銃・病原菌・鉄
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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面白い本でした。多方面から絶賛されている、言わずと知れた名著です。あまり説明すべきことも無いかとは思うのですが、まずは解説まで。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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| ページ数は多いが、所々に著者の要約が繰り返し述べられており、読みやすい。 なぜ世界中の経済格差、富の分布に至ったのかが、人種や人の性質に由来するのではなく、栽培家可能な食料、家畜化可能な原産種の分布に依存するという示唆が非常に興味深い。 また中国は環境面では恵まれていたが、政治的に統一されていたため、ヨーロッパと比較して、技術の伝播や発展を妨げていたという考察も納得性が高かった。 今後、アフリカも含めて成熟社会になっていくと、より均質化された世界に近づいていくのか、考察が深めていけそうだと感じる。 | ||||
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| 人間ならざる力から構成する文明の進化史! ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 本書を読んだのはちょうど一年前であるが、もう一度読み返しても面白い発見のある本である。今回、本書を読んでみて自分なりに考えたことを書かせてもらう。 この本は、人間の知の営みとはどのようなものなのかということを甚く考えさせてくれるものであると思う。それは、この本の著者の視点とその内容が語ってくれる。 本書『銃・病原菌・鉄』は世界史の本である。しかし、このイカした名前の著者ジャレド・ダイアモンドは、歴史学が専門ではなく、実は鳥類学者であり、言うなれば理系の人間である。私は、この理系の人間が書く歴史書というものは、著者の専門分野の考え方が色濃く反映されているというところにその本の醍醐味があると感じる。 先ほども言ったと通り、ダイアモンド博士は鳥類学者である。そして現代の生物学は進化学を土台として成り立っており、どんな生物の分野の専門家も進化学と関わっている。進化というものは生物のもつ歴史である。そして生物の進化は、人間の行動とその変化を記述する民族の歴史と違って、非常に主体にとって消極的な理屈で記述される。それは、環境→行動→変化という理屈であり、生物の行動は環境の因果によって支配されているという前提がある。陸生脊椎動物の進化史を例に挙げよう。周知の説として、我々人間を含む陸生の脊椎動物はみなヒレを持った水中を泳いでいた魚の末裔である。それでは、いつその魚が、ヒレを四肢に進化させ陸を闊歩するようになったのか。ある有名な説では、植物の残骸塗れの水圏に棲む魚の種が、それをかき分けるために使いやすい四肢をヒレから進化させ、それが陸上に進出という予期せぬ出来事に役立ったというものだ。当然のことだが、これは、魚が積極的に我が種の歴史を作り上げようと意志を持って行動したというものではなく、自然環境が、生物を予期せぬ方向へ導いたというものである。そして、一方で陸に上がらなかった魚たちは、そのまま水中で独自の進化を遂げていった。これは、別に彼らが陸に上がろうという意志を持たなかったのではないし、彼らが陸に上がった種よりもポテンシャルのないやつらだったわけではない。どのようなきっかけを持つ環境にいなかっただけなのだ。 このように生物の進化史は、その主体である生物の意志だとか努力だとか優劣のようなものでその理屈を記述しない。それは、まるで、生物は凹凸のある板の上を転がるボールのようなもののように視る。どんな場所で転がされたのかによって行きつく末が決まっているのだ。 少々長くなったが、ここで本書について話そう。この『銃・病原菌・鉄』は、まさに進化史の視点で人間の歴史を見通した本である。本書の内容は、なぜ人間の歴史はこのような展開をしたのかについて語ったものである。なぜ発展している民族とそうなっていない民族がいるのか、なぜスペインがインカ帝国を破壊でき、なぜその逆は起こらなかったのか。それについてのダイアモンド博士の見解は、人間の歴史の展開は、自然環境によって左右されているというものなのだ。高度な技術を持つ民族はなぜ生まれたのか。それはその民族が優秀であったということではない。そのような民族はみな横長のユーラシア大陸に棲む人々である。イノベーションは人の数とそれに伴う交流ネットワークの数によって生まれるものだと言われている。大陸が横に長いと同じような自然環境を持つ同緯度の地域での交流経路が長くなるから、様々な物が伝わりやすい。逆に、アフリカや南アメリカ大陸のような縦長の大陸では同緯度地域よりも異なる緯度の地域面積の方が多く、自然環境も千差万別である。高山も砂漠もジャングルもあっては、交流は様々な環境を横断せねばならず容易ではないだろう。鉄の精錬や銃のような複雑な武器の開発は、一つの民族がイチから発想して完成を成し遂げるのはとても難しいものだ、やはり物と言葉の伝達が容易な自然環境に棲む民族でないと無理なのだ。また、高度な技術だけでなく、農業や畜産のような初歩的な文明の営みもその環境みよって発展するかしないかが左右されてしまう。このように、ダイアモンド博士の見解は、この人類の大いなる歴史を、意志だとか努力だとか優劣のようなものでその理屈を記述しない。発展していない民族とそうでない民族がいるのは、陸に上がった魚とそうでない魚がいるのと同じことなのである。人間の歴史の駆動力を人間ではなく、人間ならざる自然環境の力で説明したのである。これは、まさに前述した生物の進化史のような人間の歴史の見方ではなかろうか。この本は、生物の進化史の研究をしてきたダイアモンド博士だからこそ書くことのできる書物なのだと私は強く思った。 人文知というのは、人の営みから汲み取る知である。それは人間なるものによって造られ人間なるものによって汲み取られる。天文知(理科知)といものは、自然の営みから汲み取られる知である。それは人間ならざるものによって造られ、人間なるものによって汲み取られる。本書「銃・病原菌・鉄」は、歴史という人文的知識を、天文知で読み解く作品である。しかし、実は、そのような作品ができたのもダイアモンド博士という歴史を持った一人の人間の営みがあったからこそである。この本は、「人文知を天文知で読み解いた」という人文知を学ぶことのできる本なのである。この本のこういうところに私は甚く面白さを覚えた。本当に面白い学びとは、人文知と天文知を併せ持つハーモニーを感じることなのだと実感したのである。 最後にこのレビュー(真剣に読む人はいないと思うが)だけを読んで、この本を歴史の環境決定論の本だと思われてしまっては、ダイアモンド博士に怒られてしまうので話しておきたい。ダイアモンド博士は決して環境決定論で歴史を全て記述しようとは思っていない。本書の下巻の終盤を読むと分かるが、文化的特異性などの超絶人文知的な要因の重要さも説いており、いかに人類の歴史が複雑なものかを語っている。どちらかに偏るのではなく、やはり人の営みと自然の営みその間に歴史というものがあることを忘れてはならない。 | ||||
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| 厚い本ではあるが、興味を持って読み切ることができた。 個人的にまとめとして納得したのは、「人類の長い歴史が大陸ごとに異なるのは、それぞれの大陸に居住した人びとが生まれつき異なっていたからではなく、それぞれの大陸ごとに環境が異なっていたからである」という訳者のまとめのところ。 また、中国は太古の昔から国が発達する好条件が整っているのに、ヨーロッパに覇権を握られてしまっている疑問が説明してあるところは大変興味深かった。著者は未来に対して意見をしていないが、この世界の先を想像するには十分なアイデアを与えてくれている。 | ||||
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| 現代はなぜ西洋の土台の上に成立しているのか、アメリカ先住民やアフリカ人ではないのはなぜか、1万3000年の歴史を遡り検証。歴史を学ぶことはロマンではなく、今を知り未来を考えるための礎。知らなかったこともいっぱいで斬新でした | ||||
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| おすすめの本に出てきて読んでみたが、読み応えがある本。今の世界は欧米を中心とした世界で人種として白人が優れているという感覚が少なからずあった。ただ、それは勝手な思い込みであるということを説明してくれている。著者によれば、地理的な要因が大きく関係している。上巻では狩猟生活から農耕生活へ移行していくところが説明されている。少し読みにくいが、興味を持って読める本。 | ||||
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