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鉄の門



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鉄の門の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

平凡な主婦が狂ったのは何故か? いや、狂ってはいないのか?

心理サスペンスの名手・ミラーの1945年の作品(本邦初訳は1953年で、今回読んだのは二度目の新訳版)。裕福な医師と再婚した主婦が、ある出来事をきっかけに失踪し、狂気の世界に迷い込んでしまう、心理サスペンスである。
16年前に殺害された親友・ミルドレッドの夫であるアンドルーと再婚したルシールは、豊かで平穏そうに見えるのだが実は仕事にとらわれた夫、兄を溺愛する義妹・イーディス、少しも懐かない二人の子供に囲まれ、悩みの多い日々を過ごしていた。そんなある日、うさん臭い男が届けてきた小箱を受け取ったルシールは箱を開けるや悲鳴を上げて、何も言わずに姿を消し、次にルシールが見つかったのは精神科病院でだった。ルシールを狂わせたのは、何だったのか? さらに、ルシールの周辺で続いた不審な事故死は、何が原因なのか?
最終的には警察が事件を解明して行くのだが、物語の本筋は捜査ステップよりルシールの狂気の解明におかれており、捜査小説というより異常心理ミステリーの色が濃い。ただ、近年のサイコ・サスペンスのような異様なパーソナリティの主人公ではなく、普通の性格の人物が錯乱して行くような怖さであり、それゆえに、読後に薄気味悪さを覚えるところがサスペンスと言える。
心理サスペンスのファンなら読んで損はないとオススメする。

iisan
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