プレーグ・コートの殺人(黒死荘の殺人)



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初公開日(参考)1977年02月
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長編小説

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黒死荘の殺人 (創元推理文庫)

2012年07月27日 黒死荘の殺人 (創元推理文庫)

曰く付きの屋敷で夜を明かすことにした私が蝋燭の灯りで古の手紙を読み不気味な雰囲気に浸っていた時、突如鳴り響いた鐘―それが事件の幕開けだった。鎖された石室で惨たらしく命を散らした謎多き男。誰が如何にして手を下したのか。幽明の境を往還する事件に秩序をもたらすは陸軍省のマイクロフト、ヘンリ・メリヴェール卿。ディクスン名義屈指の傑作、創元推理文庫に登場。(「BOOK」データベースより)




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プレーグ・コートの殺人(黒死荘の殺人)の総合評価:8.92/10点レビュー 39件。Bランク


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全3件 1~3 1/1ページ
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

悪訳ゆえに頭に入ってこない

ケンウッド・ブレークの友人ディーン・ハリディが彼に持ちかけた話とは、自身の邸プレーグ・コートで行われる、亡き兄ジェームズを呼ぶために伯母が呼んだ心霊学者ダーワースが開催する降霊会に参加して、彼のトリックを暴いて欲しいという依頼だった。プレーグ・コートとは1710年にロンドンに蔓延した黒死病の時代に、その病に感染した家族の間で凄惨なやり取りが繰り広げられた呪われた邸で、現在は幽霊屋敷と評されていた。
数々の降霊会でトリックを暴いたと云われるスコットランド・ヤードの警部マスターズとともにプレーグ・コートに赴いたケン・ブレークは降霊会の最中、主催者であるダーワースの殺人事件に出くわす。離れの石室で密室状態の中、殺されたダーワースの傍らには、プレーグ・コートの名の由来となった絞刑吏ルイス・プレージの短剣が落ちていた。捜査は混迷を極める中、ケンは風変わりな役人、ヘンリー・メリヴェール卿に助けを求めるのだった。

HM卿デビュー作の本書。正直、例によって読みにくい文章のため、中盤まではほとんど読後の結果については諦めていた。しかし、世評に名高い本書は、最後に至って複雑な絵図を読者の眼前に晒してくれた。
石室という離れで起こった密室殺人については、実のところ、あまり驚きをもたらさない。これを知らされただけでは本書は凡百のミステリに過ぎない。
しかし、この事件で最も読ませるのは真相で明らかになる複雑な人間関係だ。単純な事件の表層の裏に、かくも込み入った役割分担があったというのが驚き。

最後の真相は面白いが、そこに至るまでの内容・文体にどうしてもノレなかったのでそれを差し引いて評価は7ツ星。もはや私自身がカー作品の(翻訳の)文体に忌避感を抱いているのかもしれない。


▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

プレーグ・コートの殺人(黒死荘の殺人)の感想

意外な犯人に驚いてしまった。 私の中で犯人候補を三人程挙げていたが、完全に外れてしまった。

松千代
5ZZMYCZT
No.1:6人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

プレーグ・コートの殺人(黒死荘の殺人)の感想

先に読んだ「火刑法廷」は多分にオカルト趣味的なホラー要素のあるストーリーで、あまり面白さは感じなかったが、この「黒死荘の殺人」は純粋な謎解きを楽しむミステリとして面白く読み終えた。H・Mの登場する第一作であるが、勝手気ままな性格でマイクロフトとあだ名で呼ばれるのを大いに憤慨していた、とある。マイクロフトとは例のシャーロック・ホームズの兄の名前からとられたもので、そんなエピソードがあるがこのヘンリ・メリヴェール卿の推理力は並ではない。
事件解決の後の推理を披露するところは読み応えがある。この犯人の隠し方は良く出来ていてなかなか見破るのは難しいと思う。トリック、意外な犯人、その隠し方、これはカーター・ディクスン名義のなかでも上位に選ばれる作品と納得する。カーの密室ものとしても楽しむことができる一冊で、ミステリ小説の面白さを満喫できた。

ニコラス刑事
25MT9OHA
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未読の方はご注意ください

No.36:
(3pt)

話がちょっとややこしい。

読み通すのに骨が折れました。
黒死荘の殺人 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:黒死荘の殺人 (創元推理文庫)より
448811833X
No.35:
(5pt)

城塚翡翠の中で出てきた小説

城塚翡翠のなかで出てきた小説に興味が湧き
購入したのだが、中々面白い
探偵小説は幾つか読んだ事があるが、いわいる
本格ミステリー小説は初と言って良い位で
ハマってしまいそうです。
黒死荘の殺人 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:黒死荘の殺人 (創元推理文庫)より
448811833X
No.34:
(5pt)

40年経っても忘れない密室トリック

初読は中学生の頃で、40年ぶりくらいの再読。面白かった!
これほど単純かつ意外な密室トリックは、そうお目にかかれない。ぱっと思いつくので、同じ作者の「ユダの窓」、「赤後家の殺人」、「妖魔の森の家」、クレイトン・ロースン「この世の外から」、ウィリアム・ブリテン「ジョン・ディクスン・カーを読んだ男」、赤川次郎「三毛猫ホームズの推理」くらいかなあ。40年振りに読んだけど、トリックだけは鮮明に覚えていた。

前半はストーリー・テラーの筆者にしてはテンボがゆったりとしてるが、ヘンリー・メリヴェール卿が登場する真ん中辺りから俄然話が動き出す。女性にエロ話するとことか、フロスト警部の原型を見た。フェル博士と似たようなもの、と評する文書を何度か読んだことあるけど、全然違う。私は断然H.M派だ。

トリック以外はほぼほぼ忘れてましたが、伏線きちんと張ってあって、犯人も意外。これは、素晴らしい黄金期のパズラーだと思います。

この本の前に読んだのが、日本の社会派推理小説の名作との世評が高い「SのUTW」。
ミステリとしてあまりの酷さに憤慨していたところ、本作でカーがH.M卿通じて、こんなこと言わせてたので、溜飲が下がりました。

「科学的に未知のガスとか、痕跡を残さない毒物など扱った小説は反則にすべきだな。そういうのを読むたびに、わしは苦痛になるよ。そんなことをするくらいなら、犯人が何かを飲んで、鍵穴から自由に出入できるようにした方がましさ。」
プレーグ・コートの殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫 6-4)Amazon書評・レビュー:プレーグ・コートの殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫 6-4)より
415070404X
No.33:
(5pt)

カーの作品を名探偵ごとに整理したものが欲しい、例えばH・M全集とか

「仄暗い中でなにかが首筋に触れた、あれは短剣の柄(つか=グリップの部分)だった。じゃあその人物は、
刃の部分をどうやって握っていたんだ?」と一同が慄くシーンがあります。まあ後でオチがつく訳ですが、
これ、試しに何かでやってみて下さい。アナタに絶対見えないように誰かがアナタの首筋を〝もの〟で撫でたとして、
それが‶何〟か、撫でられたほうはそこまでハッキリ分かります?


『プレーグ・コートの殺人』と次の『修道院殺人事件』、過去にそう訳されていたタイトルを近年の創元推理文庫では、
なぜ『黒死荘の殺人』『白い僧院の殺人』へとアップデートしたのか、その理由を解説にて戸川安宣氏が短く述べる。
新訳は高沢治がひとりでやる翻訳の時より語り口は若干堅めな感じがする。南條竹則の影響?

かつて黒死病に脅えた旧時代の絞刑吏ルイス・プレージの影が残る幽霊屋敷、そして呪いの短剣。
70年代に本作の翻訳者として平井呈一に白羽の矢が立ったのも、むべなるかな。
ゴシック・ムードに演出され、心霊学者ロジャー・ダーワーズが誰も入れない石室でズタズタの屍と化す前半と、
ヘンリ・メリヴェール卿が呼び出され、霊媒オカルトを論理的に暴いてゆく後半との潮目の変化がこの長篇の醍醐味。

更に起きる第二の事件。
人肉の焼ける匂いを嗅がされたハンフリー・マスターズ警部達はその後暫くマトン料理を見るのも嫌だったろうな。
真犯人の暗躍手段は本格にしてはややルパンティックだし、ある人物がその従犯だったというのはそりゃわからんわ。
って、いちいち作者・カーにツッコみたくなるのが読者のわるい癖。

‶幽霊犯人〟というワードが出てきて、つい私は戦前本格派の驍将と云われた甲賀三郎の事を思い浮かべる。
実質甲賀は本格の理想論だけで、小説でバキバキの本格ものを作り出す事が出来ずに病死してしまった。
本作の石室殺人に使われているような〇〇〇トリックを用いて、これ位のクオリティの長篇をたったひとつでも遺せたら、
日本の探偵小説史における甲賀(小酒井不木でもいいのだが)の評価は根底から変わっていたと思う。


本作はH・M最初の事件であり、巻末解説ではヘンリ・メリヴェール卿の人物像や登場作品などが紹介されている。
H・M登場作を読破したい方には便利。ヘンリ卿好きの私としてはH・M登場作品だけを集成した全集が読みたい。
どこかのカー好きな奇特な出版社が企画してくれないものか? もちろん電子書籍ではなく紙書籍で。
黒死荘の殺人 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:黒死荘の殺人 (創元推理文庫)より
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No.32:
(2pt)

カー克服の一里塚

まず正直に告白しておきたい、わたしはカーが苦手だ。だから昔、有名タイトルを数冊読んだきりで、あまり関心を持たずにきたのだが、最近になって苦手を克服しようとカー作品をぼちぼち読んでいる。本書もその一冊。解説には「カーの三大傑作の一つ」とあり、これはイケそうと期待が高まった。

しかし結論から言うと、やっぱりダメだった。最後まで何をどう面白がればよいのか、分からずじまいだった。文章がまずく、キャラクターは精彩を欠き、トリックも拙劣に感じた(よくできたトリックとファンの間では評判らしいのだが)。最後までページを繰るのが億劫だった。

文章がまずいのは訳のせいかも? と考えたりしたが、先日読んだ古いハヤカワ・ミステリ文庫版のクイーン作品は、古い訳のギクシャク感を差し引いても十分面白かったし(しかもけっして有名タイトルではない)、よく分からない。創元推理文庫版の新訳(『黒死荘の殺人』)なら、また違う感想を持ったろうか。

解説にひとつ発見があった。「カーの作風は尊敬するチェスタートンに負うところが多いと思う」と訳者が書いている。ははあん、そういうことか。わたしはチェスタトンも苦手で、その面白さが今ひとつ理解できないのだった。ううむ、この乗れない感じは、そもそもの作家性が肌に合わないのかしらん。

とはいうものの、『白い僧院の殺人』など、過去には面白く読んだカー作品もないわけではない。だから、わたしの苦手克服の旅はまだまだ終わらない。少なくともあと6冊はすでに買い込んでしまったカー作品が積読状態になっているので、次は『囁く影』に挑戦してみようと思っている。
プレーグ・コートの殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫 6-4)Amazon書評・レビュー:プレーグ・コートの殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫 6-4)より
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