忍法相伝73
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忍法相伝73の総合評価:
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忍法帖長篇唯一の現代もので、時代は1960年前後の高度経済成長期(初出は週刊誌で1964~65年連載)。タイトルの「73」は忍法相伝書の中の第73条を意味し、一つの技を示している。 運送店に勤めるさえないサラリーマン、伊賀大馬くん(29歳、独身童貞)が主人公。もちろん忍者の家柄(三重県阿山郡鍔隠村)で、家伝の忍法相伝書(文久三年四月伊賀風忍斎記)を発見する。同じ安アパートの住人で想いを寄せるバー勤めの美女、芦屋美登の危機を救うために忍法No.73を発動してしまい、それが原因のてんやわんやが延々と続く。 どうもこの種の、60年代高度経済成長期を背景としたドタバタ喜劇は、時局批評・世相批判があるだけに、今となっては内容が古びて読むのがつらい。加えて、忍法の発現描写が例によって風太郎独特のねじくれた論理で、筋を追うのが面倒になる。 原型となった短篇「忍法相伝64」(初出1964年)よりかなり濃い描写で面白味はあるものの、最初の忍法No.73のパート(おまけで忍法No.85、No.87も使われる)だけでギブアップしそうになる。忍法帖全作を読むという壮大かつ悲壮な決意がなければ、とても読み切れない。 忍法技はNo.101まで7種類登場するが、ここでは現代日本の矛盾を暴き出すための手段になっている。忍法はやはり、生死をかけた勝負に使われなければ面白くない。というわけで、終盤はどんなオチになるかという興味だけで読み進んだ。 確かにオチはあって、しかも最後の2行くらいで落とすファイナルストライク的なオチだが、何だこれは? というレベル。前座の落語家が使うダジャレ並みで、これには参った。著者の自己評価は知らないが、★3も苦しい出来だ。 | ||||
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今迄、単行本化されていなかったと云う表題作の長編に、矢張り単行本に取りこぼされていたミステリ短編、それに本長編の原型と成った短編を加えたもの。 表題作は忍者の子孫である主人公が祖先の書いた巻物を元に次々と実験的に忍術を実践して行くドタバタコメディで著者お得意の現代ナンセンスものだが、従来の著者の作品に比べると、あまり諷刺もきつく無く毒気も弱くキレが無い。著者自らが最低の作品と認め単行本化を拒んで来た・・・と云うのも、それ也に頷ける。 短編なら兎も角、長編でこのノリはきつい。 | ||||
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あくまでも「珍本」であって、しかも、本書の場合、作者ご本人が、絶対に再版を認めないまま亡くなってしまったことが珍本たる由縁です。 読んでみると、なるほどさもありなん、という出来でした。 山田風太郎の作品で、読み続けるのが苦痛になるのは、初めての経験でした。 企画者の意欲は買いますが、値段と内容を比較する限り、よほどのマニアでもない方にはおすすめできません。 | ||||
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ご存じの通り、現在、最も手に入りにくい幻の忍法帖作品。私は運良く、5千円で入手できました。この作品を作者が全然評価してなかったので、色んな意味で期待して読んだら、なんとまあ、傑作でした!変わり種の多い忍法帖シリーズの中でも、とりわけ異彩を放っています!とても面白くて、ラストのラストで炸裂する忍法では、感動して、涙を流してしまいました。風太郎ファンの方なら、泣いてしまうほどの忍法帖の素晴らしさというものが、分かりますよね。ああ、忍法帖シリーズ、全部読んだ…!最高! | ||||
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