鉄の門



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初公開日(参考)1977年10月
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長編小説

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鉄の門 (創元推理文庫)

2020年02月13日 鉄の門 (創元推理文庫)

親友の夫だった医師アンドルー・モローと再婚したルシール。血の繋がらない二人の子供と義妹との同居は、傍目には平穏に見えるものの、16年前に変死を遂げた親友ミルドレットの面影と、彼女に未練を残すアンドルーの態度が、絶えずルシールの心を苦しめていた。そしてある冬の朝、謎めいた男がルシールに小箱を渡して立ち去った。その後彼女は何も言い残さず、姿を消してしまう。心理ミステリの巧手ミラーの初期を代表する傑作、待望の新訳。(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

鉄の門の総合評価:7.67/10点レビュー 15件。Bランク


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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

平凡な主婦が狂ったのは何故か? いや、狂ってはいないのか?

心理サスペンスの名手・ミラーの1945年の作品(本邦初訳は1953年で、今回読んだのは二度目の新訳版)。裕福な医師と再婚した主婦が、ある出来事をきっかけに失踪し、狂気の世界に迷い込んでしまう、心理サスペンスである。
16年前に殺害された親友・ミルドレッドの夫であるアンドルーと再婚したルシールは、豊かで平穏そうに見えるのだが実は仕事にとらわれた夫、兄を溺愛する義妹・イーディス、少しも懐かない二人の子供に囲まれ、悩みの多い日々を過ごしていた。そんなある日、うさん臭い男が届けてきた小箱を受け取ったルシールは箱を開けるや悲鳴を上げて、何も言わずに姿を消し、次にルシールが見つかったのは精神科病院でだった。ルシールを狂わせたのは、何だったのか? さらに、ルシールの周辺で続いた不審な事故死は、何が原因なのか?
最終的には警察が事件を解明して行くのだが、物語の本筋は捜査ステップよりルシールの狂気の解明におかれており、捜査小説というより異常心理ミステリーの色が濃い。ただ、近年のサイコ・サスペンスのような異様なパーソナリティの主人公ではなく、普通の性格の人物が錯乱して行くような怖さであり、それゆえに、読後に薄気味悪さを覚えるところがサスペンスと言える。
心理サスペンスのファンなら読んで損はないとオススメする。

iisan
927253Y1
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.14:
(3pt)

(2024-20冊目)「人はほかの人間の何から何まで知ってるわけじゃない」(75頁)

.
 カナダのトロントと思しき邸宅に暮らすルシールは、医師アンドルーの後妻だ。16年前に先妻のミルドレッドが惨殺されたあとに結婚して依頼、先妻の子マーティンとポリー、そしてアンドルーの妹のイーディスとともに、使用人をもつ豊かな暮らしをしてきた。
 ある日、みすぼらしい男がルシール宛てに小箱を持ってやってくる。小箱を開けた後、ルシールは激しく動揺し、家を出てしまうのだった……。
---------------
 カナダ出身のミステリ作家マーガレット・ミラーが1945年に発表した『鉄の門』の、松本恵子訳版『 鉄の門 』(1953年)、青木久恵訳版『 鉄の門 』(1977年)に次ぐ、3度目の邦訳版です。翻訳は大変読みやすいもので、わずか2日で読了しました。

 怪異の死を遂げた先妻。そしてその妻の影に怯えて徐々に精神に異常をきたしていく後妻。この構図は、『ジェーン・エア』や『レベッカ』にも似て、同じような禍々しい雰囲気を醸しています。
 第二部「狐」は延々と精神科病棟の患者たちが描写されますので、外界との接触を断たれ、登場人物たちの正気を失って異常行動に走る姿が続く様子に、相当強い閉塞感を味わわせられることになります。

 ただ、この長編小説は明快な推理によって複雑な謎を解きほぐしていくという類のミステリーではありません。それゆえに、事件解決のカタルシスは得られません。
 家族の抱える秘密や闇を暴いていくという展開は、夫でハードボイルド作家のロス・マクドナルドと同じです。家族といえども「人はほかの人間の何から何まで知ってるわけじゃないという」(75頁)事実を悲しいまでに描いた夫婦作家だったのだなという思いを強くしました

 それにしても気になったのは、精神科病院と薬物過剰接種とがこの小説の鍵ともいえる仕掛けである点です。作者マーガレット・ミラーと夫ロス・マクドナルドには1950年に生まれたリンダという娘がいました。リンダは若い頃から情緒不安定の気味があり、長じて精神科に入院し、最後は薬物の過剰摂取で命を落としているのです。小説『鉄の門』は1945年の話なので1970年に亡くなった娘の人生が影を落としたとは言えませんが、その一方で作者ミラーにとっては奇しくも予言の書となってしまったようで、とても痛ましく感じられます。

---------------
*73頁:助詞の誤り
✘「テーブルの上にコートを帽子を放り投げると」
◯「テーブルの上にコートと帽子を放り投げると」

*170頁:衍字
✘「心の内をすべてを打ち明ける」
◯「心の内をすべて打ち明ける」

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鉄の門 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:鉄の門 (創元推理文庫)より
4488247105
No.13:
(4pt)

空虚な犯人像に慄然とする

後年の名作、例えば『まるで天使のような』などに比べれば、構成の歪さや真相に至るまでの展開の拙速さなど、粗が目立つが、精神病院の冷え冷えとした描写やヒロインを虜にする恐怖心理の醸成はやはり流石。そして明かされる魂を失ったような空虚な犯人像は発表から半世紀以上経った今もなお強いアクチャリティを保っている。
鉄の門 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:鉄の門 (創元推理文庫)より
4488247105
No.12:
(3pt)

簡単には読める

翻訳に違和感あり。
面白いと思ったが 、好みではない。
鉄の門 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:鉄の門 (創元推理文庫)より
4488247105
No.11:
(3pt)

普通

受け取った荷物の謎からもっとワクワクする物語になるかと期待したが、実に普通であった。
鉄の門 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:鉄の門 (創元推理文庫)より
4488247105
No.10:
(5pt)

珍しい読後感(ぼんやりとネタばれあり)

解決部というか真相パートがこれほど心に響いた作品はあまりありません。
論理の鮮やかさにしびれるとか構想の大胆さに驚くというサプライズ感ではなく、戸惑いの波紋が広がる感覚。
さりげなく張られた伏線と真相が綺麗に繋がっているのに対し、真相の奥は屈折と矛盾が満ち考えさせられます。
鉄の門 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:鉄の門 (創元推理文庫)より
4488247105



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