雪の墓標



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    初公開日(参考)2015年10月
    分類

    長編小説

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    雪の墓標 (論創海外ミステリ 155)

    2015年10月01日 雪の墓標 (論創海外ミステリ 155)

    ※あらすじは登録されていません



    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

    雪の墓標の総合評価:7.40/10点レビュー 5件。Cランク


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    サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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    全1件 1~1 1/1ページ
    No.1:
    (7pt)

    愚かで悲しい愛ばかり・・

    心理ミステリーの巨匠マーガレット・ミラーが1952年に発表した長編第10作。とはいえ、ミステリーやサスペンスというよりロマンティックな要素が勝った作品である。
    泥酔したあげく嫉妬から愛人を刺殺したとして逮捕された娘ヴァージニアを救うために、ミセス・ハミルトンはデトロイト近郊の町にやってきた。ヴァージニアの夫に依頼された弁護士ミーチャムが、ヴァージニアの釈放を求めて活動していたがなかなか容疑が晴れず、ヴァージニアは拘置されたままだった。そんなとき、ロフタスという青年がミーチャムに近づき、「自分がやった」と告げた。さらに、ロフタスは告白書を持って警察に出頭し、ヴァージニアは釈放されることになった。これで一件落着と見えたが、ロフタスと被害者の関係がよく分からず、ミーチャムは納得できないでいた。
    ヴァージニアは事件当時の記憶がなく、不利な状況証拠ばかり。一方のロフタスは犯行を認めているものの犯行動機に説得力がない。果たして、どちらが犯人なのか? あるいは第三者の真犯人がいるのか? ミーチャムを主人公にフーダニット、ワイダニットの物語が展開され、最後は意外な結末を迎えることになる。
    本作の魅力は、捜査プロセスのサスペンスやスリルではなく、優しくて愚かな登場人物たちの悲喜こもごものドラマにある。1950年代のメロドラマを見ているような、やるせなさ、切なさが強い印象を残す。まさに「心理ミステリー」である。

    iisan
    927253Y1
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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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    No.4:
    (1pt)

    代金が高すぎる。書店で注文すれば、3分の1の値段で買える。

    内容は面白いが、代金が高すぎる。書店で注文すれば、3分の1で買えるでしょう。
    雪の墓標 (論創海外ミステリ 155)Amazon書評・レビュー:雪の墓標 (論創海外ミステリ 155)より
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    No.3:
    (5pt)

    〝損なわれた〟人々の物語

    舞台は1950年代初頭のアメリカの架空の町。ひとりの男が殺され、状況から愛人と目された女性が逮捕。しかし、やがて別の若い男性が自首します。男性は犯人しか知りえない情報を知っており、これで事件は解決となるはずが。。。。

    本作の主人公は弁護士のエリック・ミーチャムですが、彼が積極的に謎を解明するわけではありません。彼は一種の狂言回しの役どころとして
    町の人々とかかわり、彼らの人となりを知ることになり、その過程で「真相」を知ります。

    本作にはサイコパスも殺人鬼も登場しません。本作で描かれるのは、普通に生きようとしながら、なにかが壊れ、なにかが損なわれてしまった
    人々の姿です。彼らをめぐるストーリーは決して明るくありませんがグイグイと読ませます。最後、ほのかな希望を描いて終わります。
    雪の墓標 (論創海外ミステリ 155)Amazon書評・レビュー:雪の墓標 (論創海外ミステリ 155)より
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    No.2:
    (5pt)

    ミラー流「賢者の贈り物」?

    マーガレット・ミラーというと、人生に行き詰った駄目な人々に対して、これ見よがしに説教するでもなく穏やかに包み込むでもなく、ひたすら冷徹に観察し、卓越した描写力でありのままを文章にする作家、という認識を持っていた。

    この作品でも(我々の身近にいそうな、或いは我々自身がそうであるような)駄目人間見本市といった感じの人物描写は変わらない。しかし過去の邦訳作品より少しだけ、ほんの少しだけ著者が登場人物に優しく寄り添っているように感じた。多くの登場人物は自己中心的で、人間関係はギスギスしていて、決して幸せな生活を送っているとは言えない。しかしその中にほのかに他人を思いやる気持ちが見え隠れする。たとえそれが突破口に繋がらず悲しい結末に終わったとしても、ペシミスティックにはならず、一抹の希望を見出そうとする。この表紙の装丁を初めて見た時、「おっ、なんだかほっこりしたイラストに釣られて購入した人を崖から突き落とすやつかな?」とか考えてたことを反省したい。この季節にふさわしく、読むと心温まる……というよりむしろ自ら温かくなりたいと願うようになる、そんな一冊だった。
    雪の墓標 (論創海外ミステリ 155)Amazon書評・レビュー:雪の墓標 (論創海外ミステリ 155)より
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    No.1:
    (4pt)

    静謐なサスペンス

    タイトルの“雪”を目にして、ミラー作品のなかでも最も好きな『鉄の門』を想起しつつ即決購入。いきなり白雪に鮮血をぶちまけたような、恐ろしくも美しい悪夢の情景から始まる『鉄の門』の鮮烈さや、ニューロティック・スリラーの神経を逆撫でするような不気味さといったものはなかったが、読んで損のない佳品であった。

    記憶が判然としないほどの泥酔状態のまま、不倫相手の男を殺害した容疑で逮捕された女の弁護士のもとに、やがて自分こそが真犯人だと名乗る男が現れる…。いかにも靄がかかったような不確定要素に満ちた事件の発端から、クセのありそうな人物たちが配置され、その人物描写に巧みさに、冒頭ほんの数ページでグイと気持ちをつかまれる。性急にストーリーを追ってゆくよりも、繊細な心理描写や、優れたレトリックなどを、ゆっくり咀嚼するほど面白味がます作品だと思う。

    むろん語りの技量だけが見どころではない。金満で独善的な母…、貧窮したアル中の母親…、法を犯しても情愛を貫こうとする母性…。そんな誰かにとっての聖母たちのドラマを基調に、読者の足元をすくう仕掛けをほどこした謎解きのプロットが、きっちりと組み上げられてもいる。派手派手しく恐怖を増幅させるサイコパスなどの登場がないぶん、やや地味な作品ではあるが、失った聖夜の幸福を求めてあがく者たちの必死の息づかいが、哀切で静謐な緊張感をかもし出すクリスマス・ミステリとなっている。

    本書より先に、東京創元社から初訳の『悪意の糸』が刊行された。また同じ創元推理文庫から『まるで天使のような』の新訳も出され、結末まで知っている再読においても、やはりその作品の秀逸さに改めて感嘆させられた。ミラー作品の面白さを再認識させられるにつれ、創元さんや早川さんに、絶版になっている他の作品の復刊も、お願いしたいものだと思わずにはいられない。
    雪の墓標 (論創海外ミステリ 155)Amazon書評・レビュー:雪の墓標 (論創海外ミステリ 155)より
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