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カクテル・ウェイトレス



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【この小説が収録されている参考書籍】
カクテル・ウェイトレス (新潮文庫)

カクテル・ウェイトレスの評価: 8.00/10点 レビュー 2件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

こんな面白い作品が残されていた!

1975年、ジェームズ・M・ケインが亡くなる2年前、83歳のときに書いたもので、完成作ではなく草稿として残されていたものを、ケインを敬愛する編集者が丁寧な編集作業の末に2012年に発表した、ケインの遺作である。
21歳になったばかりで未亡人のなったジョーンは一人息子のタッドを養うために、セクシーな衣装でチップを稼ぐカクテルバーに勤めることになる。そこで彼女は、富豪の老人ホワイト三世に見初められ金銭的な援助を受け、最後には結婚することになる。また一方、若くてハンサムだが貧しい青年トムに出会い、心を引かれる。母として息子の生活を第一に考えるジョーンだったが、トムへの思いを断ち切ることが出来なかった。
DVでジョーンを苦しめていた最初の夫は、泥酔して夫婦喧嘩の末に車で自損事故を起こして死亡したのだが、警察はジョーンの事件への関与を疑っていた。さらに、狭心症の持病を持っていたホワイト三世が自宅で死亡したことも、ジョーンの犯行ではないかと捜査をはじめた。そして最後にトムが殺害されているのが発見されたことで、ついにジョーンは逮捕されてしまう。果たして、ジョーンは冷静な顔で殺人を繰り返す希代の悪女なのか?
物語は最初から最後まで、ジョーンの独白で貫かれている。このため、読者は真相に手が届きそうで届かない焦燥感にかられてページを捲る手を止められなくなる。さらに、「ジョーンは正直に語っているのか? 正直に語ったとしても、すべてを語っているのか?」という疑問が最後までサスペンスを高めてくれる。
「郵便配達は二度ベルを鳴らす」に勝るとも劣らない、文句なしの傑作ミステリーである。

iisan
927253Y1

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