるかもしれませんが、すぐに馴れると思います。 むしろ誇張された関係者のおかしな姿を丹念に描いていく物語は、古典ミステリに良くある、退屈な関係者の証言を延々と読まされることに比べて、はるかに楽しめるでしょう。 次々に登場する、透明なカバンから言葉を取り出すがごとく話す教授、アプルビイの名前を何度も間違えるかつての恩師、学期の半分は風邪で来ない昼寝好きの教授など、個性豊かなキャラクターがじっくりと描かれる姿を読めば、くすくす笑わずにはいられないでしょう。 また、凶器の隕石、緑色に変色した胸像、3つの付け髭など小道具の使い方も楽しませてくれます。 | ||||
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大学を舞台にしたミステリですが、なんとも人を食った内容です。 古典からの引用が多用され、一見難解で読みにくいように思えるかもしれませんが、エンターテイメント作品として、十分楽しめました。読みにくいように思えるのは、描写が丹念だからで、ハリウッドムービー風のスピード感たっぷり(しかし雑)の描写に馴れた読者には、最初は抵抗があるかもしれませんが、すぐに馴れると思います。 むしろ誇張された関係者のおかしな姿を丹念に描いていく物語は、古典ミステリに良くある、退屈な関係者の証言を延々と読まされることに比べて、はるかに楽しめるでしょう。 次々に登場する、透明なカバンから言葉を取り出すがごとく話す教授、アプルビイの名前を何度も間違えるかつての恩師、学期の半分は風邪で来ない昼寝好きの教授など、個性豊かなキャラクターがじっくりと描かれる姿を読めば、くすくす笑わずにはいられないでしょう。 また、凶器の隕石、緑色に変色した胸像、3つの付け髭など小道具の使い方も楽しませてくれます。 | ||||
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本職の英文学教授を勤める傍ら生涯に四十作以上の作品を遺した英国本格ミステリー界の重鎮イネスの長編第9作です。まず初めに本書の訳題「証拠は語る」なのですが、やや平凡で面白味に欠けるかなと思います。本書の原題は「証拠の重み」で、著者はメインの趣向である突拍子もない凶器‘隕石’の重さに引っ掛けて二重の意味を持たせているのだと思われますが、もう少しその意図を生かして滑稽さが感じられる題名にされたら良かったかなとやや残念です。 事件は大学校内で教授が重い隕石の下敷きになって圧死した状態で見つかるという尋常でない状況で、スコットランド・ヤードのアプルビイ警部と地元のホブハウス警部補が冒頭から捜査に出向きます。著者の持ち味は一流のユーモアで、読み進めると殺人事件の捜査なのに不謹慎に思える位、随所に洒落やジョークが一杯出て来ます。例を上げると、登場する大学教授の殆どが文学作品からの引用で下らない台詞を連発しますし、アプルビイ警部も真面目な顔で不意に冗談を口にするタイプで、犯行現場の頭上で真下にいる昼寝中の教授に重量物を落下させてみようか、と警部補に軽く切り出して一瞬ギョッとさせます。本書には、現場に面した上の部屋に二人の教授が隣り合わせにいて外に共用電話がある為に二人のどちらが狙われたのか不明という複雑な状況や、事件に関係あるのかないのかわからないけったいな手掛かりがごちゃごちゃ出て来ますが、アプルビイ警部はとにかく一切合切を頭に詰め込んで引き受けますので、読んでいて本当に頭の良い天才だなあと感心させられます。注意として著者は芝居っ気たっぷりに何度もどんでん返しを用意する趣向がお気に入りですので、くれぐれも最後の最後まで油断せずにお読みください。本書はミステリー的に完全に理詰めでなく緩めで不完全な部分もありますが、私としては何よりユーモアとサプライズを愛する著者の遊び心を讃えたいと思います。 | ||||
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