プレーグ・コートの殺人(黒死荘の殺人)
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点8.00pt |
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ケンウッド・ブレークの友人ディーン・ハリディが彼に持ちかけた話とは、自身の邸プレーグ・コートで行われる、亡き兄ジェームズを呼ぶために伯母が呼んだ心霊学者ダーワースが開催する降霊会に参加して、彼のトリックを暴いて欲しいという依頼だった。プレーグ・コートとは1710年にロンドンに蔓延した黒死病の時代に、その病に感染した家族の間で凄惨なやり取りが繰り広げられた呪われた邸で、現在は幽霊屋敷と評されていた。 | ||||
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意外な犯人に驚いてしまった。 私の中で犯人候補を三人程挙げていたが、完全に外れてしまった。 | ||||
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先に読んだ「火刑法廷」は多分にオカルト趣味的なホラー要素のあるストーリーで、あまり面白さは感じなかったが、この「黒死荘の殺人」は純粋な謎解きを楽しむミステリとして面白く読み終えた。H・Mの登場する第一作であるが、勝手気ままな性格でマイクロフトとあだ名で呼ばれるのを大いに憤慨していた、とある。マイクロフトとは例のシャーロック・ホームズの兄の名前からとられたもので、そんなエピソードがあるがこのヘンリ・メリヴェール卿の推理力は並ではない。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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読み通すのに骨が折れました。 | ||||
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城塚翡翠のなかで出てきた小説に興味が湧き 購入したのだが、中々面白い 探偵小説は幾つか読んだ事があるが、いわいる 本格ミステリー小説は初と言って良い位で ハマってしまいそうです。 | ||||
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初読は中学生の頃で、40年ぶりくらいの再読。面白かった! これほど単純かつ意外な密室トリックは、そうお目にかかれない。ぱっと思いつくので、同じ作者の「ユダの窓」、「赤後家の殺人」、「妖魔の森の家」、クレイトン・ロースン「この世の外から」、ウィリアム・ブリテン「ジョン・ディクスン・カーを読んだ男」、赤川次郎「三毛猫ホームズの推理」くらいかなあ。40年振りに読んだけど、トリックだけは鮮明に覚えていた。 前半はストーリー・テラーの筆者にしてはテンボがゆったりとしてるが、ヘンリー・メリヴェール卿が登場する真ん中辺りから俄然話が動き出す。女性にエロ話するとことか、フロスト警部の原型を見た。フェル博士と似たようなもの、と評する文書を何度か読んだことあるけど、全然違う。私は断然H.M派だ。 トリック以外はほぼほぼ忘れてましたが、伏線きちんと張ってあって、犯人も意外。これは、素晴らしい黄金期のパズラーだと思います。 この本の前に読んだのが、日本の社会派推理小説の名作との世評が高い「SのUTW」。 ミステリとしてあまりの酷さに憤慨していたところ、本作でカーがH.M卿通じて、こんなこと言わせてたので、溜飲が下がりました。 「科学的に未知のガスとか、痕跡を残さない毒物など扱った小説は反則にすべきだな。そういうのを読むたびに、わしは苦痛になるよ。そんなことをするくらいなら、犯人が何かを飲んで、鍵穴から自由に出入できるようにした方がましさ。」 | ||||
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「仄暗い中でなにかが首筋に触れた、あれは短剣の柄(つか=グリップの部分)だった。じゃあその人物は、 刃の部分をどうやって握っていたんだ?」と一同が慄くシーンがあります。まあ後でオチがつく訳ですが、 これ、試しに何かでやってみて下さい。アナタに絶対見えないように誰かがアナタの首筋を〝もの〟で撫でたとして、 それが‶何〟か、撫でられたほうはそこまでハッキリ分かります? ▼ ▼ 『プレーグ・コートの殺人』と次の『修道院殺人事件』、過去にそう訳されていたタイトルを近年の創元推理文庫では、 なぜ『黒死荘の殺人』『白い僧院の殺人』へとアップデートしたのか、その理由を解説にて戸川安宣氏が短く述べる。 新訳は高沢治がひとりでやる翻訳の時より語り口は若干堅めな感じがする。南條竹則の影響? かつて黒死病に脅えた旧時代の絞刑吏ルイス・プレージの影が残る幽霊屋敷、そして呪いの短剣。 70年代に本作の翻訳者として平井呈一に白羽の矢が立ったのも、むべなるかな。 ゴシック・ムードに演出され、心霊学者ロジャー・ダーワーズが誰も入れない石室でズタズタの屍と化す前半と、 ヘンリ・メリヴェール卿が呼び出され、霊媒オカルトを論理的に暴いてゆく後半との潮目の変化がこの長篇の醍醐味。 更に起きる第二の事件。 人肉の焼ける匂いを嗅がされたハンフリー・マスターズ警部達はその後暫くマトン料理を見るのも嫌だったろうな。 真犯人の暗躍手段は本格にしてはややルパンティックだし、ある人物がその従犯だったというのはそりゃわからんわ。 って、いちいち作者・カーにツッコみたくなるのが読者のわるい癖。 ‶幽霊犯人〟というワードが出てきて、つい私は戦前本格派の驍将と云われた甲賀三郎の事を思い浮かべる。 実質甲賀は本格の理想論だけで、小説でバキバキの本格ものを作り出す事が出来ずに病死してしまった。 本作の石室殺人に使われているような〇〇〇トリックを用いて、これ位のクオリティの長篇をたったひとつでも遺せたら、 日本の探偵小説史における甲賀(小酒井不木でもいいのだが)の評価は根底から変わっていたと思う。 ▽ ▽ 本作はH・M最初の事件であり、巻末解説ではヘンリ・メリヴェール卿の人物像や登場作品などが紹介されている。 H・M登場作を読破したい方には便利。ヘンリ卿好きの私としてはH・M登場作品だけを集成した全集が読みたい。 どこかのカー好きな奇特な出版社が企画してくれないものか? もちろん電子書籍ではなく紙書籍で。 | ||||
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まず正直に告白しておきたい、わたしはカーが苦手だ。だから昔、有名タイトルを数冊読んだきりで、あまり関心を持たずにきたのだが、最近になって苦手を克服しようとカー作品をぼちぼち読んでいる。本書もその一冊。解説には「カーの三大傑作の一つ」とあり、これはイケそうと期待が高まった。 しかし結論から言うと、やっぱりダメだった。最後まで何をどう面白がればよいのか、分からずじまいだった。文章がまずく、キャラクターは精彩を欠き、トリックも拙劣に感じた(よくできたトリックとファンの間では評判らしいのだが)。最後までページを繰るのが億劫だった。 文章がまずいのは訳のせいかも? と考えたりしたが、先日読んだ古いハヤカワ・ミステリ文庫版のクイーン作品は、古い訳のギクシャク感を差し引いても十分面白かったし(しかもけっして有名タイトルではない)、よく分からない。創元推理文庫版の新訳(『黒死荘の殺人』)なら、また違う感想を持ったろうか。 解説にひとつ発見があった。「カーの作風は尊敬するチェスタートンに負うところが多いと思う」と訳者が書いている。ははあん、そういうことか。わたしはチェスタトンも苦手で、その面白さが今ひとつ理解できないのだった。ううむ、この乗れない感じは、そもそもの作家性が肌に合わないのかしらん。 とはいうものの、『白い僧院の殺人』など、過去には面白く読んだカー作品もないわけではない。だから、わたしの苦手克服の旅はまだまだ終わらない。少なくともあと6冊はすでに買い込んでしまったカー作品が積読状態になっているので、次は『囁く影』に挑戦してみようと思っている。 | ||||
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