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孔雀の羽根
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孔雀の羽根の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.65pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全17件 1~17 1/1ページ
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「10客のティカップ」と言われればタロットカードの「杯の10」を連想し、何か曰くがあるのだろうと勝手に思い組む読者をはぐらかす。カー流のユーモア感覚と思って許すべきなんだろう。 基本的にカーのミステリでは、事件の目撃者は何かの先入感にとらわれているか、思い込みが激しく暗示にかかりやすいなど、概してボンクラなので、解決がそれほどアンフェアとも感じない。 マスターズ警部が女性に良いように翻弄されるエピソードも、「ほらこんなでしょ、何も真相が見えていないんですよ」と読者に示して、解決を補強しているのだろう。 ただ・・・要はカーの作品をまったく読んだことにない人に一読を奨めるなら、まずは『ユダの窓』や『白い僧院の殺人』、『曲がった蝶番』や『黒死荘の殺人』などを挙げるのであって、この作品ではない。 だが、本書や『墓場貸します』などを読むような人ならば、そんなことはわかった上で読むはずなのだ。 | ||||
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マスターズが再び不可能犯罪に出会う!という冒頭は素晴らしいのです。中盤の小ネタも効いています。珍しくキャラ立ちしてる登場人物もいます。でも解決篇は残念な出来でした。手抜かりや見落としを期待する不可能犯罪では面白くありません。いつものように2回目の犯行はやっつけ仕事。(ただし二度目の予告からの展開は素晴らしい) p304の解説は「そんなの知らねーよ!」と全員がツッコみを入れる内容ですね。 きっともっとシンプルに仕立てれば傑作になったかも。でもそれじゃ納得いかないのが、この作者だと思います。 銃はレミントン六連発拳銃1894年製が登場。Remington Model 1890 New Model Army(弾は.44-40 Winchester)でしょうか。 | ||||
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密室ミステリーは色々と読みましたが、不可能性・不可思議性なら本書が随一でしょう。 ・・・と思ったら世界歴代密室ミステリーでベストテンに入っていたのですね。 警官隊がありとあらゆる出入り口を見張る部屋に男が入ると、銃声が二発聞こえる。 警官が部屋になだれ込むと背中と頭を焦げる程の至近距離から撃たれて男が絶命している。 部屋にはたった今発砲したばかりの銃が煙を上げている・・・。 ところが。 警官隊があらゆる出入り口を見張っていたのに被害者以外の人間を目撃していない。 犯人はどこから部屋へ入りどこへ消えたのか・・・。 実に納得の行く素晴らしい鮮やかなトリックに脱帽です。 この不可能性とオリジナルトリックで☆5つだと思います。 | ||||
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本作品は、1937年発表の作品で、カーター・ディクスン名義の第8作にあたります。 「10客のティカップが出現するでしょう。」という不可解な犯行予告に、指定されたマンションを厳重に警戒していたマスターズ警部達。 家の中にはヴァンス・キーティングという青年がひとりでいることが確認された。 やがて轟いた二発の銃声を機に、中に入ってみると、そこには後頭部を打ち抜かれた青年の死体が。 傍らには拳銃が落ちており、後頭部には、至近距離から撃たれたことを示す、焦げ跡が残っていた。 犯人はどこに消えたのか? テーブルには10客のティカップが円形に置かれ、テーブルクロスは孔雀の羽根の刺繍が施されていたが…。 同じような状況の事件がじつは二年前にも発生していて、迷宮入りしていたことから、ヘンリ・メリヴェール卿の登場となり、名推理で犯人を追い詰めるというお話。 第14章の標題が、「この章には、重要な記録が読者の前に提供される」となっていたり、最終章の犯人当ての推理のくだりでは、32の手がかりが指摘されて、それぞれが何頁に記載があったか記されているという、フェアプレイを追求した作品となっています。 ただ、メインのトリックの部分が、この1年くらいかなり多くのカー作品を読んできたこともあって、「このあたりに【逆転の発想】を仕掛けているのでは?」という推測ができてしまった点が、残念なところでした。 さらにもうひとつ。 なぜ、「10客のティカップ」と「孔雀の羽根」なのか、という点が、先述の手がかり(29)の部分と最終頁で説明されているのですが、ややインパクトに欠けるものになっていたのも、残念なところでした。 傑作というには、今一歩といったところかな…というのが、本作品に対する印象です。 | ||||
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本作品は、1937年発表の作品で、カーター・ディクスン名義の第8作にあたります。 「10客のティカップが出現するでしょう。」という不可解な犯行予告に、指定されたマンションを厳重に警戒していたマスターズ警部達。 家の中にはヴァンス・キーティングという青年がひとりでいることが確認された。 やがて轟いた二発の銃声を機に、中に入ってみると、そこには後頭部を打ち抜かれた青年の死体が。 傍らには拳銃が落ちており、後頭部には、至近距離から撃たれたことを示す、焦げ跡が残っていた。 犯人はどこに消えたのか? テーブルには10客のティカップが円形に置かれ、テーブルクロスは孔雀の羽根の刺繍が施されていたが…。 同じような状況の事件がじつは二年前にも発生していて、迷宮入りしていたことから、ヘンリ・メリヴェール卿の登場となり、名推理で犯人を追い詰めるというお話。 第14章の標題が、「この章には、重要な記録が読者の前に提供される」となっていたり、最終章の犯人当ての推理のくだりでは、32の手がかりが指摘されて、それぞれが何頁に記載があったか記されているという、フェアプレイを追求した作品となっています。 ただ、メインのトリックの部分が、この1年くらいかなり多くのカー作品を読んできたこともあって、「このあたりに【逆転の発想】を仕掛けているのでは?」という推測ができてしまった点が、残念なところでした。 さらにもうひとつ。 なぜ、「10客のティカップ」と「孔雀の羽根」なのか、という点が、先述の手がかり(29)の部分と最終頁で説明されているのですが、ややインパクトに欠けるものになっていたのも、残念なところでした。 傑作というには、今一歩といったところかな…というのが、本作品に対する印象です。 | ||||
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トリックはなかなか斬新なのです。 まさかと思わせてくれるようなトリックを 採用してくれていますし。 しかしながら展開に無駄な描写が多く ちょっと読みにくさを感じてしまいました。 それと肝心の探偵役のH・M卿の活躍が あまり見ることの出来なかったことも 残念な点に上げられます。 繰り返すようですが、トリックはいいのです。 目先に見える真実を真に受ける人ほど、 いざ真相が見えてきたときには 驚くこと間違いなしですから。 ただ、構成はちょっと よろしくなく感じてしまいました。 これでは読むのがつらいかも。 | ||||
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トリックはなかなか斬新なのです。 まさかと思わせてくれるようなトリックを 採用してくれていますし。 しかしながら展開に無駄な描写が多く ちょっと読みにくさを感じてしまいました。 それと肝心の探偵役のH・M卿の活躍が あまり見ることの出来なかったことも 残念な点に上げられます。 繰り返すようですが、トリックはいいのです。 目先に見える真実を真に受ける人ほど、 いざ真相が見えてきたときには 驚くこと間違いなしですから。 ただ、構成はちょっと よろしくなく感じてしまいました。 これでは読むのがつらいかも。 | ||||
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警察が厳重に監視している空家の一室――いわゆる“視線の密室”だが、窓は 開いていた――に一人で居た男が、髪が焦げるほどの至近距離から撃たれた。 現場には孔雀模様のテーブル掛けと十客のティーカップ、そして 凶器の拳銃が残されていたのだが、犯人の姿は影も形もなかった……。 前述の事件の二年前にも、現場に十客のティーカップが残された射殺事件(未解決) ――しかも過去と現在、どちらの事件の際も、警察に予告状が届けられていた―― が起きているのですが、過去の事件における関係者それぞれの目論みが思わぬ化学 反応を起し、不可解性が強調されることで、現在の事件の煙幕となっているのが秀逸。 一方、メインとなる密室トリックは、力業的な構成過程よりも、「何故被害者は、 大きすぎる帽子を被っていたのか?」というホワイダニットに集約される下準備 の部分に、カーの着想の冴えが窺えます。 | ||||
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警察が厳重に監視している空家の一室――いわゆる“視線の密室”だが、窓は 開いていた――に一人で居た男が、髪が焦げるほどの至近距離から撃たれた。 現場には孔雀模様のテーブル掛けと十客のティーカップ、そして 凶器の拳銃が残されていたのだが、犯人の姿は影も形もなかった……。 前述の事件の二年前にも、現場に十客のティーカップが残された射殺事件(未解決) ――しかも過去と現在、どちらの事件の際も、警察に予告状が届けられていた―― が起きているのですが、過去の事件における関係者それぞれの目論みが思わぬ化学 反応を起し、不可解性が強調されることで、現在の事件の煙幕となっているのが秀逸。 一方、メインとなる密室トリックは、力業的な構成過程よりも、「何故被害者は、 大きすぎる帽子を被っていたのか?」というホワイダニットに集約される下準備 の部分に、カーの着想の冴えが窺えます。 | ||||
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万全の警戒態勢で空き家のドアと窓を見張るマスターズ警部たちが見守る中、二発の銃声が鳴り響き、部屋に踏み込んだところ、たった今射殺されたと思われる男の死体があった。犯人はどうやってこの部屋に侵入し、どこへ消え去ったのか...。 本書は世界の密室長編歴代ベスト10位の作品とのことで、作者持ち味の怪奇趣味は影を潜める一方、この章に重要な手がかりがあると明記するなどフェアプレイに徹しようとしている。 しかし、この結末はないだろう。 論理の筋は通っている、トリックも可能である。しかし、二発目が被害者に当たったのはあまりにも都合が良すぎる。 しかし何よりも、誰にも「それ」が見られなかったということに無理がある。 H・M卿が見えなかったはずだと主張するとおり、確かに部屋の中は見えなかったかも知れない。 しかし、マスターズたちが見守る中、「それ」が外から部屋の中に飛び込むのは絶対に見落とされるはずがない。たとえ「それ」が具体的に何であるかまではわからないまでも。 何かを見たという者がいれば、読者はそれを推理の手がかりにする。逆に誰も何も見なかったとなれば、読者はそれを念頭に置いて推理する。 しかし、絶対にマスターズたちの目に止まるはずのものを、誰の目にも止まらなかったと記載するのは、読者からみればアンフェアでしかない。 | ||||
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万全の警戒態勢で空き家のドアと窓を見張るマスターズ警部たちが見守る中、二発の銃声が鳴り響き、部屋に踏み込んだところ、たった今射殺されたと思われる男の死体があった。犯人はどうやってこの部屋に侵入し、どこへ消え去ったのか...。 本書は世界の密室長編歴代ベスト10位の作品とのことで、作者持ち味の怪奇趣味は影を潜める一方、この章に重要な手がかりがあると明記するなどフェアプレイに徹しようとしている。 しかし、この結末はないだろう。 論理の筋は通っている、トリックも可能である。しかし、二発目が被害者に当たったのはあまりにも都合が良すぎる。 しかし何よりも、誰にも「それ」が見られなかったということに無理がある。 H・M卿が見えなかったはずだと主張するとおり、確かに部屋の中は見えなかったかも知れない。 しかし、マスターズたちが見守る中、「それ」が外から部屋の中に飛び込むのは絶対に見落とされるはずがない。たとえ「それ」が具体的に何であるかまではわからないまでも。 何かを見たという者がいれば、読者はそれを推理の手がかりにする。逆に誰も何も見なかったとなれば、読者はそれを念頭に置いて推理する。 しかし、絶対にマスターズたちの目に止まるはずのものを、誰の目にも止まらなかったと記載するのは、読者からみればアンフェアでしかない。 | ||||
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本作はカーの密室物の代表作の1つ。ミステリ作家・編集者として著名なE.D.ホックが投票で選んだ密室ミステリの人気投票で10位に入った。ちなみに列挙すると以下の通り。 (1) 三つの棺(カー) (2) 魔の淵(タルボット) (3) 黄色い部屋の謎(ルルー) (4) 曲がった蝶番(カー) (5) ユダの窓(カー) (6) ビッグ・ボウの殺人(ザングウィル) (7) 帽子から飛び出した死(ロースン) (8) チャイナ・オレンジの謎(クィーン) (9) ナイン・タイムズ・ナイン(バウチャー) (10) 孔雀の羽根(カー)......本作 本作はカーとしては地味な方なのでベストテンに入るとは意外だった。しかし、良く考えるとトリックは奇抜なのだ。なにせ「***」を「***」してしまうのだから。良く考えますねぇ。同時にランキング選者の見識の高さも窺える。そして、真相に気付かせないストーリー展開の巧みさと伏線の張り方はさすがとしか言いようがない。また、トリックが分かると「孔雀の羽根」という象徴的題名の巧妙さも分かるという仕掛けになっているのにも感服。更に、事件が起きたのが黄昏時だったという設定のうまさも見事。 密室マニアの方には必読の書。 | ||||
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本作はカーの密室物の代表作の1つ。ミステリ作家・編集者として著名なE.D.ホックが投票で選んだ密室ミステリの人気投票で10位に入った。ちなみに列挙すると以下の通り。 (1) 三つの棺(カー) (2) 魔の淵(タルボット) (3) 黄色い部屋の謎(ルルー) (4) 曲がった蝶番(カー) (5) ユダの窓(カー) (6) ビッグ・ボウの殺人(ザングウィル) (7) 帽子から飛び出した死(ロースン) (8) チャイナ・オレンジの謎(クィーン) (9) ナイン・タイムズ・ナイン(バウチャー) (10) 孔雀の羽根(カー)......本作 本作はカーとしては地味な方なのでベストテンに入るとは意外だった。しかし、良く考えるとトリックは奇抜なのだ。なにせ「***」を「***」してしまうのだから。良く考えますねぇ。同時にランキング選者の見識の高さも窺える。そして、真相に気付かせないストーリー展開の巧みさと伏線の張り方はさすがとしか言いようがない。また、トリックが分かると「孔雀の羽根」という象徴的題名の巧妙さも分かるという仕掛けになっているのにも感服。更に、事件が起きたのが黄昏時だったという設定のうまさも見事。 密室マニアの方には必読の書。 | ||||
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そんなには有名ではない本書ですが、実はこの作品は海外で評論家、作家、ファンなどから投票してもらった結果、世界の密室長編歴代10位にランクインしています(1位はダントツでカーの「三つの棺」他、カーは4位「曲った蝶番」、5位「ユダの窓」などに入っています)。 それだけにトリックにおいては実に単純にして盲点をついたもので、最後にH・Mはちゃんと手がかりを並べ立てて立証しています。ただ、証言に不審な点を見つけるには知識が必要です。現に私もこの作品で初めて知りました。 ただ、正にこいつは信じがたい完璧な不可能犯罪なので、密室ものを読みなれていない人は真相を知ってなんとなく失望するかもしれません。 | ||||
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そんなには有名ではない本書ですが、実はこの作品は海外で評論家、作家、ファンなどから投票してもらった結果、世界の密室長編歴代10位にランクインしています(1位はダントツでカーの「三つの棺」他、カーは4位「曲った蝶番」、5位「ユダの窓」などに入っています)。 それだけにトリックにおいては実に単純にして盲点をついたもので、最後にH・Mはちゃんと手がかりを並べ立てて立証しています。ただ、証言に不審な点を見つけるには知識が必要です。現に私もこの作品で初めて知りました。 ただ、正にこいつは信じがたい完璧な不可能犯罪なので、密室ものを読みなれていない人は真相を知ってなんとなく失望するかもしれません。 | ||||
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警察が厳重に包囲する空き家の一室で二発の銃声が轟いた。間髪をいれず踏み込んだ警官が目にしたものは至近距離から頭と背中を撃たれた男の死体。まだ煙を吐く拳銃を残し犯人の姿は消えていた。その部屋には十客のティーカップが・・・。これは二年前の未解決事件とそっくり同じ! おなじみH・M卿の登場! あまりオカルト気味のないあっさりしたお話です。女が如何にしたたかな動物か、垣間見たい方にはオススメ。 | ||||
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警察が厳重に包囲する空き家の一室で二発の銃声が轟いた。間髪をいれず踏み込んだ警官が目にしたものは至近距離から頭と背中を撃たれた男の死体。まだ煙を吐く拳銃を残し犯人の姿は消えていた。その部屋には十客のティーカップが・・・。これは二年前の未解決事件とそっくり同じ! おなじみH・M卿の登場! あまりオカルト気味のないあっさりしたお話です。女が如何にしたたかな動物か、垣間見たい方にはオススメ。 | ||||
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