日本最大の貯水量を誇るダムが、武装グループに占拠された。職員、ふもとの住民を人質に、要求は50億円。

1935年、千代延子爵家の次男・義正は、左翼運動に挫折し、父の宗平とともにパリへ渡った。

時は18世紀末、老中・松平定信のころ。蝦夷地では、和人の横暴に対する先住民の憤怒の炎が燃えあがろうとしていた。

匣の中には綺麗な娘がぴったり入ってゐた。箱を祀る奇妙な霊能者。

400日ぶりに東京に帰ってきた私立探偵沢崎を待っていたのは、浮浪者の男だった。

アル中バーテンダーの島村は、過去を隠し二十年以上もひっそり暮らしてきたが、新宿中央公園の爆弾テロに遭遇してから生活が急転する。

昭和40年代の初め。わたし一ノ瀬真理子は17歳、千葉の海近くの女子高二年。

日本最西端に位置する与那国島の沖合に建設中の“オーシャンテクノポリス”。

夫を四度殺した女、朱美。極度の強迫観念に脅える元精神科医、降旗。

事故で亡くなった愛妻の肝細胞を密かに培養する生化学者・利明。

覚醒剤に替わり、日本全土を脅かす新型麻薬アフター・バーナー。

平凡な郊外の町に、災いは舞い降りた。熱に浮かされ、痙攣を起こしながら倒れる住民が続出、日本脳炎と診断された。

幼い息子を海で亡くした監察医の安藤は、謎の死を遂げた友人・高山の解剖を担当し、冠動脈から正体不明の肉腫を発見した。

靴の形をした館で雪の夜に起こった密室殺人の謎に迫る「靴の中の死体」。

二階堂黎人作家活動三十周年記念出版。

東洋の富の一大拠点・香港。その返還を前に、永い眠りから覚醒するかのように突如浮上した、返還に関する謎の密約。

はじめに袋とじのまま、短編小説の「消える短編小説」をお読みください。

実在のミステリ作家らを襲う奇妙奇天烈な“うんこ事件”。竹本健治の連載ミステリに混入する眩暈と戦慄の物語。

試合中、視力とともにチャンピオンの栄光は失われた。生きる目的を見失いあてどもなく時を過ごしていたボクサー、桐山拓郎。

昭和十六年、シンガポールに在住する日本人に引き上げ命令が下りた。