二都物語
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現在諸般の事情で、一時的に実家で在宅勤務をしているが、父が本書を絶賛していて、ほとんど強制されるようにして本書を読んだ。文体は、癖のない叙事的なもので、作者の精神性もフラットであるように感じたが、最初の300ページぐらいを読んで、思ったより面白くないので、途中で投げ出そうかと思った。しかし、父が「最後の100ページが見事だから読め」と言うので、根気強く読み進めた。380ページぐらいから、大分物語に動きが出てきて、世界史に興味のある人であれば、大分入れ込めるような描写が始まったが、まだ満足するには至らなかった。そして消化不良な気分でラスト100ページぐらいに差し掛かると、父が「構成が見事」と称賛しているだけのことはあり、伏線と言えばいいのか、それ以前に書かれていた枝葉がどんどん回収されていって、自分としては意外な方向に物語が転がっていき、そして、結末に至った、という感じ。正直、本書の結末は自分が望んだものではなかったが、著者の熱い意気を感じることができたし、結構印象に残るラストだったので、星4とした。ただ、本書はかなり長くて、後半になるまで特に山場もないので、結構途中で飽きてしまう人もいるかも知れない。自分としては、まあ、読んで悪くなかったかな、という感想。古典小説が好きな人にはおすすめ。 | ||||
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フランス革命の狂気とそれぞれの運命の流れをみごとに描いています。 | ||||
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新品だと思って購入しましたが、写真の右下のようにはげていたり、本に汚れがあります。同封されているものにピンクの文字やプリントはなかったので、郵送の袋に入れる前についたものかと思われます。また、2枚目の写真のように、本のカットにばらつきがあります。楽しみにして開封したのにも関わらず、残念でした。 | ||||
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物語は英国のロンドンとフランスのパリの二つの都市にまたがる究極の愛の物語。 「究極の愛」とは。 ネタバレになると本編最後の山場の興味は半減するので、ご存じない方は知らないまま読んだほうが面白いだろう。 チャールズ・ディッケンズの小生は若いときに「デイヴィッド・カパーフィールド」を途中まで読んだことがある。というのは受験勉強の傍ら、図書館でみつけて読み始めたら面白くてやめられない。大長編で受験勉強に差し支えるので、途中でやめざるを得なかった。 それ以来のディッケンズの小説だが、やはりストーリーテラーとして卓越しており、その話の展開に、途中からページを捲るのももどかしくなる。 本編の読み方としては、小説のあちこちに出てくる端役のような人物が、最後に重要な役割を負っていることがわかるので、人名はよく覚えながら読んだほうがよい。 無実の罪で長くバスチーユ監獄にとらえられていた医師の娘と、フランスの亡命貴族との間の恋のものがたりだが、最後にフランス革命に巻き込まれ運命は暗転する。このフランス革命の「自由・平等・友愛、しからざれば死を!」という標語は現在のフランス国旗の三色としてあらわされているが、この革命のもの凄さ、残酷さ、旧支配階級に対する容赦ない死刑判決、ギロチン(首切り機械)の活躍など、余すところなく描写されている。ディケンズが、この小説を書いたのはフランス革命から70年後、まだ余韻が残っていたのかもしれない。 冒頭の書き出しは、やや退屈だが、我慢して読み進めれば大きな果実が得られるだろう。 | ||||
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本作は、世界で5本の指に入る大ベストセラー小説である。その名にふさわしく、壮大なスケールで描かれる。国家の近代化は革命によって成し遂げられた。革命ほど、世界史で大きな変動をもたらすものはない。現代では革命を美化しすぎているが、本作は革命の残酷さを克明に描いている。かつての新聞記者らしく、当時の記事を読んでいるような気分にさせられる。 前半部分は重苦しく、内容も分かりにくい。冗長的な箇所も多く、現代の作家なら一冊にまとめているだろうし、その方が、クオリティがもっと上がった点はおしい。ディケンズは、人物描写や風景描写はけっして巧みではない。主人公が、家族に黙ってフランスに戻る点はわざとらしさがある。ストーリーの自然な流れよりも物語性を重視した結果であろう。本作では数多くのご都合主義がある。物語の自然性や人物の内面を重視する純文学者は、この点を批判するだろう。しかし、小説は個人に向けて書かれるものでもなければ、必ずしもリアリズムを必要としない。 ディケンズは生粋のエンターテイナーであり、これは本作の後半部分に遺憾なく発揮されている。壮大なスケールをテーマにしたプロットの巧みさは大文豪の名にふさわしい。日本の夏目漱石や三島由紀夫などの文豪ですら描けない。 革命というテーマを一流のエンターテイメントに仕上げた点が、世界トップのベストセラーになった理由であろう。そうはいっても惜しい点がある。それはフランス革命を裏で操ったブルジョワジー、資本家を批判しなかった点である。ディケンズは知らなかったのか?そうではない。なぜなら、小説に、フランス市民はどこからともなく武器(銃火器)が手に渡ったというくだりがあるからだ。資金と武器がなければ革命は実現できない。これは明治維新を見ても明らかであり、当時のイギリス人もフランス人もみな分かっていた。 ディケンズは流行作家としての地位を手にしていた。極貧の境遇から手にした成金者であり、後援者もいたであろう。ディケンズは貴族階級とプロレタリアートへの批判を書いてもブルジョワジーについては意図的にまったく書かなかった。この点を星一つ減としたい。これは商業作品の宿命かもしれないが、芸術作品による普遍的恒久的価値を重視する観点から、やはりマイナス評価としたい。 | ||||
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