四つの凶器
- 名探偵アンリ・バンコラン (6)
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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カー初期のシリーズ探偵アンリ・バンコランのシリーズ最終作が本書。悪魔的な風貌と犯罪者に対して容赦ない仕打ちを行う冷酷非情振りに皆が恐れた予審判事も本書では既に引退した身であり、温厚な性格になり、しかも洒落者とまで云われた服装は鳴りを潜めてくたびれた服を着ている。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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探偵アンリ・バンコラン最後の事件。 タイトル通りの”多すぎる凶器”の趣向に多少の興味は惹かれるが、これまでの事件に比べると地味の一言。 作者としては、このダンディーな悪魔探偵の素顔を明らかにして、花道としたいと思ったのかもしれないが、個人的には、その必要はあったのかなと複雑な気持ちにさせられる。 一番の問題は、作品全体に勢いが感じられず、登場人物も精彩に乏しいこと。過去の作品に溢れていた妖気めいた怪しげな魅力は失われ、バンコランが登場する意味があまり感じられない。ちょっと残念な作品だった。 | ||||
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名探偵アンリ・バンコランが魅せる、最後の輝き。 この作品を一言で表現するならば、この言葉に尽きるだろうと思う。 本書『四つの凶器』は、アメリカの小説家、ジョン・ディクスン・カーによって書かれた“バンコランシリーズ”の最後を飾る推理小説だ。金持ちの道楽息子、ラルフ・ダグラスが自身の結婚を機に、高級娼婦ローズとの関係を清算しようとする。彼女が待つ別荘に足を運んだダグラスだが、そこにいたのは変わり果てた姿のローズだった。遺体のそばにはカミソリ、ピストル、短剣、睡眠薬という『四つの凶器』が残されていた。いったい誰がどのようにしてローズの命を奪ったのか。そしてその動機は。この難問に向き合うのが、アンリ・バンコランなのである。 本書には「繊細な人間模様」が描かれている。本書の魅力は、単純なトリックあばきではなく、人間の心理をていねいに描き上げているところだ。ダグラスを取り巻く怪しげな人間関係。それぞれの思惑と、犯行の動機。事件の関係者がそれぞれ「合理的」に行動することで、結果的に事件が複雑になっていくという「不合理」を招く。そしてその不合理を見事に解き明かしていくバンコラン。複雑に絡み合った人間模様が解きほぐされていく瞬間は、読者にとって至福のカタルシスとなる。「なるほど!そういうことだったのか!」と。 特に、物語の終盤で繰り広げられるトランプのシーンは圧巻で、読了後には脱力してしまうほどだ。わたしたち読者の思考でさえもバンコランは手のひらで転がしているのではないかと錯覚させられてしまう。バンコランは老いてもなお、その眼光の鋭さには変わりがない。その姿には畏敬の念すら感じる。バンコランファンのみならず、初めてこのシリーズに触れた読者も彼の虜になるだろう。 この作品には、推理小説では敬遠される「偶然」という要素が組み込まれている。推理小説が好きな読者はアレルギー反応を示しそうなものだが、この作品は「偶然」という要素を抜きには語れない。偶然を逆手にとって物語に深みを与えるプロットには舌を巻くしかない。「密室殺人の王者」の異名を持つ、ジョン・ディクソン・カーの手腕をまざまざと見せつけられる。 『四つの凶器』は長編小説ではあるが、コメディ要素も強く、とても読みやすい作品になっている。推理小説に慣れていない人にもおすすめの一冊だ。空想の世界に没頭し、忙しい毎日から頭を開放させるには格好の作品である。ぜひ本書を手に取って、最後の事件に向き合う、名探偵アンリ・バンコランの勇姿を心に刻んでほしい。 | ||||
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探偵役こそアンリ・バンコランですが、雰囲気はフェル博士,HM卿モノに近いです。 (事件の解明こそするが、犯人の処遇は・・・・・・という部分なども) ポケミス版と違って堅苦しい翻訳ではないですが、逆に軽すぎるような気がしなくもないです。 トリックに関しては「個々の反応は間違ってないが、一連の現象は起こりえない」と言えます。 参考文献を読み込んだものの、実践(実験)経験は皆無なのだろうなと(笑)。 | ||||
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事件の複雑さを増し、犯人推理の楽しみを強調したいために、殺人の経緯に少し無理を感じ、読み終わった後もすっきりしない。テンポ良く読める点は楽しかった。 | ||||
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この「四つの凶器」だけがなかなかなくて、あってもやけに値段が高く、手に入れそこなっていたが、やっと新訳が出て手に入った。読み始めて思ったのは、この先、バンコランではなく、フェル博士かHMが出てくるんじゃないか、という雰囲気で、初期のバンコラン物のおどろおどろしさは薄い。いいか悪いかは好みの問題。カーマニアならぜひどうぞ。カーを初めて読む人には、他のものをお勧めします。 | ||||
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