仮面荘の怪事件



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初公開日(参考)1981年08月
分類

長編小説

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仮面荘の怪事件 (創元推理文庫)

1981年08月21日 仮面荘の怪事件 (創元推理文庫)

ロンドン郊外の広壮な邸宅、〈仮面荘〉。ある夜、不審な物音に屋敷の者たちが駆けつけると、名画の前に覆面をした男が瀕死の状態で倒れていた。その正体はなんと、屋敷の現当主スタナップ氏その人だったのだ! なぜ自分の屋敷に泥棒に入る必要があったのか? そして、彼を刺したのはいったい誰か? 謎が謎を呼ぶ、カー中期の本格推理。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

仮面荘の怪事件の総合評価:7.63/10点レビュー 8件。Cランク


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(7pt)

犯人が異様に逞しい

女優フレイヴィア・ヴェナーの邸宅だった<仮面荘>に住むドワイト・スタナップはスコットランド・ヤードの警部ニコラス・ウッドを自宅に招待した。実はドワイトが警察へある相談を持ちかけた事がきっかけで仮面荘へ赴くことになったのだが、表向きは新年のお祝いに招待されたという体裁を整えていた。
ドワイトには活発なエリナーに可憐なベティという美しい異母姉妹がいた。また邸には他にも実業家のブラー・ネズビー、ニコラスの旧友ヴィンス・ジェームズが招待されており、エリナーの婚約者ロイ・ドースン海軍少佐も訪れる予定だった。
ニコラスが訪れたその夜、屋敷の1階に絵画泥棒が押し入り、果物ナイフで刺されるという事件が発生した。泥棒の正体はしかし、当主のドワイトその人であった。なぜ彼は自分の家の絵画を盗もうとしたのか?そしてなぜ泥棒を捕まえた者は捕縛せずに一思いに刺したのか?
瀕死の状態ながらもドワイトは一命をとりとめ、意識が戻るまで自宅で養生する事にした。
そこへ登場するのが我らがヘンリー・メリヴェール卿。しかしHM卿の登場空しく、次なる悲劇が発生する。

本作の真相は見破れないながらも、この頃の作品に多く見られるアクロバティックな真相で、カタルシスを感じるには首肯せざるを得なかった。
泥棒の正体が館の主である事からすぐに盗難による保険詐欺という趣向が想起され、それが確かにミスリードとなっているのは、さすがはカー!といったところか。

しかし、前述のように真犯人の正体に関してはいささか際どすぎる。
真相や趣向は非常にいいと思うのだが、事件の意匠の部分で過剰に演出しすぎ、現実味に欠けていて、いや非常識に感じられて、失望を禁じえない。
あと犯人の絞込みの重要なキーとなる背格好について。これについてもそれぞれの登場人物の描写を事細かにメモしていないと解らない。確かに作者が云うようにヒントは冒頭に隠されていたが、しかし、これだけだとは・・・(まあ、これは半分負け惜しみが入っているが)。

とはいえ、本作においてもカーは読書サービスを怠らない。
今回は特にHM卿が大カフーザラムなる魔術師に扮して子供達に奇術を披露するシーン。しかも仮面荘の当主の妻の悪友ともいうべきミス・クラタバックなる嫌味な人物に弄られながら、魔術と称してやっつけるといった内容。HM卿が実は奇術が得意であるという隠れた特技が本作で解るという点で、本作は見逃せない作品だろう。

また本作では犯人の悪意についても語られている。全てにおいて万能であった犯人が見事に罠に嵌り、プライドを傷つけられた憤りを重傷を負った人物に更に追い討ちをかけるように痛めつける。しかもそれについて悪びれもしないという人間の醜さを今回は見せつける。今手元にないので年代が解らないが、これはセイヤーズが晩年描いたテーマ―犯人が何も個人の事情や経済状態、止むに止まれない事情で犯行を犯すのではなく、単に意に沿わないという理由でも犯行を犯すのだ―に似ている。

カー作品の中でもあまり話題に上らない本作。それはこの素っ気無い題名によるところも大きいと思う。
本格物によくありがちな題名だが、原題は“The Gilded Man”で『金箔の男』という意味。これは盗難の対象となったエル・グレコの絵画に描かれたアンデス山中にある湖に沈んだ金塊を引き上げようとする男達を指している。
なかなか印象深い原題だが直接的には事件とは大きく関係しないため、どっこいどっこいといったところか。


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No.7:
(5pt)

HM卿シリーズでもドタバタと事件の均衡がとれている

HM卿のドタバタを事件そのものより愛好する人間としては、本作はドタバタを楽しみつつ他者にも薦めやすい名作。Kindle化されていないのが惜しい。
(既出評のように、下敷き短編があるのでそちらを先に読むべからず)

「仮面荘(Mask house)」と呼ばれる、有名女優が作った小劇場を持つ風変わりな名家で起きた、年末間際の美術品泥棒未遂、殺人未遂事件。
HM卿がインド人の大奇術家に化け、嬉々として子どもたちに奇術を披露する幕間に殺人未遂が殺人事件となり──。

ポケミス版では「メッキの神様」という、似ても似つかぬ題名ゆえ、そちらも留意されたい。厚木訳ではStanhopesの家名が見直され、stǽnəp(スタナップ)家となっている。
仮面荘の怪事件 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:仮面荘の怪事件 (創元推理文庫)より
4488119050
No.6:
(5pt)

H・M卿の悲しい役回りを鑑賞する作品

一応事件はおきますが
H・M卿のあんまりな扱いが
非常に目に付く作品です。
あれ?この作品は事件がおきているのに
なんでH・M卿のかわいそうさが目に付くんだか…
この事件は一応筋は通るのですが、
こちらに疑わせるものもほとんど出てはきませんし
それとトリックが難ありですね。
できなくはないのですが条件がよっぽどよくないと
それはできないものなのでちょっと…とは感じました。
この作品はある意味
H・M卿のファンのために作られた作品だと
割り切ったほうがいいでしょう。
ファンの人には意外な一面が見れるので星は文句なく5ですが
実質は2.5〜3でしょう。
事件も連続性は一応あるものの
すごく間が空きますし。
仮面荘の怪事件 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:仮面荘の怪事件 (創元推理文庫)より
4488119050
No.5:
(5pt)

H・M卿の悲しい役回りを鑑賞する作品

一応事件はおきますが
H・M卿のあんまりな扱いが
非常に目に付く作品です。
あれ?この作品は事件がおきているのに
なんでH・M卿のかわいそうさが目に付くんだか…

この事件は一応筋は通るのですが、
こちらに疑わせるものもほとんど出てはきませんし
それとトリックが難ありですね。
できなくはないのですが条件がよっぽどよくないと
それはできないものなのでちょっと…とは感じました。

この作品はある意味
H・M卿のファンのために作られた作品だと
割り切ったほうがいいでしょう。
ファンの人には意外な一面が見れるので星は文句なく5ですが
実質は2.5〜3でしょう。
事件も連続性は一応あるものの
すごく間が空きますし。
仮面荘の怪事件 (1981年) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:仮面荘の怪事件 (1981年) (創元推理文庫)より
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No.4:
(2pt)

短編の水増しに終ってしまった残念な作品

カーの中期の作品で、短編「軽率だった夜盗」の発表後、それを引き伸ばして長編化したもの。欧米の作家は良くこういう手法を採るが、私は短編の方を先に読んでおり、トリックの構成が同じだったため興醒めした。
富豪の屋敷である晩、名画の前で覆面をして倒れている夜盗がいた。その夜盗は刺殺されており、しかも覆面を取ってみると夜盗と思った男は富豪自身だった。何故富豪はそんな真似をしたのか ? そして犯人は ?
短編で読んだ時は割りとスッキリした出来だと思ったが、長編を支えるアイデアとしては苦しい。長編化するに当たっては、何らかの捻りを加えるべきだったろう。単なる水増しの作品となってしまった残念な作品。
仮面荘の怪事件 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:仮面荘の怪事件 (創元推理文庫)より
4488119050
No.3:
(2pt)

短編の水増しに終ってしまった残念な作品

カーの中期の作品で、短編「軽率だった夜盗」の発表後、それを引き伸ばして長編化したもの。欧米の作家は良くこういう手法を採るが、私は短編の方を先に読んでおり、トリックの構成が同じだったため興醒めした。

富豪の屋敷である晩、名画の前で覆面をして倒れている夜盗がいた。その夜盗は刺殺されており、しかも覆面を取ってみると夜盗と思った男は富豪自身だった。何故富豪はそんな真似をしたのか ? そして犯人は ?

短編で読んだ時は割りとスッキリした出来だと思ったが、長編を支えるアイデアとしては苦しい。長編化するに当たっては、何らかの捻りを加えるべきだったろう。単なる水増しの作品となってしまった残念な作品。
仮面荘の怪事件 (1981年) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:仮面荘の怪事件 (1981年) (創元推理文庫)より
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