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雪の墓標
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雪の墓標の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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内容は面白いが、代金が高すぎる。書店で注文すれば、3分の1で買えるでしょう。 | ||||
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舞台は1950年代初頭のアメリカの架空の町。ひとりの男が殺され、状況から愛人と目された女性が逮捕。しかし、やがて別の若い男性が自首します。男性は犯人しか知りえない情報を知っており、これで事件は解決となるはずが。。。。 本作の主人公は弁護士のエリック・ミーチャムですが、彼が積極的に謎を解明するわけではありません。彼は一種の狂言回しの役どころとして 町の人々とかかわり、彼らの人となりを知ることになり、その過程で「真相」を知ります。 本作にはサイコパスも殺人鬼も登場しません。本作で描かれるのは、普通に生きようとしながら、なにかが壊れ、なにかが損なわれてしまった 人々の姿です。彼らをめぐるストーリーは決して明るくありませんがグイグイと読ませます。最後、ほのかな希望を描いて終わります。 | ||||
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マーガレット・ミラーというと、人生に行き詰った駄目な人々に対して、これ見よがしに説教するでもなく穏やかに包み込むでもなく、ひたすら冷徹に観察し、卓越した描写力でありのままを文章にする作家、という認識を持っていた。 この作品でも(我々の身近にいそうな、或いは我々自身がそうであるような)駄目人間見本市といった感じの人物描写は変わらない。しかし過去の邦訳作品より少しだけ、ほんの少しだけ著者が登場人物に優しく寄り添っているように感じた。多くの登場人物は自己中心的で、人間関係はギスギスしていて、決して幸せな生活を送っているとは言えない。しかしその中にほのかに他人を思いやる気持ちが見え隠れする。たとえそれが突破口に繋がらず悲しい結末に終わったとしても、ペシミスティックにはならず、一抹の希望を見出そうとする。この表紙の装丁を初めて見た時、「おっ、なんだかほっこりしたイラストに釣られて購入した人を崖から突き落とすやつかな?」とか考えてたことを反省したい。この季節にふさわしく、読むと心温まる……というよりむしろ自ら温かくなりたいと願うようになる、そんな一冊だった。 | ||||
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タイトルの“雪”を目にして、ミラー作品のなかでも最も好きな『鉄の門』を想起しつつ即決購入。いきなり白雪に鮮血をぶちまけたような、恐ろしくも美しい悪夢の情景から始まる『鉄の門』の鮮烈さや、ニューロティック・スリラーの神経を逆撫でするような不気味さといったものはなかったが、読んで損のない佳品であった。 記憶が判然としないほどの泥酔状態のまま、不倫相手の男を殺害した容疑で逮捕された女の弁護士のもとに、やがて自分こそが真犯人だと名乗る男が現れる…。いかにも靄がかかったような不確定要素に満ちた事件の発端から、クセのありそうな人物たちが配置され、その人物描写に巧みさに、冒頭ほんの数ページでグイと気持ちをつかまれる。性急にストーリーを追ってゆくよりも、繊細な心理描写や、優れたレトリックなどを、ゆっくり咀嚼するほど面白味がます作品だと思う。 むろん語りの技量だけが見どころではない。金満で独善的な母…、貧窮したアル中の母親…、法を犯しても情愛を貫こうとする母性…。そんな誰かにとっての聖母たちのドラマを基調に、読者の足元をすくう仕掛けをほどこした謎解きのプロットが、きっちりと組み上げられてもいる。派手派手しく恐怖を増幅させるサイコパスなどの登場がないぶん、やや地味な作品ではあるが、失った聖夜の幸福を求めてあがく者たちの必死の息づかいが、哀切で静謐な緊張感をかもし出すクリスマス・ミステリとなっている。 本書より先に、東京創元社から初訳の『悪意の糸』が刊行された。また同じ創元推理文庫から『まるで天使のような』の新訳も出され、結末まで知っている再読においても、やはりその作品の秀逸さに改めて感嘆させられた。ミラー作品の面白さを再認識させられるにつれ、創元さんや早川さんに、絶版になっている他の作品の復刊も、お願いしたいものだと思わずにはいられない。 | ||||
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