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死が二人をわかつまで
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死が二人をわかつまでの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.94pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全17件 1~17 1/1ページ
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密室での毒殺事件を扱った本作。 が、過去の事件の解決については、さすがにそりゃあないぜ、と苦笑せざるをえませんでした(;^ω^) 現代の事件については、密室トリック自体はなかなか面白い着想だと感じましたが、構成過程に難があるように思いました。 | ||||
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面白かった。本作の前に読んだカーター・ディクスン名義の『パンチとジュディ』がイマイチだったので、本作の面白さが余計に際立って感じられたというのはあるかもしれない。が、ストーリーにメリハリがあって、やっぱり面白かったと思う。 主人公のディックが、婚約者のレスリーに関する不穏な情報を聞くところから物語は始まる。彼女は過去に3人もの男性を殺した毒婦だというのだ。そして翌朝、そう話していた人物が死体となって発見され、その死に方が昨夜の話の内容と酷似していて…。 と、いかにもカーらしい設定だなと思っていたら、ストーリーはあっと驚く展開を見せる。○○○(一応伏字にしておきます)の正体がわかることで、それまで見ていた景色がガラリと変わるのだ。そして、そこから真犯人が判明するまでの過程は、フーダニットとしてなかなかよく出来ている。 しかし――これは本書の面白さとは無関係なので書いてしまいますが――密室の種明かしは機械的なトリックでつまらない。ちなみに「なぜ密室にしたのか」という感想もあるようだが、それは「密室にすることで○○○の話の内容と辻褄を合わせるため」である。犯人にとって、論理的な行動の所産が密室状況だったのだ。そして整合性のある行動ゆえに、わが身の破滅へと至る第2の殺人も犯すことになる。 | ||||
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この長篇の日本語訳が単行本として初めて刊行されたのは昭和35年、その時のタイトルは『毒殺魔』。 それから長い長い時が過ぎ、入手難になっていた本作を原題通りのタイトル『死が二人をわかつまで』へ変え、 新訳したのが本書です。平成17年にはこの新訳はハヤカワ・ミステリ文庫にもなりましたが元号も令和に変わって、 今では後出の文庫版のほうが流通が無くなっていますが、この国書刊行会版ならまだ新品で入手できます。 たいした意味もなく高い中古本にされた文庫版に手を出すより、ハードカバーにしてはちょっとスモール・サイズなのが チャーミングな本書を綺麗な帯・月報付きの状態で入手して読むほうがずっと賢いので、是非どうぞ。 ▼ ▼ 劇作家リチャード・ディック・マーカムは、犯罪学の権威であのギデオン・フェル博士とも懇意らしいハーヴェイ・ギルマン卿なる男に 「君のフィアンセ、レスリー・グラントは過去に三人の男を葬った‶毒殺魔〟だ」とショッキングなことを言われ動揺する。 場所は本来なら長閑な筈のバザー会場。村の空には雨雲が雷を暴れさせようとしている。 そこで話が核心に入りかけた瞬間ハーヴェイ卿はある人物にライフルで誤射され傷を負い、家へ運ばれ治療を 受ける。その翌朝、不審な電話で呼び出されたディックはハーヴェイ卿がアーモンド臭を漂わせ青酸で毒殺されて いるのを発見し・・・。 ディックには元カノのシンシア・ドルーという女性がいて厄介な三角関係にも悩まされるので、てっきり二択問題で 突き進むのかと思いきや終盤真犯人の発覚は意外や意外の展開に。初読の方の為に多くは書けないが ひとりの人間(普通の成人からかなり身長の小さな子供まで含む)が出入りできない状態であれば、 それはパーフェクトな密室と呼べるのかといえば、そうとばかりも言えないのが本作のポイント。 あと私の気になった点、その一。謎の根幹に直結するものではないが、第二次大戦中のこの物語での イギリスの村では日が暮れてから家庭で電気を点灯するためコインをいちいち投入しているのが現代人から すると面白い風習だ。 その二、こちらはもっと重要な疑問。フェル博士とハドリー警視がディックにハーヴェイ卿の死を発見した流れを 尋問するシーンでのディックの発言をよ~く読んでみて(本書ではそれが何ページにあたるのか、ここではあえて 書かないでおく)。たとえ事件発生が早朝未明だったとしてもディックが弾丸の飛んだ光景を述べる証言は、 作者カーよ、これだとフェル博士の推理を導き出すのにいささかアンフェア気味ではないかしらん? それと郵便局で殺害される、ある人物はとんだ‶とばっちり〟を受けてなんともお気の毒。 ▽ ▽ とまれ本作は『皇帝のかぎ煙草入れ』『貴婦人として死す』に次いで書かれたもので、 大袈裟でおどろおどろしい舞台を設定せずプロット+トリックで勝負しており、原文自体がそうなのか仁賀克雄の 翻訳が上手かったのか、読みにくかったり訳する時に選択する日本語が気持ち悪いような事は無くて、 メイントリックの隠し方だけでなく文章的にもよろしい。 カー信者は超A級とまでは祭り上げてはいないようだがカー本人の評価は高く、十分A級と呼べる一品。 | ||||
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カー44年の作品。初期作品の様な超自然的な怪奇ムードではないが、前半の不安と疑惑に満ちた緊迫した状況が、カーのあの語り口調で描き出されると巻を措く事が出来なくなってしまう。カーを敬遠する人から言えば無駄にもって廻った話の進めかたと言う事になるだろうが、この手法によるサスペンスの盛り上げかたがカーの武器で、焦らしのテクニックが絶妙である。密室トリック、犯人設定もミステリー作家として安定した腕を見せてくれる、とても好いできの作品だと思う。 | ||||
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何故か2冊目を購入している。表題のように入手不可能時代が余りにも長かった作品だったためか。内容はカーマニアならある程度トリックは解けるだろうが、犯人の隠し方が絶妙だと思う。本格好きの方にはお勧めである。 | ||||
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1944年発表のフェル博士物です。元々はラジオドラマの短編シナリオ(ヴァンパイアの塔)を長編化したものです。その為か最初から展開が早く、物語はスピィーディーに進んで行きます。 主人公ディックは占い師から婚約者のレスリーが、三人の男を殺した毒殺魔だと告げられる。その占い師がライフルで撃たれ、撃ったのはなんとレスリーその人。命は取り留めたものの、その翌朝毒殺死体となって密室で発見されるというもの。 カーお得意の密室物ですが、トリックその物はなんという事はないよくある機械式のものです。しかし、それに合わせて他のトリックの複合技で独特のトリックに仕上げているところは、さすが密室の巨匠カーの面目躍如たるものがあります。レスリーが毒殺魔というキーワードから展開する巧みなミスディレクションや、レスリーを信じきれないディックの心理描写もあって読者を飽きさせません。 他のレビューで密室にする必要がない旨がありましたが、三人を殺した毒殺魔の話が密室だった為、この犯人も密室を創りださねばならなかった訳があります。詳しくは書けませんのでインターネット(黄金の羊毛亭)を参照してください。 あまり語られる事のない本作ですが、カーの密室に対する飽くなき探求心には感嘆させられます。カー入門書としてはもちろん、もっと評価されても良い作品だと思います。巻末の若竹七海さんの解説も必読です。(笑い・・・) | ||||
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1944年発表の本作品は、カー名義の24作目に当たり、あの「皇帝の嗅煙草入れ」(1942年)の次に書かれた中期を代表する作品とされています。劇作家のディック・マーカムは、婚約者のレスリー・グラントとバザー会場を訪れます。ここで、レスリーはよく当たるとされている占い師ハーヴェイ・ギルマンのテントへと入っていきましたが、何とギルマンは、レスリーに撃たれて負傷。ディックは、一命をとりとめたギルマンからレスリーが3人の男性を殺した毒殺魔だと告げられるのですが、そのギルマンが翌朝、密室状態の中、毒殺死体となって発見され・・・。本作品は、怪奇趣味は全くありませんが、事件の複雑な真相というカー作品にありがちな傾向は、健在(?)です。次々と現れる不可思議な状況と新事実に、読者は翻弄され続け、あっという間に結末まで連れ去られてしまうことでしょう。でも、やはりラストは、密室トリックの解明で決めてくれます。このトリック、核心部分は、独創性のないありがちなものなのですが、そこにいくつかの要素を散りばめ、なるほどと思わせるものに仕立て上げているのですから、さすがカー、と言いたくなります。ところで、本書で面白かったのは、若竹七海の巻末解説「やっぱりカーが好き」。けなしているのか褒めているのか分からない解説ですが、「カーが好き」な方は、思わずニヤリとしてしまうこと請け合いです。また、これからカーを読んでみようという方には、ユニークな指南書になっているのではないかと思います。 | ||||
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1944年発表の本作品は、カー名義の24作目に当たり、 あの「皇帝の嗅煙草入れ」(1942年)の次に書かれた 中期を代表する作品とされています。 劇作家のディック・マーカムは、 婚約者のレスリー・グラントとバザー会場を訪れます。 ここで、レスリーはよく当たるとされている 占い師ハーヴェイ・ギルマンのテントへと入っていきましたが、 何とギルマンは、レスリーに撃たれて負傷。 ディックは、一命をとりとめたギルマンから レスリーが3人の男性を殺した毒殺魔だと告げられるのですが、 そのギルマンが翌朝、密室状態の中、毒殺死体となって発見され・・・。 本作品は、怪奇趣味は全くありませんが、 事件の複雑な真相というカー作品にありがちな傾向は、 健在(?)です。 次々と現れる不可思議な状況と新事実に、 読者は翻弄され続け、 あっという間に結末まで連れ去られてしまうことでしょう。 でも、やはりラストは、 密室トリックの解明で決めてくれます。 このトリック、核心部分は、 独創性のないありがちなものなのですが、 そこにいくつかの要素を散りばめ、 なるほどと思わせるものに仕立て上げているのですから、 さすがカー、と言いたくなります。 ところで、本書で面白かったのは、 若竹七海の巻末解説「やっぱりカーが好き」。 けなしているのか褒めているのか分からない解説ですが、 「カーが好き」な方は、 思わずニヤリとしてしまうこと請け合いです。 また、これからカーを読んでみようという方には、 ユニークな指南書になっているのではないかと思います。 | ||||
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これは密室、かつ不可能犯罪が出てくる作品。 しかもその不可能犯罪と言う代物が 従来の考え方を変えないと犯人が出てこない 特殊なケースになっているのです。 なので最初から身近な人を疑ってしまうと 手痛い目を見ます。 トリックは言わずもがなです。 本当、工夫を凝らして、 一人の人間に目が向くようになっています。 これではギデオン・フェル博士がいない限り 問題は露呈しなかったことでしょう。 一応細工がトリックにあるのが 非常に新鮮でした。 あまり細工を施した道具を使う作品は お目にかかれないので。 ただ、人物描写はややかったるく感じるかもしれません。 | ||||
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婚約者は、かつて3人の男を毒殺したと占い師から告げられる主人公。その占い師もまた毒殺される。そして主人公にはぬぐってもぬぐい切れない婚約者への疑惑が次々に頭をもたげてくる、とまるで『火刑法廷』を思わせるような展開。ただし、オカルティズムはほとんど感じられないが。ストーリーはドラマティックで面白いし、密室トリックもよくある機械式トリックではあるがそのトリックを支える仕掛けがなるほどと思わせる出来栄えである。ただ、犯人はいったい何のために密室をこしらえたのか? フェル博士も説明していないし、密室にする必要はなかったと思う。 | ||||
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婚約者は、かつて3人の男を毒殺したと占い師から告げられる主人公。その占い師もまた毒殺される。そして主人公にはぬぐってもぬぐい切れない婚約者への疑惑が次々に頭をもたげてくる、とまるで『火刑法廷』を思わせるような展開。ただし、オカルティズムはほとんど感じられないが。 ストーリーはドラマティックで面白いし、密室トリックもよくある機械式トリックではあるがそのトリックを支える仕掛けがなるほどと思わせる出来栄えである。 ただ、犯人はいったい何のために密室をこしらえたのか? フェル博士も説明していないし、密室にする必要はなかったと思う。 | ||||
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タイトルは無論、教会での結婚式の際の牧師の言葉で聖書からの引用である。このタイトルに相応しく、婚約を決めた主人公を襲う事件を描いたもの。カーの密室への執念に驚かされる。主人公ディックはレスリーと婚約して幸せ絶頂。ところが、正体不明の占い師がレスリーの秘密を教えると言う。そして、バザー会場で、その占い師は撃たれるが、撃ったのは何とレスリー。更に、密室での毒殺事件が続く...。冒頭で読者に興味を持たせる手法は相変わらず。だが残念ながら、密室の構成方法は独創的なものではなく、登場人物の誤解や錯覚に基づくもの。クリスティなら錯綜した人間関係を主体にした、牧歌的なカントリー・マーダー・ケースにする所を、あくまで密室に拘る所がカーらしい。カーの稚気を楽しめるかどうかで評価が分かれる所であろう。人間が描けていないとか、トリックに無理があると言ってしまっては、カーの顔が立たない。カーの稚気と執念を楽しみましょう。 | ||||
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タイトルは無論、教会での結婚式の際の牧師の言葉で聖書からの引用である。このタイトルに相応しく、婚約を決めた主人公を襲う事件を描いたもの。カーの密室への執念に驚かされる。 主人公ディックはレスリーと婚約して幸せ絶頂。ところが、正体不明の占い師がレスリーの秘密を教えると言う。そして、バザー会場で、その占い師は撃たれるが、撃ったのは何とレスリー。更に、密室での毒殺事件が続く...。冒頭で読者に興味を持たせる手法は相変わらず。 だが残念ながら、密室の構成方法は独創的なものではなく、登場人物の誤解や錯覚に基づくもの。クリスティなら錯綜した人間関係を主体にした、牧歌的なカントリー・マーダー・ケースにする所を、あくまで密室に拘る所がカーらしい。カーの稚気を楽しめるかどうかで評価が分かれる所であろう。 人間が描けていないとか、トリックに無理があると言ってしまっては、カーの顔が立たない。カーの稚気と執念を楽しみましょう。 | ||||
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図書館から世界探偵小説全集で借りて読もうと思っていたのですが、早川の新刊で出ているのを見てつい衝動買いしてしまった作品です。しかし、その結果、カーは衝動買いして安全な作家では決して無いということを思い出させられました。なにしろ、著作の半数近くは、無条件にはっきり水準以上だと言えない作家なのですから。 まず第一に、プロットが駄目でした。この作品、出だしの謎自体は、なかなか魅力的なのですが、半分も読まないうちに最も安易な形であっさり解決してしまい、なんじゃいというところでした。話を面白くしようと、努力しているのはわかるのですが、その先はほぼお決まりの展開で、中途半端にシリアスな話だけにユーモアを入れることもできずにそのまま終わってしまいました。 人物描写は最初から捨てているらしく、いつも通り。シリアスであるべきこの作品に必要な心理描写には、涙ぐましい努力がはらわれてはいるものの、同じく中期の似たような「眠れるスフィンクス」や「囁く影」ほどではありません。本格ものとしては、下手ではないのですが、解説にある通り「古き良きイギリスの殺人のおはなし」であり、早い話が密室トリックに至るまで何も目新しいところは無いのです。全体的にあまり特筆すべき点は無い作品でした。 | ||||
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図書館から世界探偵小説全集で借りて読もうと思っていたのですが、早川の新刊で出ているのを見てつい衝動買いしてしまった作品です。しかし、その結果、カーは衝動買いして安全な作家では決して無いということを思い出させられました。なにしろ、著作の半数近くは、無条件にはっきり水準以上だと言えない作家なのですから。 まず第一に、プロットが駄目でした。この作品、出だしの謎自体は、なかなか魅力的なのですが、半分も読まないうちに最も安易な形であっさり解決してしまい、なんじゃいというところでした。話を面白くしようと、努力しているのはわかるのですが、その先はほぼお決まりの展開で、中途半端にシリアスな話だけにユーモアを入れることもできずにそのまま終わってしまいました。 人物描写は最初から捨てているらしく、いつも通り。シリアスであるべきこの作品に必要な心理描写には、涙ぐましい努力がはらわれてはいるものの、同じく中期の似たような「眠れるスフィンクス」や「囁く影」ほどではありません。本格ものとしては、下手ではないのですが、解説にある通り「古き良きイギリスの殺人のおはなし」であり、早い話が密室トリックに至るまで何も目新しいところは無いのです。全体的にあまり特筆すべき点は無い作品でした。 | ||||
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「あなたは自分の恋人をどれだけ信じられますか?」と言うテーマの作品ラジオドラマを肉付けした物ですが自分の婚約者は過去に三人もの男性を保険金目当てで殺害している妖婦だと真に迫った証拠を突きつけられてどれだけの人が恋人を信じられるでしょうか? | ||||
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「あなたは自分の恋人をどれだけ信じられますか?」 と言うテーマの作品 ラジオドラマを肉付けした物ですが 自分の婚約者は過去に三人もの男性を保険金目当てで殺害している 妖婦だと真に迫った証拠を突きつけられて どれだけの人が恋人を信じられるでしょうか? | ||||
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