(短編集)
怪盗ニック全仕事2
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1巻より面白いです。 軽く楽しめる、はちみつ味のポテトチップスのような感じ~ | ||||
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20分ぐらいの電車での移動中に1幕ものを読み切るのにちょうどよい。しかし、だんだん種が怪奇的になると、飽きてきて2巻までやっと たどり着いた。 | ||||
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短編小説の分野で本格ミステリーの王道を極めた巨匠ホックの異色のキャラクター、犯罪者にして名探偵でもある怪盗ニック全集第2巻です。ミステリー界の達人ホックが創造した怪盗ニックは、ご自身と名前の末尾の「CK」が同じで韻を踏んでいますし(悪人と堅気の違いはありますが)、きっと著者の理想とするプロ中のプロを書きたかったのだろうなと思いますね。何時もながらこれだけ書いても一つとして同じパターンの話がないのは流石だと思いますし、平凡に飽き足らずに常に新しい趣向に挑戦する姿勢には誠に頭が下がりますね。今回の怪盗ニック譚で特に感じたのはピンチになっても慌てず騒がず全く動じない彼の図太い神経と生き残りの才能ですね。また恋人のグロリアがつき合いから十年経ってもニックの正体に全く気づかないのは幾ら何でも不自然だと考えた著者がストーリーにリアリティーを加味して拵えた工夫が面白かったですね。 『マフィアの虎猫を盗め』マフィアの幹部と噂される旧友の男からの依頼は大物マフィアのペットの虎猫を盗んで欲しいという物だった。ニックは腕と度胸と即興の手管で不可能を可能に変えてみせる天才ですね。本編は意表を突く動機が秀逸でしたね。『空っぽの部屋から盗め』入院中の男から何を盗むか聞き出せないまま仕事に臨んだニックは空っぽの部屋で途方に暮れる。実際にはこんな物を盗んでも何も証明されないだろうとは思いますが、凝りに凝った知的パズルとして立派に成立していますね。『くもったフィルムを盗め』映画のロケ地で撮られたが曇ってしまって没になったフィルムを盗んで欲しいという奇妙な依頼の目的とは?殺人ミステリーの物証と犯人の決め手となる盲点を突く巧みな手掛かりに唸らされましたね。『クリスタルの王冠を盗め』地中海の小国からクリスタルの王冠を盗むという危険な仕事を無事やり遂げたニックだったが帰国の途で大ピンチに!破滅の身から一転して裏のからくりを見破り逆に有利に事を運ぶニックは真のプロの貫禄ですね。『サーカスのポスターを盗め』元サーカス芸人の老人から値打ちのないサーカスのポスターを盗む依頼の動機とは?よく考えるとかなり怪しく苦しい筋立てなのですが今回も「えいやっ」とばかりの力技で納得させられますね。『カッコウ時計を盗め』ラスヴェガスのカジノから安物のカッコウ時計を盗む依頼の影にはある殺人事件が絡んでいたのだった。過去の殺人の意外な真相を暴くニックは名探偵の腕も一流ですね。『怪盗ニックを盗め』依頼人からの電話で呼び出されたニックは車中で殴られ後刻何と自身が盗み出された事に気づく。冒頭の趣向に深い意味がなく割と単純だったのはやや拍子抜けでしたが本筋のミステリーのからくりは安心して楽しめましたね。『将軍のゴミを盗め』将軍が毎朝捨てるゴミを盗み出すというニックにとって朝飯前で楽な仕事にはあのウォーターゲート事件が絡んでいた。日本とアメリカでは郵便局の営業日が違うのでピンと来ませんでしたが、注意深く鋭いニックは決して騙されませんね。ラストでの恋人グロリアの如何にもまじめだなと思える勘違いが微笑ましいですね。『石のワシ像を盗め』死んだ伯父が市に遺贈した石のワシ像を盗む仕事には実は宝捜しの思惑があったのだが・・・・。思いがけないトラブルやポーを愛した伯父の遺言の謎と著者は決して飽きさせずに楽しませてくれますね。『バーミューダ・ペニーを盗め』若い女性から無価値なバーミューダ硬貨を盗んで欲しいと頼まれたニックは謎めいた事件に遭遇し意外にも苦戦する。走行中の車内からの人間消失の謎やいかさま師のいんちきのトリックが味わえて大満足です。単純だけど非常に効果的な錯覚トリックと犯人隠しの大技に脱帽させられた本書の文句なしの白眉ですね。『ヴェニスの窓を盗め』平行世界への入り口である鏡を盗んで欲しいとの奇矯な依頼でニックはイタリアのヴェニスに招かれる。イタリアの水道蛇口の特殊な表示を手掛かりにしたり、SF的な幻想世界と現実の犯罪を巧みに組み合わせたりと著者は本当に芸が細かいですね。『海軍提督の雪を盗め』カナダの山腹から雪を盗む仕事に向かったニックは盗む先である海軍提督の奇怪な趣味を知る。依頼自体は至極まともで平凡なのですが、それだけではつまらないと考えたのかサービスに「しゃべる首」という怪異な趣向を持って来て意外な秘密も暴きぞっと読者の背筋を凍らせるのですね。『卵形のかがり玉を盗め』値打ちのない卵形のかがり玉を盗むと言う今回の仕事には三姉妹の遺産問題が背景にあった。理由はどうあれニックの依頼人はみんな気前の良い金持ちばかりだなと何時も感心しますが、今回の様にオマケに危ない悪党をやっつけてくれるのなら高額な報酬に見合うなと思いましたね。『シャーロック・ホームズのスリッパを盗め』ホームズ譚で有名なスイスのライヘンバッハの滝を望むホテルのホームズの部屋からスリッパを盗む仕事はやがてヤバイ殺しを呼び寄せるのだった。著者はホームズとモリアーティ教授の死闘の名場面を、時を経て現代人の怪盗ニックと殺人犯を使って再現する試みがしたかったのとラストの真相でホームズ譚にリアリティーを持たせたかったのでしょうね。『何も盗むな』「木曜日に何も盗まなければ二万ドルを払う」という何とも太っ腹な依頼に戸惑い驚きながらもニックは引き受けるのだった。そもそも話として成り立つのだろうか?と心配になるこんな絶対にあり得ない設定をどうにかして可能にしようと著者が考え抜いた努力に唯々敬服ですね。そして「盗む」と「盗むな」の敵対する二人の依頼を見事に両立させる方法を考え出すニックの頭脳は惚れ惚れする程に素晴らしく、結果的にニックだけが得をして微笑むという最後のオチも最高に愉快でしたね。 | ||||
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依頼を受けて二万ドルから三万ドルの報酬の代わりに依頼されたものを盗む泥棒のニック。依頼を受ける条件はそれが価値のないものであること。 依頼料にはとても見あわない一般には価値のないものであることが必須条件だ。 当然、それだけの報酬を払うのだから、その依頼には依頼者にはそれだけの意味があるものであって。依頼額以上の価値がそこにはあるわけで。 その謎を解き明かすことも、依頼品を盗み出す以上のメイン・テーマになっている。 ・ニックが盗んでいる間の騒ぎを利用して本当の価値のあるものを盗む赤髪組合パターン。 ・依頼者と所有者にしかわからないが、盗み出せれば、所有者の有無を言わせぬ過去の犯行の事実を立証する。 ・ニックへの依頼をされることが想定され、それで盗まれないものがあるため、ニックへ依頼をする。 ・ニックを盗み出す、つまり、ニックを拘束するがニックの側から復讐のために、目的の物を盗んでやろうと持ちかける。 二巻の最後の話は「何も盗むな」です。あなたも読んでみたくなるでしょう。 | ||||
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短編小説の分野で本格ミステリーの王道を極めた巨匠ホックの異色のキャラクター、犯罪者にして名探偵でもある怪盗ニック全集第2巻です。ミステリー界の達人ホックが創造した怪盗ニックは、ご自身と名前の末尾の「CK」が同じで韻を踏んでいますし(悪人と堅気の違いはありますが)、きっと著者の理想とするプロ中のプロを書きたかったのだろうなと思いますね。何時もながらこれだけ書いても一つとして同じパターンの話がないのは流石だと思いますし、平凡に飽き足らずに常に新しい趣向に挑戦する姿勢には誠に頭が下がりますね。今回の怪盗ニック譚で特に感じたのはピンチになっても慌てず騒がず全く動じない彼の図太い神経と生き残りの才能ですね。また恋人のグロリアがつき合いから十年経ってもニックの正体に全く気づかないのは幾ら何でも不自然だと考えた著者がストーリーにリアリティーを加味して拵えた工夫が面白かったですね。 『マフィアの虎猫を盗め』マフィアの幹部と噂される旧友の男からの依頼は大物マフィアのペットの虎猫を盗んで欲しいという物だった。ニックは腕と度胸と即興の手管で不可能を可能に変えてみせる天才ですね。本編は意表を突く動機が秀逸でしたね。『空っぽの部屋から盗め』入院中の男から何を盗むか聞き出せないまま仕事に臨んだニックは空っぽの部屋で途方に暮れる。実際にはこんな物を盗んでも何も証明されないだろうとは思いますが、凝りに凝った知的パズルとして立派に成立していますね。『くもったフィルムを盗め』映画のロケ地で撮られたが曇ってしまって没になったフィルムを盗んで欲しいという奇妙な依頼の目的とは?殺人ミステリーの物証と犯人の決め手となる盲点を突く巧みな手掛かりに唸らされましたね。『クリスタルの王冠を盗め』地中海の小国からクリスタルの王冠を盗むという危険な仕事を無事やり遂げたニックだったが帰国の途で大ピンチに!破滅の身から一転して裏のからくりを見破り逆に有利に事を運ぶニックは真のプロの貫禄ですね。『サーカスのポスターを盗め』元サーカス芸人の老人から値打ちのないサーカスのポスターを盗む依頼の動機とは?よく考えるとかなり怪しく苦しい筋立てなのですが今回も「えいやっ」とばかりの力技で納得させられますね。『カッコウ時計を盗め』ラスヴェガスのカジノから安物のカッコウ時計を盗む依頼の影にはある殺人事件が絡んでいたのだった。過去の殺人の意外な真相を暴くニックは名探偵の腕も一流ですね。『怪盗ニックを盗め』依頼人からの電話で呼び出されたニックは車中で殴られ後刻何と自身が盗み出された事に気づく。冒頭の趣向に深い意味がなく割と単純だったのはやや拍子抜けでしたが本筋のミステリーのからくりは安心して楽しめましたね。『将軍のゴミを盗め』将軍が毎朝捨てるゴミを盗み出すというニックにとって朝飯前で楽な仕事にはあのウォーターゲート事件が絡んでいた。日本とアメリカでは郵便局の営業日が違うのでピンと来ませんでしたが、注意深く鋭いニックは決して騙されませんね。ラストでの恋人グロリアの如何にもまじめだなと思える勘違いが微笑ましいですね。『石のワシ像を盗め』死んだ伯父が市に遺贈した石のワシ像を盗む仕事には実は宝捜しの思惑があったのだが・・・・。思いがけないトラブルやポーを愛した伯父の遺言の謎と著者は決して飽きさせずに楽しませてくれますね。『バーミューダ・ペニーを盗め』若い女性から無価値なバーミューダ硬貨を盗んで欲しいと頼まれたニックは謎めいた事件に遭遇し意外にも苦戦する。走行中の車内からの人間消失の謎やいかさま師のいんちきのトリックが味わえて大満足です。単純だけど非常に効果的な錯覚トリックと犯人隠しの大技に脱帽させられた本書の文句なしの白眉ですね。『ヴェニスの窓を盗め』平行世界への入り口である鏡を盗んで欲しいとの奇矯な依頼でニックはイタリアのヴェニスに招かれる。イタリアの水道蛇口の特殊な表示を手掛かりにしたり、SF的な幻想世界と現実の犯罪を巧みに組み合わせたりと著者は本当に芸が細かいですね。『海軍提督の雪を盗め』カナダの山腹から雪を盗む仕事に向かったニックは盗む先である海軍提督の奇怪な趣味を知る。依頼自体は至極まともで平凡なのですが、それだけではつまらないと考えたのかサービスに「しゃべる首」という怪異な趣向を持って来て意外な秘密も暴きぞっと読者の背筋を凍らせるのですね。『卵形のかがり玉を盗め』値打ちのない卵形のかがり玉を盗むと言う今回の仕事には三姉妹の遺産問題が背景にあった。理由はどうあれニックの依頼人はみんな気前の良い金持ちばかりだなと何時も感心しますが、今回の様にオマケに危ない悪党をやっつけてくれるのなら高額な報酬に見合うなと思いましたね。『シャーロック・ホームズのスリッパを盗め』ホームズ譚で有名なスイスのライヘンバッハの滝を望むホテルのホームズの部屋からスリッパを盗む仕事はやがてヤバイ殺しを呼び寄せるのだった。著者はホームズとモリアーティ教授の死闘の名場面を、時を経て現代人の怪盗ニックと殺人犯を使って再現する試みがしたかったのとラストの真相でホームズ譚にリアリティーを持たせたかったのでしょうね。『何も盗むな』「木曜日に何も盗まなければ二万ドルを払う」という何とも太っ腹な依頼に戸惑い驚きながらもニックは引き受けるのだった。そもそも話として成り立つのだろうか?と心配になるこんな絶対にあり得ない設定をどうにかして可能にしようと著者が考え抜いた努力に唯々敬服ですね。そして「盗む」と「盗むな」の敵対する二人の依頼を見事に両立させる方法を考え出すニックの頭脳は惚れ惚れする程に素晴らしく、結果的にニックだけが得をして微笑むという最後のオチも最高に愉快でしたね。 | ||||
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