緑のカプセルの謎



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初公開日(参考)1961年03月
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長編小説

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緑のカプセルの謎【新訳版】 (創元推理文庫)

2016年10月11日 緑のカプセルの謎【新訳版】 (創元推理文庫)

小さな町の菓子店で、何者かが商品に毒入りチョコレート・ボンボンを混入させ、死者が出るという惨事が発生した。さらにその町の実業家が、自ら提案した心理学的テストの寸劇中に殺害されてしまう。透明人間のような風体の人物に、青酸入りの緑のカプセルを飲ませられて。不気味きわまりない犯行、甚だしく食い違う目撃者の証言。読む者を驚倒させる、精緻にして大胆な結末とは? フェル博士の毒殺講義でも名高い傑作が新訳で登場!(「BOOK」データベースより)




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緑のカプセルの謎の総合評価:8.33/10点レビュー 30件。Bランク


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全3件 1~3 1/1ページ
No.3:5人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

古典なのに斬新!

カーのミステリの特徴として密室がよく挙げられるが、それと双璧を成すほどよく扱われていた題材が毒殺トリック。古来ヨーロッパでは毒殺による殺人事件が頻発しており、しかもそれらが連続殺人事件であることが多かったこと、そして伯爵夫人や公爵夫人といった王侯貴族の夫人達による実行が多く、スキャンダラスな側面を持っていたことが大いにミステリ作家達の創作意欲を刺激したようだ。その中でも多数の毒殺トリックを扱った作品を著したカーはとりわけこの毒殺という犯行に魅了され、独自に研究をしていたように思われる。
というのも本作には『三つの棺』で行われた密室講義に続く毒殺講義がフェル博士から成されるからだ。このことからもカーが密室と毒殺を自身のミステリのテーマとして掲げていたに違いない。

物語は巷で毒入りチョコレートを食べた子供達が死ぬという事件が頻発しているという物騒な事件が起きていることがまず語られる。この事件を犯罪研究家であるマーカス・チェズニイ氏が解明し、その方法を友人や家族の前で実演している最中に覆面を被った何者かが入ってきて、なんとそのまま毒殺されてしまう。しかもその模様を見ていた3人の目撃者の証言はどれも食い違っていたという、非常に面白い題材を扱っている。
さらにこの模様を写したフィルムで彼らの証言を検証する行為がなされ、それに加えて生前チェズニイ氏が用意した10の質問に答えるという趣向も盛り込まれている。この映像による検証が本書のメインであり、最も面白いところだ。

カーが本書を著した際、バークリーの代表作『毒入りチョコレート殺人事件』が念頭にあったことはまず間違いない。識者によればカーがバークリーが長を務めるディテクティヴ・クラブに入会したのが1936年で本作の上梓が1938年。当時バークリーは英国ミステリ界において重鎮であり、しかもエース的存在であった。カーがクラブ入会後、彼と会員のミステリ作家たちの交流を通じて多大に影響を受けたのは知られており、本作は特にバークリーの影響を受けて創られたようだ。
やはり珍しいのは映像を使った心理的トリックだろう。毒殺された犯罪研究家が作った映像とそれに関する問いについて視聴者が喧々諤々の議論と問答を繰り広げるのは面白く、ロジックよりもトリックを主体にしたカーにしてみれば異色ともいえる展開である。
で、これが逆にトラブルとして起きた毒殺事件を複雑化しており、なかなか良く考えられた作品である。失礼な言い方になるが、全てが綺麗に納得でき、しかも精緻すぎてカーの作品ではないみたいだ。

とこのように非常にカー作品の中ではロジックを前面に押し出した作品で、読み応えがあるのだが、当時の私の感想を書いた一言メモでは、どうも多忙の中で読んだようで楽しめなかったとだけ残ってある。しかしそれでも内容についてこれだけ記憶に残っており、読み応えがあったように思えるのだから、やはり私の中ではカーの作品でも上位に来る作品であるようだ。もう一度読み直すべき作品として記憶にとどめておこう。

Tetchy
WHOKS60S
No.2:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

緑のカプセルの謎の感想

「皇帝のかぎ煙草入れ」に続いてカー2作目。しかしまた異端作を手にとったらしい。

「心理学的推理小説」と銘打たれた作品。
元々曖昧な人間の観察力に心理操作が加わると真実とは全く異なるものが見えてしまう。
この作品は、それを利用した犯罪という事になるのですが、正直心理トリックものの難しさを痛感した次第です。
登場人物達と同じように、我々読み手に対して同様の心理的効果を与えられるのか。
読み手を納得させるのは大変でしょうし、実際全ての読み手を納得させるのは無理でしょう。
読み手は所詮はその場にいなかった部外者ですし、読む時のコンディションや気合の入れ方も様々でしょうから、全てにおいて「そんな上手い具合にいくかよ」と思わせないようにするのは無理というものです。
だったらどこまで納得できたかが評価の基準になるはずだけど・・・一様に評価高いんですよね、この作品。
もっと評価が別れてもいいような作品に思えたのですが・・・


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梁山泊
MTNH2G0O
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

心理トリックが見事

毒殺講義が含まれた本書。
毒殺方法についての論も楽しめるが、一番の見所はマーカスの観察実験。
物の観方のいい加減さ、心理トリックを巧く用いた作品であった。

Ariroba78
5M53WTS6
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No.27:
(5pt)

1939年の作品

饒舌なる中年たちによるCarr Graphic vol.3の中に紹介された作品。わたしはこれが一番面白かったと思う。結末の好き嫌いは個人によるものなので、分かれるかも⁈しれませんが… 古さを感ぜず読み切りました。
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4488118410
No.26:
(5pt)

JDCは小説嫌い 1939年作 新訳2016年

四十年ほど前、創元推理文庫の旧版(1961年宇野先生の訳)で読んで、最高傑作!という印象だったのですが、古本屋でこの本を見つけ新訳「曲がった蝶番」の良い印象が心に残っていたため再読。冒頭から、あれこんな話だっけ?という感じで、ほとんど覚えていませんでした。罠の連続が実にいやらしく探偵小説としては非常に上出来なんですが、この話、エリオットの視点だけで語ったらもっと盛り上がると思うんですよ。使えるネタをばら撒いといてそんなのどうでも良い、という投げやりな感じ。全く登場人物に興味が無いのがJDCらしいところ。やっぱり小説に向いてないんじゃないかな?ところで宇野先生の訳が悪いはずがない、と思って昔の文庫を見たら… セリフがとても古臭くて新訳は大正解ですね。
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No.25:
(4pt)

文学的超一流ミステリ-古典はやはり素晴らしい-

文学的であり巧妙なトリックが冴えわたる超一流ミステリ.
 副題が「心理学的殺人事件」.大層な仕掛けが繰り出す物理的トリックではなく,
巷の怪しげな心を操る“心理学”ではなく,本当に心理学的な,人の錯覚や思い込みを利用した殺人事件.

 この小説の面白さを引き立てているのは奇抜なトリックや魅力的な登場人物だけではない.
そこここにちりばめられている文学的表現だ.
 こういったミステリ・冒険小説は,トリックに力を注ぎすぎてか,
文章のほとんどが“描写”になる.
 プロットや会話が面白ければいいが,乗れないとき,単調で飽きてくる.
しかしこの小説はしっかりとしたトリックやストーリーを保ちつつ,
“文学的”な小説であることを忘れていない.どうしてこんな素晴らしいものをかけるのか,考えられるのか.

 恥ずかしい話,「ジョン・ディクスン・カー」という古典ともいうべき,
クリスティと片を並べるミステリの定番作家の存在すら知らなかった.
 別の小説で初めて知り,本屋でたまたま見つけて読んだのだ.

 この作家を今まで知らなかったことを後悔し,恥ずかしくなった.
やはり今も残っている本は,何か素晴らしいところがある.
例え時代背景が古臭くなっても,面白みは色あせない.
 それこそ本物なのだろう.
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4488118410
No.24:
(3pt)

途中までは良かったが、謎解きが「なんだこりゃ」

カーの作品はそれほど多くは読んでいないが、表紙の絵の雰囲気と、のどかな町で起きた殺人事件という、古き良き時代の推理小説を期待し購入。
小さな町のお菓子屋で、何者かが商品のチョコレートボンボンに毒を混入し、不特定多数の客を殺そうとした未解決事件が起こる。
事件の容疑者になったのは町に住む、裕福な実業家の伯父を持つ若い女性。
その実業家の伯父は、「(この未解決事件の)毒混入の方法が分かった」「人々はいかに現象を曖昧にしか記憶できていないかを証明する」と不可解な室内劇を企画し、劇中、皆の目前で帽子・マフラー・コートで顔を隠した謎の人物に毒殺される。この辺り、大胆不敵でドキドキワクワクしました。
容疑者は家族や近しい友人・従業員など数名に限定され、劇中に登場した人物は誰なのか、犯人はどうやってその人物になれたのか、その毒殺者がチョコレートに毒を混入した人物なのか、そもそも殺された伯父はどのような毒殺方法を発見したのか等、途中までは楽しめました。
ところが、それまでは緻密で論理的な展開を見せていたのに、犯人を示す謎解きになった途端、「〇〇犯罪の犯人には△△の特徴がある」(それ本当?数件のサンプルだけ?独断過ぎない?)、そして「△△の特徴を持つのは××なので、××が犯人」(その人が△△の特徴ありなんて唐突)。私には犯人特定に腑落ち感が全くなく、正直、なんだこりゃでした。それから、中途半端な恋愛要素も個人的には楽しめなかったし「職業的にどうなの?」と歓迎できず(まあ現代の感覚とは違うし好みの問題でしょうが)。
途中までは面白く読んでいたのに、本当に心から残念。ということで★3つです。
緑のカプセルの謎【新訳版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:緑のカプセルの謎【新訳版】 (創元推理文庫)より
4488118410
No.23:
(4pt)

オリンピックかいタイタニックかい さあさあ どっちだい!

人の入れ替わりトリック タイタニック絡みであったり どんでん返し 様々なうんちくあって楽しめる中期に差し掛かる佳作。
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4488118410



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