魔の淵
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初版刊行(参考)
種別
短編集
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あらすじ
評判
魔の淵の評価:
0.00/10点 レビュー 0件。 - ランク
魔の淵の総合評価:
9.00/10点 レビュー 2件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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三橋一夫の場合、まだ探偵小説界人脈寄りなところもありながら傍流の人と見るべきで。
本巻収録3長篇も犯罪こそ起こるけれど謎解きや論理的な面はまるで無く、帯にある「ダーク・サスペンス」なんて小洒落たもんじゃない。
いずれも重くドロドロした人間模様を描いたもので、「魔の淵」は花登筺的設定、
「卍の塔」は当時流行した”女のよろめき”に端を発する安手の韓流・昼メロ調すれ違い、
「第三の影」は空手の達人たる快男子対チンピラ愚連隊、そして陰で糸を引く首領の正体は誰かという物語。
初出は書下ろしなのかどこかでの連載だったのか何も解説で触れられていない。調べた上で解らなかったのか最初から調べていないのか・・・。
話の結末をベラベラ喋ってネタバレしているレビューがあるが、発売日直後からこんな事を書かれたらこれから本巻を読む人は興醒めだろうな。
三橋のメインストリームである「まぼろし部落~不思議小説シリーズ」は庶民性が濃くて、年配者が語る日本昔ばなしの変種のように私は感じてきた。
昭和大衆小説の古さは私にとってはチャームポイント。しかるに彼の作品はどうも古臭さが野暮ったい。私が三橋をあまり好みでないのはそういう理由による。
でも、本巻の「魔の淵」などは横溝正史「鬼火」的なしつこ過ぎる確執もあり、不思議小説シリーズよりはまだずっと読書がサクサク進んだ。
珍奇なものを採り上げる本全集のコンセプトには今回の三橋作品はとても合致していると思う。
ただし、本巻3長篇を「ミステリ色の強い作品」などと言っているが、ミステリ=コチコチの論理と考えているような人は勿論のこと、
謎の提示・解決への流れ等がミステリの体を成してないので、読み終えて「これってミステリなのか?」と惑う人は結構いると推測する。
冒頭に挙げた獅子文六の某作をミステリ扱いしているガイド本を最近見かけた。故・水谷準や小林信彦がそれを見たらきっと「はぁ?」と言うに違いない。
ミステリとして扱えば喰いつきがよかろうとよく吟味もせず、何でも安直にミステリ扱いするのはいかがなものだろうか?
最近この手の言動による商売が目に付くので疑問視せざるをえない。出し手は三橋一夫のこういう作品を売りたいのなら、
古本狂だけでなく、もっと全然別の購買層(例えば昼メロ好きな中高年女性)に新規開拓でアピールしたらどうか? 皮肉でなくホントに。