カクテル・ウェイトレス
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点8.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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本書はジェームズ・M・ケインが生前に遺した幻の遺作であり、よくぞ訳出してくれたとまずは新潮社の仕事に敬意を表したい。 | ||||
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1975年、ジェームズ・M・ケインが亡くなる2年前、83歳のときに書いたもので、完成作ではなく草稿として残されていたものを、ケインを敬愛する編集者が丁寧な編集作業の末に2012年に発表した、ケインの遺作である。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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まだ読んでませんが、傑作の匂いがします | ||||
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著者自身の封印は最後仕掛けられた爆弾の猛毒性故か。ただ、やはり作者が開拓した肉感と独善性の荒野は嫌いじゃない。 | ||||
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ミステリーというより普通小説に近い。「郵便配達・・」より「ミルドレッド・・」よりかな。読後はうなだれてしまうようでした。映画には不向きです。 | ||||
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さすが、ジェームス・ケインのストーリー展開。最後のところまで来ないと、誰が本当の犯人なのかわからない。ぼーっと読んでいると、読み終わった後でさえ、犯人を特定しないリドル・ストーリーにみえる。危うく、騙されるところだった。ただし、前半でまったく殺人事件が登場しないので、若干、まどろこしさが残る。後半のストーリー展開はすごい。 | ||||
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本書の訳者あとがきで田口俊樹氏が面白いことを書いていたので下の・・・内に転載したい。 ・・・<前文略>ケインの作品は何作もハリウッド映画の原作になっているが、長編『殺人保険』が映画化(邦題『深夜の告白』)されたときには、監督ビリー・ワイルダーとともにほかならぬチャンドラーが脚色を担当した。有名な皮肉な話である。・・・ この皮肉という比喩は、レイモンド・チャンドラーがケインのことを“文学の屑肉”とまでこきおろしていたからである。 このようにチャンドラーがケインの作品を罵倒していたことは、評者もかってなにかで読んで知ってはいたが、それほど毛嫌いしていたケインの『殺人保険』映画化の脚色に加わっていたことなど初めて知りなんだか嬉しくなってしまった。 本書『カクテル・ウェイトレス』は、1975年ケイン83歳という晩年の作品とは思えない迫力を感じながらページを繰ってしまったのである。 この作品は、長く日の目を見ることがなかった原稿を、本書の解説を書いているチャールズ・アルダイが探し出し編纂し、『The Cocktail Waitress 』という原題で2013年に刊行されたものを、一年後の2014年に邦訳出版されたのが本書である。 この物語の主人公であるジョーン・メドフォードという3歳の男の子を持った若き妻が、アルコール中毒でDVを繰り返す夫が自動車事故で亡くなった後の葬儀の場面からテープに録音する一人語りで始まる。 ほとんどの読者は、ジョーンが語ることを信じながら読み進むのだろうと思うが、「ちょっと待てよ!彼女が話すことがすべて真実なの?」と、疑いだして読者を引き込むのがケインの手練手管なのであろう。 評者もケインの手練手管に引き込まれた一人であることは言うまでもないが、物語が終焉を迎えたころページを繰りながら、「なぜ証拠を隠さないのだ!」と、いらいらしだしたのである。 ロンドンで知り合ったアメリカ女性から、この証拠となるものをもらった時から、これはなにかあるなと思っていたのである。 が、やはり最終ページの数行でケインの隠し技を知ることができたのである。(ジョーンが証拠隠しをしない伏線が不自然であると評者は感じてしまったのだが・・・) 読者が若い年代だったらケインの隠し技(証拠)の恐ろしさを理解できないだろうと思うのだが、この物語の主人公ジョーンを悪女としてとらえるなら、悪女としてそれなりの報いを受けることになるだろうとの恐ろしい余韻を残しながらこの物語を終えている。 ケインの隠し技の妙に浸りながらケイン最後の作品を読み終え、我が家の押入れの奥にあるケインの出世作『郵便配達夫はいつも二度ベルを鳴らす』を、何十年ぶりに再読してみようかな、と思いながら本書を読み終えた。 | ||||
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