(短編集)
世界神秘郷
- 交霊会 (29)
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作品は次の3部から構成されている。 ①世界神秘郷 ②南方夢幻郷 ③単行本未収録短篇集 「氷人創生記」が47ページと最も長く、ほかは10~30ページで短篇が殆ど。英、仏、独、中国語に堪能で、そのためか 異境を舞台にしたロマンス物が多い。難解な漢字に現地語のルビを振っているので益々理解困難。物語は少女或いは妖女 との恋物語であるが、男の一途な思いが相手の心を動かすというパターン。心理学者であった著者ならば、もう少し女性 の揺れ続ける心の描写をもっと深く掘り下げて表現して欲しかった。無理に短篇にこだわらず、長編に挑んでも良かった のではないか? H・R・ハガードや香山滋、小栗蟲太郎などの魔境・秘境ものが好きなので「世界神秘郷」という名前に惹かれて購入した が「氷人創生記」がややそれらしい雰囲気であるが、あとは上記のごとくラブロマンスもの。小栗蟲太郎の魔境小説ほど の雄大なスケールは感じられず、また橘外男の暗く閉塞感に息が詰まるような耽美的イメージも少ない。あえて例えれば 香山滋のエロティック・ミステリー系小説の部類か? 「太古の血」は昭和12,3年頃の作品。偶然掘り起こされた遺跡に数千年前の3人の遺体が発見された。石器を持った人間 が鉄器の武器で殺されている状態で出現。縄文時代の人間が弥生人に侵略されているのか? 最近どこかで似たようなも のを読んだ様な気がするが・・・デジャブーか? | ||||
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全て戦前の作。戦後のセクソロジストというイメージからエロティシズムを連想するには意外にその色合いは殆どない。 個人的な感想から先に言うと、稀(レア)な作品が読めるようになったという点以上に、内容に対してそこまで興奮は感じなかった。 『南方夢幻郷』なら水底狂人患者の妄想の源に迫る「浦島になった男」、人間の若い女と海底の大魚のハイブリッドで妖人魚を製造せんとする「怪船人魚号」、 『世界神秘郷』なら北極の氷の中に眠っていた謎の女を蘇らせる「氷人創世記」あたりはそれなりに面白く読めた。 思っていた程秘境・探検ものばかりという訳じゃない。二十代の頃は女性といろいろあったようで高橋鐡なりの悲恋要素もあったりする。文章が特別下手でもない。 幻奇小説という割には表現が淡泊で、現実から異空間へ引きずり込むような映像が読んでいて頭に浮かんでこない。 どの作もお上品に小さく纏り過ぎて見える。変な喩えだがウルトラQ的に、語り口であれ文章の演出であれ、もっと下衆にハッタリをかました方がよかったのではないか? そしてこの中途半端さが今まで埋もれてきた原因ではなかろうか。 小栗蟲太郎・香山滋あたりが好きな人にはいいかもしれないが、恐怖・幻夢の忍び寄る影が感じられないのが高橋鐡に限らず総じて秘境ものに対する私の不満の理由。 性科学者・性風俗研究家としての彼に私は詳しくないから、そっち方面からの本巻への批評も知りたいと思う。 本巻で他に良かった点はエッセイ寄稿者が不快な古本ゴロではなく横田順彌・黒田明の両氏だった事。高取英氏のエッセイは『新文芸読本 高橋鐡』からの転載。 書き手不足なのかコスト削減の為か単なる手抜きかよく知らないが、新しい書下ろしでなくこういう既存エッセイ・評論の流用を最近多く感じる。 (主管編者が自分の言葉で論じる意識が薄まってきた「論創ミステリ叢書」とか) それはともかく、昔ヨコジュンがこの高橋鐡も含め島津書房から出そうとして一冊でオジャンになった幻の「奇想小説シリーズ」全12巻。 もし完走していたら、どんなラインナップになっていただろうか。 | ||||
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