(短編集)
九十九本の妖刀
- 怪奇ミステリ (9)
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一読「何じゃ、こら?」な感想。もっとも「ミステリ珍本全集」中の一冊なんだから、レーベルの狙いとしてこれで大正解なのか。戦後ミステリ復刻企画、長編2編+短編8編収録。 ミステリはミステリでも全体に通俗スリラー風味といいましょうか、長編2つにいたってはむしろ伝奇活劇といったノリ。戦後の東北、戦前の茨城(!)がまるで秘境の扱いでして、時代劇か、それとも西部警察なのかという結末に唖然となったり。 刀剣がらみの収録作ばかりの中、ガチの本格ミステリ「安房国住広正」、現代刀工の確執と野心のドラマ「刀匠」の完成度が非常に高く、何だか浮いてしまっているんであります。 刀剣テーマの一冊ですが、流行りの刀剣ブームとは関係なさげ。 | ||||
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数年前に発売を噂されながら没。本全集第一期に発売を予告されながらもこれまた延期。 いつまで経っても新刊本が出ずに長い長い間待たされた大河内の復刻。米駐留軍事情に通じ、刀剣鑑定・軍装研究など特異な顔を持つ男。 大河内の小説の主なイメージとして、刀剣などを材に採った伝奇ミステリー/敗戦が生んだやくざ・チンピラを描いた風俗ミステリーがある。 本書は刀剣を素材に書かれたもの(長篇「九十九本の妖刀」「餓鬼の館」中短篇「安房国住広正」「妖刀記」「刀匠」 「刀匠忠俊の死」「不吉な刀」「死斑の剣」「妖刀流転」「なまずの肌」)を集成。舞台はすべて時代物ではなく現代物。 古本で読んだ時は「なんて粗暴で下手な作家なんだろう」と思ったけれど、本書で読むと長篇など意外にリリカルに書かれていて拍子抜け。 とにかく大河内が書きたいのは刀剣に纏わるペダントリーで、それを盛り上げる為に残虐・凄惨な生贄が捧げられる。 でもそのペダントリーは堅苦しく眠気を誘うようなものではない。二長篇の妖気に満ち満ちた面白さは、退屈とは対極の位置にある。 中短篇では、普通の探偵小説なら倒叙物として扱われるであろう作が、その解決部分はなんともあっけなく無視されて、 そこに至るまでの刀剣をめぐる骨肉の争いに一方的に力が注がれているのが笑えるほど無茶としか言いようがない。 だが、その無茶っぷりこそ大河内常平。この全集が登場した事で、とてもこれまでは評論家筋には良い顔をされなかったであろう作家・作品を面白がる土壌ができ、 ゲテモノ扱いされてきた大河内にも光を当ててもらえる時がようやく到来して、欣快に絶えない。 だいたい山村正夫が「これが大河内の代表作だ」と言っているものが未だ復刻されていない事自体がおかしな訳で、 これを機に大河内作品の復刻が続く事を希望する。あとこの全集は第二期に入り「値上げするんだろうな」と思っていたが値段据え置き。この点も評価したい。 | ||||
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