鉄の門
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
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心理サスペンスの名手・ミラーの1945年の作品(本邦初訳は1953年で、今回読んだのは二度目の新訳版)。裕福な医師と再婚した主婦が、ある出来事をきっかけに失踪し、狂気の世界に迷い込んでしまう、心理サスペンスである。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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. カナダのトロントと思しき邸宅に暮らすルシールは、医師アンドルーの後妻だ。16年前に先妻のミルドレッドが惨殺されたあとに結婚して依頼、先妻の子マーティンとポリー、そしてアンドルーの妹のイーディスとともに、使用人をもつ豊かな暮らしをしてきた。 ある日、みすぼらしい男がルシール宛てに小箱を持ってやってくる。小箱を開けた後、ルシールは激しく動揺し、家を出てしまうのだった……。 --------------- カナダ出身のミステリ作家マーガレット・ミラーが1945年に発表した『鉄の門』の、松本恵子訳版『 鉄の門 』(1953年)、青木久恵訳版『 鉄の門 』(1977年)に次ぐ、3度目の邦訳版です。翻訳は大変読みやすいもので、わずか2日で読了しました。 怪異の死を遂げた先妻。そしてその妻の影に怯えて徐々に精神に異常をきたしていく後妻。この構図は、『ジェーン・エア』や『レベッカ』にも似て、同じような禍々しい雰囲気を醸しています。 第二部「狐」は延々と精神科病棟の患者たちが描写されますので、外界との接触を断たれ、登場人物たちの正気を失って異常行動に走る姿が続く様子に、相当強い閉塞感を味わわせられることになります。 ただ、この長編小説は明快な推理によって複雑な謎を解きほぐしていくという類のミステリーではありません。それゆえに、事件解決のカタルシスは得られません。 家族の抱える秘密や闇を暴いていくという展開は、夫でハードボイルド作家のロス・マクドナルドと同じです。家族といえども「人はほかの人間の何から何まで知ってるわけじゃないという」(75頁)事実を悲しいまでに描いた夫婦作家だったのだなという思いを強くしました それにしても気になったのは、精神科病院と薬物過剰接種とがこの小説の鍵ともいえる仕掛けである点です。作者マーガレット・ミラーと夫ロス・マクドナルドには1950年に生まれたリンダという娘がいました。リンダは若い頃から情緒不安定の気味があり、長じて精神科に入院し、最後は薬物の過剰摂取で命を落としているのです。小説『鉄の門』は1945年の話なので1970年に亡くなった娘の人生が影を落としたとは言えませんが、その一方で作者ミラーにとっては奇しくも予言の書となってしまったようで、とても痛ましく感じられます。 --------------- *73頁:助詞の誤り ✘「テーブルの上にコートを帽子を放り投げると」 ◯「テーブルの上にコートと帽子を放り投げると」 *170頁:衍字 ✘「心の内をすべてを打ち明ける」 ◯「心の内をすべて打ち明ける」 . | ||||
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後年の名作、例えば『まるで天使のような』などに比べれば、構成の歪さや真相に至るまでの展開の拙速さなど、粗が目立つが、精神病院の冷え冷えとした描写やヒロインを虜にする恐怖心理の醸成はやはり流石。そして明かされる魂を失ったような空虚な犯人像は発表から半世紀以上経った今もなお強いアクチャリティを保っている。 | ||||
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翻訳に違和感あり。 面白いと思ったが 、好みではない。 | ||||
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受け取った荷物の謎からもっとワクワクする物語になるかと期待したが、実に普通であった。 | ||||
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解決部というか真相パートがこれほど心に響いた作品はあまりありません。 論理の鮮やかさにしびれるとか構想の大胆さに驚くというサプライズ感ではなく、戸惑いの波紋が広がる感覚。 さりげなく張られた伏線と真相が綺麗に繋がっているのに対し、真相の奥は屈折と矛盾が満ち考えさせられます。 | ||||
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