テロリストのパラソル



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初公開日(参考)1995年08月
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長編小説

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テロリストのパラソル (講談社文庫)

1998年07月15日 テロリストのパラソル (講談社文庫)

アル中バーテンダーの島村は、過去を隠し二十年以上もひっそり暮らしてきたが、新宿中央公園の爆弾テロに遭遇してから生活が急転する。ヤクザの浅井、爆発で死んだ昔の恋人の娘・塔子らが次々と店を訪れた。知らぬ間に巻き込まれ犯人を捜すことになった男が見た真実とは…。史上初の第41回江戸川乱歩賞・第114回直木賞受賞作。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.50pt

テロリストのパラソルの総合評価:7.81/10点レビュー 188件。Bランク


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全12件 1~12 1/1ページ
No.12:
(8pt)

テロリストのパラソルの感想

有名な故に積読していた一冊。何となく内容を知ってしまっていた為読んでいなかったのですが、これはちゃんと読んで正解の一冊でした。

冒頭からの爆発事件がいきなりクライマックスかの如く盛り上がり、そこからどんどん謎や怪しい人物達が登場して先が気になる読書でした。キャラクターが本当によくて、主人公はもちろん周辺に出てくる人物達も人としてどんな姿かリアルに存在する感覚がとてもよい。
ミステリーとしての構造も世界の広げ方が想定外の所へ行くのも素晴らしいし、ちゃんと収束させる物語なのが見事。30年ぐらい前の作品ですが今読んでも楽しめます。

扱う内容がちょっと重めのハードボイルドなので好みが分かれそうな作品ではありますが優れた作品である事は確か。江戸川乱歩賞の作品群の中でも飛びぬけているなと感じます。とても面白かったです。

egut
T4OQ1KM0
No.11:5人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

過去が追いつかれてしまった人々

2007年に亡くなった藤原伊織氏の江戸川乱歩賞受賞作にして直木賞受賞作。こんな説明が要らないほど有名な作品だが、確かにこれはとてつもないデビュー作だ。

まず冒頭の導入部。久々に晴れた日、公園まで散歩する主人公と休日を楽しむ人々の風景。そして突然の爆発。
静から動への反転が素晴らしく、一気に読者を物語世界に引きずりこむ。

主人公はアル中のバーテン島村圭介。それは偽名で元の名を菊池俊彦という。彼は過去園堂優子、桑野誠の3人で活動していたノンセクトの全共闘時代の闘士の1人だった。
彼が現在のように名を変え、人の目から隠れるようなその日暮らし、その場しのぎの生活を送るようになったのはこの全共闘時代に起こした犯罪が基ではなく、その後それぞれの道を歩き出した3人が人並みの生活を送れるようになったその瞬間に訪れたある爆発事故だった。その時の被害者にも警察官がいたという運命の皮肉。

そんな彼を取り巻く人物も血肉を持っている。島村のかつての友人桑野に優子は無論の事、新興の組を束ねるエリートヤクザ浅井に、優子の娘、松下塔子。
彼らに共通するのは栄光を掴みかけた喪失感だろうか。何かに失敗し、また這い上がろうとし、努力を重ね、そして再び成功に似た何かを掴みかけたその瞬間、運命が眼の前でそれを攫っていく。ただ彼らはそれをあるがままに受け入れる。何かのせいにせず、とにかく生き延びる事にだけ執着して。

主人公の島村の場合はそれはボクサーとしての栄光であった。
エリートヤクザの浅井にとって、それはノンキャリアながらも異例のスピードで出世していく警察官だった時だった。
園堂優子にとって、それは彼女が3ヶ月間、島村こと菊池と暮した短い日々だった。
桑野にとって菊池と優子の3人とともに戦った日々であった。

それらを語る文章になんの衒いも飾りもない。ただ少しばかりの感傷を織り交ぜ、物事が、時間が語られる。その行間に隠されているのは彼らが辿った人生の重み、深みだ。
素晴らしい。時間を忘れる読書を久々に体験した。

逃亡生活を送っていた島村を事件と向き合わせたのは偶然がもたらしたかつての友たちの死。彼らへの弔辞の代わりに誰が彼らを殺したのかを探る。

知らなければいい事は確かにある。笑顔で笑いあった日々、その眩しい思い出に隠された本当の心などはそれぞれの胸の内に仕舞い込んでおけばいい。答えを知る事で失う事があることだってあるのだ。
しかし、失う事ばかりではなく、確かに私こと菊池が得た物もあった。それはかつて一緒に暮した女性の娘の恋心だ。それだけが救いか。

10月の長く続いた雨が止んだ土曜日、新宿中央公園で起きた爆破事件。それは物語の始まりであったが同時に彼ら3人の終焉の瞬間であったのだ。
その運命の瞬間に居合わせた人々が形成する曼荼羅はいささか偶然に過ぎる感じもするとも云えるが、まあそれは措いておこう。

本書の題名にあるパラソルという単語は最後の最後にようやく登場する。ある登場人物がこの言葉に込めた意味とは、以前とは変わり果ててしまったある人物の中に最後に見出した少しばかりの優しさだったのかもしれない。


▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.10:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

カッコいいおじさまたちの話

最初ただのアル中と思っていた主人公のおじさまが、最後はすごくカッコよく思いました。新宿中央公園で起きた爆発事件の犯人の疑いをかけられた主人公がその事件の真相を追うというありがちなストーリー。ですご、最後には意外な結末が。主人公の味方のヤクザもすごくカッコええです。ただいろんな登場人物がいるわりには主人公とヤクザの相棒くらいしか存在感がないきらいが。それでも読んだ後の余韻がなんとなく心地いい話でした。

タッキー
KURC2DIQ
No.9:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

テロリストのパラソルの感想

最後までハードボイルド的台詞で
読んでしまったが、それだけである。
子供のころ訳も分からず東大紛争をTVで見てたことや
大学に入った時まだM組織があることに驚いた。
そんなことを思い出させてくれただけの本。
でてくる人はインテリのいい人ばかり
内容は偶然ばかり、話としてはつまらない

jethro tull
1MWR4UH4
No.8:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

テロリストのパラソルの感想

 普段はほとんど読まないハードボイルドもの。知ってたら手に取っていたかは微妙、食わず嫌いは良くないですね。
受賞云々は特に気にしません、個人レベルの好みがありますしね。むしろひねた見方をしちゃうので

 主人公は過去に澱みを持った中年アル中バーテン。落魄したというよりかは顕達する気のない、最低限の住まい、最低限の収入、最低限の人付き合いの元で暮らしている。この人生を諦めているような厭世観、時代に取り残されるのでなく追いつく気もない根性、超大好物です。それ以外の人物もなかなか魅力的、ホームレスから警察までどこか渋い心持を感じさせます。ごく一部の人を除いて感情を昂らせたり、声を荒げたりしないんですよね、成程これがハードボイルドか(違ったらごめんなさい)

 ミステリとしての犯人当てや動機当てはないに等しいかもしれないです。社会派そしてテロリズム的犯行と言うことで自分のミステリ像の中ではやや外れますが、単純に一小説として面白いです。★は7つです!!!

▼以下、ネタバレ感想

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りーり
9EDFH0HC
No.7:
(7pt)

期待し過ぎました

史上初の江戸川乱歩・直木賞受賞作ということで期待し過ぎました。構成が立体的でそれなりに面白かったのですが、このテーマではページ数が足りませんでした。江戸川乱歩賞の枚数制限が足枷になってしまいましたね。

わたろう
0BCEGGR4
No.6:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

テロリストのパラソルの感想

第41回乱歩賞と第114回直木賞をW受賞し、文春ミステリー1位、このミス6位と言う掛け値無しの傑作。十数年振りの再読だが初読の記憶は全く無し。ハードボイルドの王道を征く主人公のキャラには痺れたが、浅井が更に格好良い。いずれにしてもこの手の作品は文体とキャラで読ませる物なので、ミステリーとしての完成度は二の次。主人公、相棒、ヒロインまでは気に入ったが、敵役が少々私好みでは無かったかな。作中では全共闘世代は40才過ぎだが、今では自分の歳が追い越してしまった。作品は面白いのだが、それが読んでる間切なくて参った。

なおひろ
R1UV05YV
No.5:
(6pt)

テロリストのパラソルの感想

物語前半の面白さが尋常でなかっただけに後半ダレて平凡になってしまった。最後のトリック作りに時間を労した感がある。個人的に全共闘の物語をもう少し詳しく引っ張ってほしかった。

supoo0331
76NSOQ3P
No.4:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

テロリストのパラソルの感想

作者の藤原伊織さんは、1948年生まれで東京大学出身という事ですから、68年の東大紛争、翌69年の 東大安田講堂事件をリアルに体験してきた人物と考えていいのかな。
団塊の世代、全共闘世代、しかもその渦中にいた作者に言わせれば「これが男の生き様」というところだろうか。
正直、素直に受け入れがたいものがあります。

まず突飛な人物設定には苦笑いせずにはおれないです。
東大全共闘、東大中退の元ボクサー(しかもかなり有望)、そして現在はアル中のバーテン、そして二回りも違う上智大学出身の現役女子大生に惚れられるという・・・
当時はこういうタイプが格好いい男の象徴だったのでしょうか。
異端分子として、評価されず排除された自分達の価値観を肯定・美化せんとするコンプレックス裏返し的妄想が作り上げた人物像という印象です。
今は、アル中だったり人情味のあるヤクザだったりを格好いいと思える時代ではないですから、そのギャップには時代を感じずにおれませんし、滑稽だったりしますね。

異端児や落ちこぼれの大活躍というシチュエーションは嫌いではありません。
私から見ると、主人公は全共闘の成れの果ての落ちこぼれ、人生落伍者です。
しかし作者は、(恐らく)格好いいヒーローとして描いています。 少なくとも私にはそう読み取れました。
共感出来ませんでしたね。

そこさえなければ、さすが乱歩賞と直木賞をW受賞した作品という事になったと思うのですが・・・

梁山泊
MTNH2G0O
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

同時受賞は伊達じゃない!

最後のドンデン返しのドンデン返しが、これまで読んだ作品の中でも最も意外で且つ納得できるものでした。私の中ではミステリー(ハードボイルド系)ベスト3に入る作品です!

せいじ
JBTI36XX
No.2:
(4pt)

あまり、

話題になっていたので、読みましたが期待はずれでした。
どちらかと言うとあまり・・・。

ヒロビック
U1LXU8BX
No.1:
(4pt)

テロリストのパラソルの感想

個人的にハードボイルドが苦手で、肌に合いませんでした。
ただ、キャラクターや、台詞の言い回しは魅力的です。
乱歩賞、直木賞でハードルを上げ過ぎてしまい、満足できませんでした。

判子
9NSL6FZ2
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