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盲目の理髪師
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【この小説が収録されている参考書籍】
盲目の理髪師の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全19件 1~19 1/1ページ
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時は大戦間の一時の平和な時代。ところは大西洋の真っ只中。 謎の女が大型客船の中で失踪。 まさか殺人が…? と、力んではみたものの、素人探偵たちの推理ならぬ 当てずっぽうの捜査に、思わぬ不具合が次から次へと生じて… 行き当たりばったり極まりない主人公たちをさらに ややこしくさせる変人たちがしゃしゃり出て大混乱。 はたして犯罪はあったのか、それとも単なる妄想か。 なにぶん古い時代だし、そこまで 面白くないだろうと思いきや… 声を上げて笑ったのは初めてです、推理小説で。 | ||||
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この作品には著者お得意の密室もオカルトも不可能犯罪も出てこない。(正体・生死不明の女性の消失ぐらいか) 長い間私は、本作を取るに足らないものだと思い込んでいた。旧訳を読んだはずなのにほとんど記憶がない。 しかし本書の面白いことよ。ファルス(笑劇)趣味と言うらしいが、人の不幸を見て大笑いするような質の悪い冗談に溢れた作品だ。 豪華船で発生した二つの盗難事件と、殺人事件をめぐって、海賊船さながらの酒と乱行と混乱の中で、騒動が次々と巻き起こる。 特に終始悲惨な目に遭い続ける船長、終盤のアル中の人形師の「おじさん」の大活躍、そして酒乱の欲求不満の人妻の乱れ様等々、途中犯人とか真相とかはどうでもよくなって、ただただ楽しんで読んだ。 しかし流石ディクスン・カー。最後には、探偵役フェル博士と犯人の対峙の場面まで用意し、事件は真相へと収斂する。 16個の手がかりを示し、記載のページ数まで併記して、伏線を手際よく回収するくだりは見事と唸るしかない。 また同時に「俺はふざけているだけじゃない。やることはやってんだ。気が付いたか!」との自慢ぶりも覗える。 私には、そんな巨匠らしからぬ稚気が、微笑ましくてしかたない。 | ||||
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推理小説を読み始めた高校時代に1回読んでおり今回は2回目。ファース(笑劇)の味が濃いというのは記憶があったが内容は忘れていたので、どんな笑いだったのかに注目して読んだのだが…ミステリとしては期待したほどではなかった。 前半は謎に満ちて緊迫感も十分でさすがはカーと思わせるが中盤から冗漫で事件とは全く無関係の騒動(殺虫剤)まで起こるあたりは読むのがつらくなってきた。後半の第15章「いかにしてペリゴール夫人がシェンペンを注文し、エメラルドがふたたび現れたか」からは船上での晩餐シーンとなり酔っ払い達の珍騒動がこれでもかとばかりに繰り広げられる。その迫力には圧倒されるが、残念ながら品がない。 解決も中途半端な感がありミステリとしては評価できない。犯人側から見たときの動機や心理面も強引な説明で最終的にどうするつもりだったのかを考えると荒唐無稽な計画としか言いようがないと思われる。ファースの裏で不気味に犯罪が進行するといった雰囲気を期待したのだが、残念ながら後半はファースのみという感じで物足りなかった。 カーの作品によくあるパターン、つまり前半の謎は不思議さに満ちてその後の展開に期待を持たせるのだがその解決が強引で納得できないというパターンの一つと思われる。ただ、酔っ払い達の茶番劇という意味ではこれほどまでに描かれた作品はめったにないのではなかろうか。 | ||||
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四十年ほど前、創元推理文庫で読んだのですが全然覚えていなくて、新訳カーシリーズの印象が良いので1930年代のJDC/CDを全部読みたい! でも新訳版が手元に無く、井上一夫先生の旧訳で再読。会話が快調で、井上先生なかなかやるな、全然古びていない! 最後まで読み通せました。客船が舞台の大騒ぎドタバタ物語です。フェル博士の提示するヒントが漠然とし過ぎていて謎解き要素にドキドキ感が薄いのですが、アクション多目の楽しめる小説で、無茶苦茶な話が好きな人向け。JDCは酔っ払いが好きですね。沢山出てくる歌の出典を原文から調べてみました。 p52『学生王子』The Student Prince: ミュージカル1924 p112&p129 大海原の波に生き… A Life on the Ocean Wave: 詩 Epes Sargent 1838, 曲Henry Russell p241 『ポール船長はヤンキーの奴隷、あんな野郎はぶっ倒せ』とかいう歌 Captain Ball was a Yankee slaver, blow, blow, blow the man down!: 「ボール」「奴隷商人」ですね… Benetの詩John Brown’s Body 1928から? p250『ロザリオ』を歌う sing ‘The Rosary’: 不明 p255 『サンタクローズの橇鈴』Santa’s Sleigh-Bells: 不明、Jingle bellsのこと? p258『ギルバートとサリバン』やなぎよ、やなぎよ、ちっちゃなやなぎよ Willow, tit-willow: Guilbert & Sullivan作 The Mikadoから) p260『ピルセンの王子』The Prince of Pilsen: ミュージカル1903・映画1926 p267 『賣人のむれ、街を去り』When chapman-billies leave the street: Robert Burns作 詩Tam O’ Shanterより p302 協調の手をわかつなく 真理の旗を固守すべし! May the service united ne’er sever, But hold to its colours so true.: “Columbia, the Gem of the Ocean”より p307 『さあ、桑の藪を回ってゆこう』round-the-mulberry-bush: Here We Go Round the Mulberry Bush、English nursery rhyme and singing game. p344 『ラ マデロン』La Madelon: 第一次大戦時のフランスの流行歌 p344 『オール マン リバー』Old Man River: ミュージカルThe Show Boatより p346 『ラ マルセーエズ』La Marseillaise: フランス国歌 | ||||
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舞台が旧クウィーン・ビクトリア号なので、期待していましたが、ミステリーとしては、ちょっと物足りない感じがしました。作者の他の作品を期待していると、裏切られるそうです。 | ||||
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大西洋をイギリスに向かう豪華客船クイーン・ヴィクトリア号の中で起きた、二つの大きな盗難事件と、奇怪な殺人事件。外交官のカーティス・ウォーレンは、映画フィルム――政治家である彼の伯父が酒に酔った末にやった歯に衣着せぬ演説が録画されたもの――を何者かに盗まれてしまう。公表されたら、政治生命にかかわる代物だ。ウォーレンは親しくなった船客たち――推理作家ヘンリー・モーガン、元船長のヴァルヴィック、あやつり人形師の姪ペギー――と協力して、犯人を捕えようとするが、頭を殴られ瀕死の状態となった見知らぬ女性が出現したり、成り行きで宝石収集家のエメラルドの象を奪い取る羽目になったりと、事態はますます紛糾していくばかり。さらに、瀕死の女性が忽然と消え失せた後には〈盲目の理髪師〉が柄に描かれた血に濡れた剃刀が残され、適当な船室に投げ込んだはずのエメラルドが、なぜか持ち主のもとに戻ったりと、奇怪なことが頻発する。途方に暮れたモーガンは船を下り、フェル博士に助けを求めるが……。全編に亘って、ばかばかしくも楽しいドタバタ劇が繰り広げられている本作。事件の真相は、至ってシンプルなものですが、絶え間ないドタバタ劇で読者を幻惑(辟易?)させることによって、たくみに隠蔽しているのが、秀逸です。また、長編では珍しい安楽椅子探偵形式が採られているのも、フェル博士が当事者として事件に関わっていたら、さすがにすぐ真相を看破しただろう――という懸念が前提にあったからだと思われます。 | ||||
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大西洋をイギリスに向かう豪華客船クイーン・ヴィクトリア号 の中で起きた、二つの大きな盗難事件と、奇怪な殺人事件。 外交官のカーティス・ウォーレンは、映画フィルム――政治家 である彼の伯父が酒に酔った末にやった歯に衣着せぬ演説が 録画されたもの――を何者かに盗まれてしまう。公表されたら、 政治生命にかかわる代物だ。 ウォーレンは親しくなった船客たち――推理作家ヘンリー・モーガン、元船長の ヴァルヴィック、あやつり人形師の姪ペギー――と協力して、犯人を捕えようと するが、頭を殴られ瀕死の状態となった見知らぬ女性が出現したり、成り行き で宝石収集家のエメラルドの象を奪い取る羽目になったりと、事態はますます 紛糾していくばかり。さらに、瀕死の女性が忽然と消え失せた後には〈盲目の 理髪師〉が柄に描かれた血に濡れた剃刀が残され、適当な船室に投げ込んだ はずのエメラルドが、なぜか持ち主のもとに戻ったりと、奇怪なことが頻発する。 途方に暮れたモーガンは船を下り、フェル博士に助けを求めるが……。 全編に亘って、ばかばかしくも楽しいドタバタ劇が繰り広げられている本作。 事件の真相は、至ってシンプルなものですが、絶え間ないドタバタ劇で読者 を幻惑(辟易?)させることによって、たくみに隠蔽しているのが、秀逸です。 また、長編では珍しい安楽椅子探偵形式が採られているのも、フェル博士が 当事者として事件に関わっていたら、さすがにすぐ真相を看破しただろう―― という懸念が前提にあったからだと思われます。 | ||||
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一言で言えば、やかましい作品です。 終始登場人物の主張爆発です。 なので普通のミステリーのおとなしさに慣れていると この作品で手痛い一撃を喰らってしまいますので お気をつけください。 ただ、トリック等はなかなか使われない ユニークなトリック。 まあ読者に先入観を与える描写を 多々使っているので なかなかわからないようになっています。 実際読んだ私でもわかりませんでしたし。 そんなやかましくて辟易する作品ですが 最後は残酷になります。 その中であまり登場しないフェル博士が その犯人に一撃を加えます。 名推理は最後にしか見られないのですが それでも読ませる作品です。 | ||||
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一言で言えば、やかましい作品です。 終始登場人物の主張爆発です。 なので普通のミステリーのおとなしさに慣れていると この作品で手痛い一撃を喰らってしまいますので お気をつけください。 ただ、トリック等はなかなか使われない ユニークなトリック。 まあ読者に先入観を与える描写を 多々使っているので なかなかわからないようになっています。 実際読んだ私でもわかりませんでしたし。 そんなやかましくて辟易する作品ですが 最後は残酷になります。 その中であまり登場しないフェル博士が その犯人に一撃を加えます。 名推理は最後にしか見られないのですが それでも読ませる作品です。 | ||||
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怪奇と不可能犯罪の達人カーのもうひとつの才能であるお笑いを前面に押し出した笑撃の痛快作です。本書は「剣の八」に続くフェル博士の第四作で、今回は前作に登場した推理作家モーガンが語り手を務めます。ミステリーとしての最大の趣向は、航海中の船上で起きた事件をモーガンがフェル博士に話して聞かせ推理してもらうという著者初の安楽椅子探偵の試みです。本書を読むと著者が今回何故この方法を選んだのかが解ります。それは四人の素人探偵達の馬鹿騒ぎをプロの介入無しで自由奔放にやらせたかったのと、名探偵が解決の説明を最後まで勿体ぶるミステリーのお約束事を自然に見せる為だと思います。 イギリスに向かう定期船の航海途中に船上で二つの盗難事件と死体消失事件が起きる。成行で事件に介入した作家モーガン、外交官ウォーレン、元船長ヴァルヴィック、人形師の姪グレン嬢の四人組は次々に思わぬ失敗を重ねヤバイ事態を招いてしまう。事件の謎解きに行き詰ったモーガンは密かに下船しフェル博士宅へと相談に向かう。 四人組が船の責任者であるホイッスラー船長にやらかした仕打ちは酷い物で、泥棒と間違えて殴り倒すは、誤って殺虫剤を顔に向けて噴射するは、挙句にはボクサーに悪人と信じ込ませて格闘させるはで、もう普通では考えられない無茶苦茶な馬鹿騒ぎです。一方、肝心の推理はフェル博士が16もの手掛かりをモーガンに示して考えさせ最後に意外な犯人を暴き出します。それにしてもストレートにズバッと言ってくれれば良いのに、名探偵って奴は本当に回りくどい方法がお好きな人種ですね。本書にはお得意の不可能興味が無く、推理はまずまずですが著者としては水準並みで、題名の「盲目の理髪師」自体も怖くなくハッタリなのですが、その代わりに本筋とは関係の無い浮かれ者達の演じる馬鹿騒ぎが最高に楽しめますので、どうか厳しく考え過ぎずに固い事は抜きにしてぜひ一読される事をお奨めします。 | ||||
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怪奇と不可能犯罪の達人カーのもうひとつの才能であるお笑いを前面に押し出した笑撃の痛快作です。本書は「剣の八」に続くフェル博士の第四作で、今回は前作に登場した推理作家モーガンが語り手を務めます。ミステリーとしての最大の趣向は、航海中の船上で起きた事件をモーガンがフェル博士に話して聞かせ推理してもらうという著者初の安楽椅子探偵の試みです。本書を読むと著者が今回何故この方法を選んだのかが解ります。それは四人の素人探偵達の馬鹿騒ぎをプロの介入無しで自由奔放にやらせたかったのと、名探偵が解決の説明を最後まで勿体ぶるミステリーのお約束事を自然に見せる為だと思います。 イギリスに向かう定期船の航海途中に船上で二つの盗難事件と死体消失事件が起きる。成行で事件に介入した作家モーガン、外交官ウォーレン、元船長ヴァルヴィック、人形師の姪グレン嬢の四人組は次々に思わぬ失敗を重ねヤバイ事態を招いてしまう。事件の謎解きに行き詰ったモーガンは密かに下船しフェル博士宅へと相談に向かう。 四人組が船の責任者であるホイッスラー船長にやらかした仕打ちは酷い物で、泥棒と間違えて殴り倒すは、誤って殺虫剤を顔に向けて噴射するは、挙句にはボクサーに悪人と信じ込ませて格闘させるはで、もう普通では考えられない無茶苦茶な馬鹿騒ぎです。一方、肝心の推理はフェル博士が16もの手掛かりをモーガンに示して考えさせ最後に意外な犯人を暴き出します。それにしてもストレートにズバッと言ってくれれば良いのに、名探偵って奴は本当に回りくどい方法がお好きな人種ですね。本書にはお得意の不可能興味が無く、推理はまずまずですが著者としては水準並みで、題名の「盲目の理髪師」自体も怖くなくハッタリなのですが、その代わりに本筋とは関係の無い浮かれ者達の演じる馬鹿騒ぎが最高に楽しめますので、どうか厳しく考え過ぎずに固い事は抜きにしてぜひ一読される事をお奨めします。 | ||||
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「本書は殺人を扱ったファルス(茶番狂言)である。」 −−アントニイ・バウチャーによる、 そんな書き出しの序文が巻頭に掲載されている本書は、 ドタバタ喜劇に彩られた異色作です。 フェル博士を訪ねてきた推理作家モーガンは、 自分が乗ってきた豪華客船クィーン・ヴィクトリア号で起こった 事件の顛末を語って聞かせます。 船内では、二つの盗難事件と、死体消失事件が起きており、 物語を聞き終えたフェル博士は安楽椅子探偵として、 真相を解明するのですが・・・。 この物語の変わっているところは、 物語のほとんどで船内の登場人物たちが 酒を飲んでいることです。 とにかく、飲んでばっかり。 そして、酔っぱらった挙げ句、 思いもかけない行動を起こす彼らは、 事件をどんどん複雑にしてしまうのです。 こんな物語を書こうと考えるカーは、 よほどの酒好きだったとしか思えません。 酔っぱらいによるドンチャン騒ぎと、不可思議な事件−− やり過ぎと思えるほどのファルス色の強い作品となっています。 ただ、このドタバタ喜劇の中に しっかりと伏線が張り巡らされているところは、 さすがと言わざるを得ません。 解決編のフェル博士の推理には脚注が付いており、 それぞれの手がかりが 何ページに記載されていたのかが分かる仕組みになっています。 ところで、フェル博士は、 作中でお酒を飲んでいるのでしょうか? それは、あなたの目でお確かめください。 | ||||
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「本書は殺人を扱ったファルス(茶番狂言)である。」 −−アントニイ・バウチャーによる、 そんな書き出しの序文が巻頭に掲載されている本書は、 ドタバタ喜劇に彩られた異色作です。 フェル博士を訪ねてきた推理作家モーガンは、 自分が乗ってきた豪華客船クィーン・ヴィクトリア号で起こった 事件の顛末を語って聞かせます。 船内では、二つの盗難事件と、死体消失事件が起きており、 物語を聞き終えたフェル博士は安楽椅子探偵として、 真相を解明するのですが・・・。 この物語の変わっているところは、 物語のほとんどで船内の登場人物たちが 酒を飲んでいることです。 とにかく、飲んでばっかり。 そして、酔っぱらった挙げ句、 思いもかけない行動を起こす彼らは、 事件をどんどん複雑にしてしまうのです。 こんな物語を書こうと考えるカーは、 よほどの酒好きだったとしか思えません。 酔っぱらいによるドンチャン騒ぎと、不可思議な事件−− やり過ぎと思えるほどのファルス色の強い作品となっています。 ただ、このドタバタ喜劇の中に しっかりと伏線が張り巡らされているところは、 さすがと言わざるを得ません。 解決編のフェル博士の推理には脚注が付いており、 それぞれの手がかりが 何ページに記載されていたのかが分かる仕組みになっています。 ところで、フェル博士は、 作中でお酒を飲んでいるのでしょうか? それは、あなたの目でお確かめください。 | ||||
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不可能犯罪趣味あり、ドタバタ喜劇あり・・・と、いかにもディクスン・カーらしい作品です。 船の中で起こるミステリーですが、犯罪の舞台が船と言うのは、カーも後には幾つか使っておりますが、これはそういった作品の基となっているといって良いでしょう。 まさに全盛期のディクスン・カーが書いた作品だけに、脂が乗りきっていると思いますし、カー好きの方には絶対にオススメです! 尚、カー作品を全く読んだことが無いという方でも、言い換えればこの作品は、「不可能犯罪系の推理小説に金字塔を打ち建てた巨匠、ディクスン・カー」を知る上で、ちょうど良い作品の一つになるかなとも思います。 | ||||
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船の中で起こるミステリーです。犯罪の舞台が船と言うのは、カーも後には幾つか使っており、これはそういった作品の基となっているといって良いでしょう。 内容としては、不可能犯罪趣味あり、ドタバタ喜劇ありと、いかにもディクスン・カーらしい作品で、抱腹絶倒する様な面白みさえある話だと思います。 しかし、カーにはありがちな話の構成の強引さもけっこう目立ち、しかもトリックも凡庸で、ミステリー小説としては並みのレベルです。 そのため、カーという巨匠はミステリーとしはややコケても、話としては笑いながら楽しめる作品が書ける偉大なストーリーテラーだ、 ということを如実に表す作品の代表格として評価できるでしょう。 | ||||
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船上という限られた空間で起こる殺人事件。殺人犯は必ず船内にいる筈なのに忽然と消えてしまったかのようだ。この船の到着までに謎を解かねば...。不可能味とタイム・リミットの味が加わって、如何にもカー好みだ。 ところが物語はカーのもう一つの持ち味"ファース"で埋め尽くされるのだ。乱痴気騒ぎと言って良い。このため、事件に素直に取り組めば割りと単純に解ける謎が、登場人物にも読者にも素通りして行ってしまう。これもカーの技巧なのかもしれない。 ファース味の中に謎が溶け込んだカーの異色傑作。 | ||||
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船上という限られた空間で起こる殺人事件。殺人犯は必ず船内にいる筈なのに忽然と消えてしまったかのようだ。この船の到着までに謎を解かねば...。不可能味とタイム・リミットの味が加わって、如何にもカー好みだ。 ところが物語はカーのもう一つの持ち味"ファース"で埋め尽くされるのだ。乱痴気騒ぎと言って良い。このため、事件に素直に取り組めば割りと単純に解ける謎が、登場人物にも読者にも素通りして行ってしまう。これもカーの技巧なのかもしれない。 ファース味の中に謎が溶け込んだカーの異色傑作。 | ||||
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カーの作品の中では最もファース色が濃いものです船上で起きる殺人事件をカー特有の過剰とも言えるエンターテイメント性で修飾された好む人を選ぶ そういう作品です | ||||
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カーの作品の中では 最もファース色が濃いものです 船上で起きる殺人事件を カー特有の過剰とも言えるエンターテイメント性で 修飾された 好む人を選ぶ そういう作品です | ||||
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