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銃・病原菌・鉄



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銃・病原菌・鉄の評価: 9.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点9.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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(9pt)

銃・病原菌・鉄の感想

面白い本でした。多方面から絶賛されている、言わずと知れた名著です。あまり説明すべきことも無いかとは思うのですが、まずは解説まで。
人類が現在に至るまで、どのように発展を遂げてきたか、現在に至るまでに進歩したかに見える文明と進歩が遅れて見える文明があるが、その差は何なのでしょう。
進歩していないかに見える文明は、人種的な優劣が差をつけたのでしょうか、それともそうではないのでしょうか。
こういった謎を農耕文明への移行期から近現代まで順を追って解説しています。謎を解き明かす過程が特に面白くて、歴史というのはそれ自体がミステリーに満ちていると感心させられた本です。歴史というのは、何々大王が隣国を攻めて滅ぼした、誰それが内政崩壊を引き起こした、何処そこで同盟が成立した、など、勢力の対抗ばかりが強調されがちですが、本書では歴史とはそればかりではないと教えてくれました。

本書に最適な読者は、理系の本は好きだけれども今まであまり歴史に関心が無く、歴史とは事実と年表の暗記にすぎないと思い込んでいたような者でしょう。absintheもそういった一人でした。実は考古学や歴史学は理系のセンスが重要な総合科学なんだと気づかされるその瞬間に、本書の醍醐味があります。まるで、かつて星を継ぐもので感動したような・・・・
・ユーラシア大陸に自生していた特別な稲の話題
・家畜化に適した動物とそうでない動物の違い
・ユーラシア大陸人がすでに克服していた病原体
・大陸の形状
こういった一見無関係な材料が次第により合わさって文明に大きな影響を与えていく過程が丁寧に解説されます。以下のような批判はあるようですが、批判を知ったうえでも面白かったです。他の歴史本を読みなおしてみるきっかけにもなりました。

--注意--
本書には問題も少なくないようです。多くの称賛を浴びながらまた多くの批判にもさらされています。特に歴史を専門とする学者からは冷笑されており、absintheとしては批判を読むたびに複雑な気持ちになります。歴史学者の書物を読むと「鳥類学者ダイアモンド氏は・・・」「生物学者ダイアモンド氏は・・・」と歴史学者で無いことをいつも強調されてしまいます。批判の多くを反芻すると、以下のように読めます。
・まだ判断が到底下せないような問題を断定して解説している
・対象を単純化しすぎている
歴史を専門としない学者が解りやすい歴史をまとめてしまって、専門家としてはやっかみもあるのだろうと思ったのですが、そう単純でも無いようです。
残念ながらabsintheには、歴史に対する素養がなさ過ぎて本書に対する批判のどれとどれが妥当なのかもよくわからないので、単純に推薦して良いものかとの迷いもありますが。

--さらに--
absinthe は新書だけ読了し、まだ文庫版は読んではいないのですが日本に関する記述が増補されているようです。その部分がさらに問題を助長しているという批判がありました。

absinthe
BZLMTCHK

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