死が二人をわかつまで
- ギデオン・フェル博士 (23)
- 占い師 (36)
- 安楽椅子探偵 (187)
- 毒殺 (157)
- 毒殺魔 (2)
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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久々のカー作品。しかも昔『毒殺魔』という題名で創元推理文庫から出ており長らく絶版となっていた幻の作品の改訳版である。1996年に国書刊行会から出版された物の文庫版である。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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密室での毒殺事件を扱った本作。 が、過去の事件の解決については、さすがにそりゃあないぜ、と苦笑せざるをえませんでした(;^ω^) 現代の事件については、密室トリック自体はなかなか面白い着想だと感じましたが、構成過程に難があるように思いました。 | ||||
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面白かった。本作の前に読んだカーター・ディクスン名義の『パンチとジュディ』がイマイチだったので、本作の面白さが余計に際立って感じられたというのはあるかもしれない。が、ストーリーにメリハリがあって、やっぱり面白かったと思う。 主人公のディックが、婚約者のレスリーに関する不穏な情報を聞くところから物語は始まる。彼女は過去に3人もの男性を殺した毒婦だというのだ。そして翌朝、そう話していた人物が死体となって発見され、その死に方が昨夜の話の内容と酷似していて…。 と、いかにもカーらしい設定だなと思っていたら、ストーリーはあっと驚く展開を見せる。○○○(一応伏字にしておきます)の正体がわかることで、それまで見ていた景色がガラリと変わるのだ。そして、そこから真犯人が判明するまでの過程は、フーダニットとしてなかなかよく出来ている。 しかし――これは本書の面白さとは無関係なので書いてしまいますが――密室の種明かしは機械的なトリックでつまらない。ちなみに「なぜ密室にしたのか」という感想もあるようだが、それは「密室にすることで○○○の話の内容と辻褄を合わせるため」である。犯人にとって、論理的な行動の所産が密室状況だったのだ。そして整合性のある行動ゆえに、わが身の破滅へと至る第2の殺人も犯すことになる。 | ||||
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この長篇の日本語訳が単行本として初めて刊行されたのは昭和35年、その時のタイトルは『毒殺魔』。 それから長い長い時が過ぎ、入手難になっていた本作を原題通りのタイトル『死が二人をわかつまで』へ変え、 新訳したのが本書です。平成17年にはこの新訳はハヤカワ・ミステリ文庫にもなりましたが元号も令和に変わって、 今では後出の文庫版のほうが流通が無くなっていますが、この国書刊行会版ならまだ新品で入手できます。 たいした意味もなく高い中古本にされた文庫版に手を出すより、ハードカバーにしてはちょっとスモール・サイズなのが チャーミングな本書を綺麗な帯・月報付きの状態で入手して読むほうがずっと賢いので、是非どうぞ。 ▼ ▼ 劇作家リチャード・ディック・マーカムは、犯罪学の権威であのギデオン・フェル博士とも懇意らしいハーヴェイ・ギルマン卿なる男に 「君のフィアンセ、レスリー・グラントは過去に三人の男を葬った‶毒殺魔〟だ」とショッキングなことを言われ動揺する。 場所は本来なら長閑な筈のバザー会場。村の空には雨雲が雷を暴れさせようとしている。 そこで話が核心に入りかけた瞬間ハーヴェイ卿はある人物にライフルで誤射され傷を負い、家へ運ばれ治療を 受ける。その翌朝、不審な電話で呼び出されたディックはハーヴェイ卿がアーモンド臭を漂わせ青酸で毒殺されて いるのを発見し・・・。 ディックには元カノのシンシア・ドルーという女性がいて厄介な三角関係にも悩まされるので、てっきり二択問題で 突き進むのかと思いきや終盤真犯人の発覚は意外や意外の展開に。初読の方の為に多くは書けないが ひとりの人間(普通の成人からかなり身長の小さな子供まで含む)が出入りできない状態であれば、 それはパーフェクトな密室と呼べるのかといえば、そうとばかりも言えないのが本作のポイント。 あと私の気になった点、その一。謎の根幹に直結するものではないが、第二次大戦中のこの物語での イギリスの村では日が暮れてから家庭で電気を点灯するためコインをいちいち投入しているのが現代人から すると面白い風習だ。 その二、こちらはもっと重要な疑問。フェル博士とハドリー警視がディックにハーヴェイ卿の死を発見した流れを 尋問するシーンでのディックの発言をよ~く読んでみて(本書ではそれが何ページにあたるのか、ここではあえて 書かないでおく)。たとえ事件発生が早朝未明だったとしてもディックが弾丸の飛んだ光景を述べる証言は、 作者カーよ、これだとフェル博士の推理を導き出すのにいささかアンフェア気味ではないかしらん? それと郵便局で殺害される、ある人物はとんだ‶とばっちり〟を受けてなんともお気の毒。 ▽ ▽ とまれ本作は『皇帝のかぎ煙草入れ』『貴婦人として死す』に次いで書かれたもので、 大袈裟でおどろおどろしい舞台を設定せずプロット+トリックで勝負しており、原文自体がそうなのか仁賀克雄の 翻訳が上手かったのか、読みにくかったり訳する時に選択する日本語が気持ち悪いような事は無くて、 メイントリックの隠し方だけでなく文章的にもよろしい。 カー信者は超A級とまでは祭り上げてはいないようだがカー本人の評価は高く、十分A級と呼べる一品。 | ||||
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カー44年の作品。初期作品の様な超自然的な怪奇ムードではないが、前半の不安と疑惑に満ちた緊迫した状況が、カーのあの語り口調で描き出されると巻を措く事が出来なくなってしまう。カーを敬遠する人から言えば無駄にもって廻った話の進めかたと言う事になるだろうが、この手法によるサスペンスの盛り上げかたがカーの武器で、焦らしのテクニックが絶妙である。密室トリック、犯人設定もミステリー作家として安定した腕を見せてくれる、とても好いできの作品だと思う。 | ||||
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何故か2冊目を購入している。表題のように入手不可能時代が余りにも長かった作品だったためか。内容はカーマニアならある程度トリックは解けるだろうが、犯人の隠し方が絶妙だと思う。本格好きの方にはお勧めである。 | ||||
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