魍魎の匣



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魍魎の匣―文庫版 (講談社文庫)

1999年09月08日 魍魎の匣―文庫版 (講談社文庫)

匣の中には綺麗な娘がぴったり入ってゐた。箱を祀る奇妙な霊能者。箱詰めにされた少女達の四肢。そして巨大な箱型の建物―箱を巡る虚妄が美少女転落事件とバラバラ殺人を結ぶ。探偵・榎木津、文士・関口、刑事・木場らがみな事件に関わり京極堂の元へ。果たして憑物は落とせるのか!?日本推理作家協会賞に輝いた超絶ミステリ、妖怪シリーズ第2弾。 (「BOOK」データベースより)




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魍魎の匣の総合評価:8.60/10点レビュー 203件。Sランク


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狂おしいほどに切なく、そして悍ましいのに哀しい。

京極夏彦氏の百鬼夜行シリーズの中でもとりわけ評価が高く、2012年に週刊文春が行った『東西ミステリーベスト100』でのベストミステリー投票においても9位にランキングするなど、2作目にしてシリーズ代表作、いや京極氏の代表作となったのが本書『魍魎の匣』である。

そして読了の今、胸に迫りくるのは何ともすごいものを読んだという思いだ。
狂おしいほどに切なく、そして悍ましいのに哀しい。

1つ1つのエピソードが荒唐無稽でありつつも、決して踏み入ってはならない人の闇の深淵を感じさせ、見てはならないのに思わず見ずにいられないほど、つまり両手で目を塞いでもどうしようもなく指と指との隙間から見たくて仕方がない衝動に駆られる人外の姿に魅せられてしまう強烈な引力を放っている。

そんな話で構成される1000ページを超える本書で起こる事件は4つ。

柚木加菜子殺害未遂事件。

柚木加菜子誘拐未遂事件。

須崎太郎殺害及び柚木加菜子誘拐事件。

連続バラバラ死体遺棄事件。

この事件に加え、取り憑いた魍魎を箱に収めて封じ込める御筥様と云う怪しい新興宗教が関わってくる。

そして忘れてならないのは箱の存在だ。
この小説、実に箱尽くしである。箱、筥、匣の連続だ。

前作が関口巽を主体にした物語であれば今回は木場修太郎の物語であると云えるだろう。
職業軍人であった木場は終戦で敵を喪失したことで、新たな敵を違法者に見出し、刑事になった男だ。押しが強く、屈強な刑事の木場修太郎は幼い頃は絵を描くのが好きな神経質な子供で算盤の得意な几帳面な性格だった。そんな生立ちから正反対の現在の自身を鑑みて強面の鎧で装飾した中身の空っぽな箱のようだと称する。そしてその中身がどうやったら満たされるのかが解らないでいる。木場は自分の空っぽな箱の中身を見られるのが怖いため、女性との付き合いが苦手なままでいる。
しかしそんな彼が思わず自分の箱を開けようとする存在に出遭う。それは木場の憧れの存在、殺人未遂事件に見舞われた柚木加菜子の母でかつて銀幕スターだった元女優美波絹子こと柚木陽子である。彼の箱が柚木陽子で満たされ、彼は事件に本格的に関わるのである。

また幕間に挿入される久保竣公の小説「匣の中の娘」は乱歩の「押絵と旅する男」を彷彿とさせる。
久保竣公は処女作『蒐集者の庭』で幻想文学の新人賞を受賞した期待の新人で、「匣の中の娘」匣に収めた少女と旅する男を羨む主人公の男はぴったり匣に収まった少女を見て、自分も同じような少女を切望する。隙間なく過不足なく匣に収めることに執着する独白が延々と語られる。

そしてバラバラ死体の手足だけが収められているのが箱である。最初は相模湖に沈んでいた鉄の箱だったが、2回目からは桐箱。それがいくつも発見される。

更に御筥様として信者を集め、お祓いをしている寺田兵衛は以前はかなり腕のいい箱職人で<箱屋>と呼ばれていた男で、その突き詰める性格から箱に取り憑かれてしまう。

そして本書での最大の箱は美馬坂近代医学研究所である。この巨大な立方体のような建物もまた箱だった。

久保竣公が母親と流れ着いた九州の築上求菩提山に祀られている鬼神殿のご神体は箱であり、その中には壺が収められている。その壺の中にはその鬼神殿を開いた行者、猛角魔卜仙が退治した鬼が封じ込められており、その箱の名を<神秘の御筥>と呼んでいる。御筥様の由来がこの筥に由来するのは後に判明する。

では箱とは一体何なのだろうか?

ある者は部屋や家屋は箱であるといい、構えがしっかりしていても空では何の役に立たないといい、人もまた同じだと説く。

京極堂は箱には箱としての存在価値があり、中に何が入っているかは重要ではないと説く。

これら様々な意味合いを持った箱は最後に全ての謎が解かれると実に禍々しい存在へと転じる。結末まで読んでしまうと箱を開けたくなくなってくる。

ただ正直最初は実にまだるっこしく感じた。
2人の女子中学生、楠本頼子と柚木加菜子の2人が唐突に湖を観に行こうとしたところにいきなり加菜子が駅のフォームから落ちて列車に轢かれ、そこにたまたま出くわした木場修太郎が事件に関わるまでの顛末が延々80ページに亘って書かれるが、加菜子のすぐ傍に頼子が心神喪失状態で当時の状況をなかなか話さないままなのだ。

そして関口の非常に後ろ向きな自分の短編集出版の顛末に移り、カストリ雑誌編集者の鳥口守彦に最近起こっている連続バラバラ殺人事件の調査に相模湖に行ってそこで山中にある美馬坂近代医学研究所にいる木場と出くわす。

その後は楠本頼子の母親が入信している怪しい新興宗教の御筥様が現れて、本書の主題である魍魎がこの家に取り憑いているとのたまう。

やがて頼子は加菜子をプラットフォームから突き落としたのは黒い服を着た男だと木場に話して再び美馬坂近代医学研究所を訪れ、どうにか面会にこぎつけるがなんと入院していた加菜子は衆人環視の中、忽然と消え去る。
ここまでが230ページ強だ。

そんな長い下拵えを過ぎてようやく京極堂が登場するとそこからはもう無類の面白さを誇る。どんどん先を読みたくなってくるのである。

しかし何とも不思議な小説である。
通常であればこれだけの1,000ページを超える大著ならば長さ、いや冗長さを感じるのだが、それがない。確かに導入部はまどろっこしさを覚えたが、気付けば300ページ、400ページ、500ぺージが過ぎている。つまり既に通常の小説1冊分を読み終えているほどの分量なのだが、それでも物語はまだまだ暗中模索の状態。
では無駄なエピソードがいくつも書かれているのかと云えば、決してそうではない。全てが結末に向けて必要な要素であり、そしてそこに向かう登場人物たちの行動原理や動機が無駄なく描かれているのが判ってくる。

さてこのシリーズでは物語の序盤―とはいえ270ページを過ぎた辺りなので通常の長編であればだいたい中盤に当たるのだが、1000ページ超の本書ではそれでも十分に序盤なのだ―に開陳される京極堂の長々と続く説法が物語のキーとなっているのが特徴だが、本書で開陳されるのは宗教者、霊能者、占い師、超能力者についての話だ。これが実に興味深かった。

これらにどこか似て否なる者たちを京極堂は見事に解説する。

曰く宗教者は自らの信仰の布教を目的としており、そのための奇跡を起こす。信仰の姿勢や教義自体に問題なければ簡単に批判糾弾を加えるわけではない。

霊能者は信仰や布教を目的としておらず、信者を救済するのを目的としている。しかしこの霊能者自身を信仰の対象として布教を図る宗教者もいる。さらにバレない限りどんなペテンも許される。

占い師は営利目的の占術理論に基づいて吉凶を占う者だ。ある程度のペテンは容認できるが、祈祷や供養は畑違いなのでそれを売り物にしている占い師には注意が必要。

そして超能力者は特殊な能力を持った者で全く異質の存在。本書の登場人物の1人榎木津はこれに当たる。従ってペテンは一切許されない。

私が今回目から鱗だったのは過去のことを云い当てるのは情報収集によって可能であるため、本来未来予知ができることに存在価値があるのに過去のことをやたらと云い当てる占い師は信用できないという件だ。そして未来のことは解らなくて当然だから大概外れるのが道理だから別に占い師の云っている未来が当たらなくても苦情は出ないだろうし、逆に当たれば感謝されるだけなのだ、寧ろ外れるものなのだという解釈はなかなかに興味深い。

そして霊能者の祈祷お祓いの類は今後どんなことが起きると明確に云わずに、今お祓いしないと悪いことが起きる、壺を買わないと幸せになれないと云うだけで、もし祈祷や壺を買って、幸せになれなくても信仰心が足らない、供養が足らないと云ってさらに寄進を募る仕組みなのだ、云々。

人によってこれらの解釈には異存があるとは思うが、今までこれら4種類の存在について深く考えたことがなかったのでこのあたりの説明はついつい引き込まれてしまった。

ところで本書には奇妙なリンクが見られる。それは他の新本格作家の世界とのリンクだ。
登場人物の一人、小説家の関口巽が寄稿している出版社の名前を稀譚舎といい、京極堂こと中禅寺秋彦の妹敦子が勤めている会社でもある。

この稀譚舎、一部名前が異なるが綾辻行人氏の館シリーズに登場する出版社の名前なのだ。『迷路館の殺人』の作中作が稀譚社から出版されているのだ。
「舎」と「社」の違いはあるが、これも時代の違いだろう。本書は昭和27年の時代設定であり、一方の館シリーズは現代で『迷路館の殺人』当時は昭和63年なので、この間で社名が変更になった可能性はある。
いずれにせよ京極氏による先達のシリーズ作品へのオマージュだと云えるだろう。

そして忘れてはならないのは本書のモチーフとなっている妖怪、魍魎だ。

我々が日頃使う“魑魅魍魎”と魍魎は異なるらしい。魑魅魍魎とはそれ自体が成語であり、いわゆる妖怪全般を表した言葉だ。ちなみに魑魅は山のモノや山神とされ、魍魎は水のモノや水神と区別できるが、孔子が魍魎は木石の怪と云ったことからそちらの説も罷り通っており、いわば川のモノで水神でさらに木石の怪と様々な説が繰り広げられている。

しかし古代中国では帝の子供であるという神話があり、その姿は三歳児くらいの大きさで眼が赤く、耳が長く、体は赤みがかった黒、頭にはしっとりとした黒髪を湛え、人間の声を真似て人を惑わすとあり、これが現代まで妖怪を伝承する鳥山石燕が『画図百鬼夜行』に描いた魍魎の姿の基となっているようだ。従って本書で表紙になっている紙人形もこの姿を基に造形されている。
そして魍魎は死骸を食らう化け物である。

しかしどうもやはり魍魎とは呼称であり、様々な妖怪をひっくるめて指す総称と考えるのが一番だろう。
私が今回魍魎を示す内容で一番腑に落ちたのは箱詰めにされた久保竣公の姿を好奇心に駆られて見ようとする関口を思い留まらせようとした京極堂の言葉だ。

魍魎とは即ち境界である。

つまり人が人であるための領域と狂人の、人外の領域とを分け隔てる境界、それが魍魎なのだ。
やはりそういう意味では魍魎は妖怪の総称と云っていいのではないだろうか。

また本書では京極堂中禅寺秋彦、関口巽、木場修太郎、榎木津礼二郎、そして中禅寺の妹敦子に加えて新キャラが登場する。

カストリ誌『實錄犯罪』の編集者鳥口守彦はお惚けキャラと見せかけて実は京極堂の話を関口よりも理解し、彼の意を汲んで行動できる男だ。

里村絋市は外科医院の開業医だが解剖が好きなために監察医の仕事をしている風変わりな男だ。

伊佐間一成は京極堂と関口の共通の友人で町田で『いさま屋』という釣り堀を経営している。彼は物語の最後で重要な役割を果たす。

川島新造は木場の戦前からの友人で戦時中は甘粕正彦の腹心の一人として働いた男。小さな独立プロダクション『騎兵隊映画社』で映画製作をしている。
私は最初この男のモデルは実在した映画監督川島雄三だと思ったが、その風貌は雲を突くような大男で兵隊服を着ていて頭をつるつるに剃り上げており、普段はサングラスをかけていると筋萎縮性側索硬化症を患い、早逝した小男だった川島氏とは大きく異なる。どちらかというと攻殻機動隊に登場するバトーを彷彿させる。

また本書のオカルティックな作品世界を彩るのに昭和27年という時代設定がかなり活きている。

カストリ誌がまだ広く読まれ、そして昭和27年5月に起きた荒川バラバラ殺人事件が起き、更に私も学研の書籍で読んだ「千里眼鑑定」が行われていた時代である。そして本書でも箱を持った黒服の黒い手袋をした男が子供たちを攫って行くと云うデマが流れる。

そんな何か見えない物が潜んでいてもおかしくない時代の話であることが妖怪が存在してもおかしくないと人々に思わせるからこそ独特の雰囲気を備えているのだ。

なんと恐ろしき事件でありながらもなんとも素晴らしい構築美を備えた小説であることか。

それを特に感じさせるのがそれぞれの場面に書かれた心理描写が巧みなダブルミーニングであることに気付かされるからだ。物語の順を追って読んでいく時に感じる登場人物の心理と真相を知った後で同じ場面の心理描写を読むと全く意味が異なってくる。
そしてそれが実に的確にその時の本当の登場人物の心情が吐露されていることに気付くのである。

匣尽くしの本書と述べたが、本書の謎という匣が開いた時、我々が知らされるのは究極の愛の形、究極の幸福の姿だった。

我々は常に安心を求めて生きている。
誰しもが何の不自由もなく、トラブルもなく、その日その日を一日一日つつがなく過ごすことを求めて日々生きていく。そしてそれを人は幸せと呼ぶ。

しかし不思議なことにその幸せは永くは続かないことを我々は知っている。
不安や不幸がいつかは訪れることを知りつつもそれが来ないように願いながら、一日でも永くこの幸福が続くように目の前にある問題を解決して、もしくはそこから目を背けて生きている。

しかし不幸が決して訪れない幸せな生き方があることを本書は示してくれた。それは人であることを辞めることだと。

もういっその事、狂ってしまおうかしらと。

通り物が楠本頼子を唆し、火車によって亡骸を奪われ、そして魍魎によって死者は掘り起こされ、匣の中に入れられた。

怪奇と論理の親和性という本来相容れない2つを見事に結び付け、そして我々を途方もない人の道の最北へと連れて行った本書。
妖怪と医学という人外の物と人智の極致が正反対であるがゆえに実は背中合わせほどの近しい狂気の産物であることを見事に証明した神がかった作品である。

島田氏の提唱した本格ミステリの定義の理想形がここにある。確かに本書は今後読まれるべき作品であった。

▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.16:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

魍魎の匣の感想

この著者は初読みです。
サイト内評価が高いので、手にしました。
とんでもなく分厚いですね。読み始めても、なかなかストーリーの全貌が見えて来ない。300ページ程読み進めて、やっとバラバラだった事件に、関連した手掛かりが見えて来る。
そういう面では、とにかく話がしつこいと言うか、くどいです。そして、その執拗な書き込みこそが、本書の醍醐味なんでしょうね。いわゆる、癖になりそうな味付けです。
タイトルや表紙の絵から連想するようなホラー感や恐怖感は一切感じられません。
それどころか、探偵役の京極堂と関口を含めたそのお仲間達との会話は、一種の喜劇のような面白さで、思わず含み笑ってしまうほどです。

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マッチマッチ
L6YVSIUN
No.15:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)


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りーり
9EDFH0HC
No.14:5人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

魍魎の匣の感想

すげぇよ京極!すげぇよ!
箱ってなんだよ!美少女の詰まった箱、研究所のような箱、人々に祀られる箱。箱、箱、箱。匣!
まさに読む隕石。美しい流星に気を取られていたら、その破片に前頭葉を殴られる。
くらくらと眩暈がする中、次の隕石が絶え間なく注ぐ。
隕石から逃れるには、ふらふらと滑稽な馬鹿踊りを踊るしかない。
そうこうしているうちに、読者はどこか他の場所へ連れて行かれる。そこがどこか理解した頃に物語の幕が降りる。
読者は取り残される。帰ってくることはできない。でもそれでもいいと思える。
気がついたら次作に手を伸ばす読者。
最高のバッドトリップ。文学のオーバードーズ。

waiter
1K80784I
No.13:
(6pt)

まあまあでした

発想が面白い。

わたろう
0BCEGGR4
No.12:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

長さを感じさせない展開は圧巻

長かった、『頭以外は不要』ってまるで昔のガンダムのジオングの足についてシャアが言った『あんなの飾りです』って言葉を思い出しました。それはさておき。終盤の京極堂の推理からラストに至る展開は圧巻のストーリー。長かった割には長さをそれほど感じさせないのはストーリーがいいのか、文章が読みやすいのか。流石の一冊でした。

タッキー
KURC2DIQ
No.11:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

魍魎の匣の感想

タイトルから思い浮かぶ物は恐ろしい妖怪やお化けの類いだが、ここで描かれているのは、人間の恐ろしさだ。 自分も何処かで間違った人生の選択をした場合、魍魎に憑かれていたかもしれない。それを思うと背筋がゾッとしてしまった。 これからも、魍魎に憑かれないよう、誤った選択をしないようにしなければならない。

松千代
5ZZMYCZT
No.10:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

魍魎とはまさに人のことか

まず厚さに、これこそ本というより「箱」みたいだよ!と思ってしまいましたが、相変わらず読んでみると読みやすくて面白くて苦にならない。
ゆっくり一日かけて読みました。

怪しげな雰囲気が漂いながら、超常現象を扱うわけではなく、洗練された人間の技術と心理の物語です。
本格ミステリに分類はされますが、謎解きや推理よりもあくまでストーリーに浸って読むべき作品という印象を受けました。

▼以下、ネタバレ感想

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マリオネットK
UIU36MHZ
No.9:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

魍魎の匣の感想


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カミーテル
MCFS6K6O
No.8:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

百鬼夜行シリーズ最高傑作

戦前に医学博士の娘が映画女優になるなんて可能だったのだろうか。今でこそ女優は憧れの的だが、戦前の女優は歌舞伎役者などと同じように、憧れの的である一方で下賤な職業とみなされている職業だったのに。

この世界の医学会で伝説化されていてかつ30過ぎた娘がいる美馬坂博士のことを「美馬坂さん」と読んでいる里村は一体幾つなのだろう?木場からのぞんざいな口の聞かれ方から考えて40手前くらいに思っていたのだが、50がらみとかなんだろうか。


▼以下、ネタバレ感想

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ヘッポコ屋敷嬢
XG82ACXM
No.7:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

魍魎の匣の感想

百鬼夜行シリーズ2作目。前半の幻想怪奇的な謎の提示と、終盤の連続する種明かしは、モヤモヤした幕切れなのに読後感は悪くないという妙な感覚にさせられる。

水生
89I2I7TQ
No.6:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)
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魍魎の匣の感想

京極小説との出会いは実はこちらが最初。1000ページ超という長さを感じさせない推理小説の大傑作!昨年のアニメも原作世界に忠実で良かったですし、志水アキさんの漫画も京極堂の薀蓄が分かりやすくて良かった。

ジャム
RXFFIEA1
No.5:
(9pt)
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匣の中には綺麗な娘がぴったり入ってゐた。

そうだ、私は魍魎だ。匣の中に充満しているのは訳の解からない魍魎なのだ。だから、私の実態は私でなくて匣の方なんだ。私は、魍魎の匣だ。

かいん
AGLSXFF0
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(5pt)

漢字が多くて小難しい

私がバカなせいでしょうか・・・
漢字は異様に多いし、難しい専門知識(宗教がらみ)がおおく、読み進めるのが大変でした。
レビュー評価が高いので「私だけがこう思うのか・・・」と複雑な心境。
とりあえず京極さんの本をもう一冊読んでみます。
気づいたらハマれるとかあるかな・・・

kinhuku
78BU7RPT
No.3:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
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独特の世界観に酔い痴る

それにしても、なんていうペ-ジ数。文庫で1000ペ-ジ超。
その長い理由がなんとなく姑獲鳥の夏を読んでいるから分かります。

読んでみて、やはり。
京極堂(主人公)の語り、相変わらず興味深く分かりやすいけど・・・宗教・歴史・妖怪・哲学など多少難しい解釈が入り、このあたりが好き嫌いが分かれるところだろう。

ただ、話自体は非常に興味深く読めた。
ハコ・隙間・歪な愛に固執した人間が織り成すどちらかというとサイコ的な話が、そう思わせない構成ですんなり読み進める。

あと、このシリ-ズを読んだ事ない方に・・・妖怪が出てきて陰陽師とのバトルとかはありません。
あくまで人間の仕業による事件の推理小説です。

タカタソン
HU0OGV5Q
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

魍魎の匣の感想

これまたとんでもなく唖然とさせられる匣の正体でした。魑魅魍魎然り物語へ惹きこまれる京極堂の語りが魅力的でした。分厚くて持ち運びが難。

Lin
Y7I7W18A
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

『魍魎の匣』の名前が合ってる

大ボリュームで読むのに躊躇していましたが、
いざ手にとって見ると前作同様、物語の雰囲気にのまれ、
苦なく読めた。この作者の読ませる力量は凄い。

ハコの存在と小説のタイトルが上手く合っていて、
読了後なんども言えない気持ちになる。

消失のトリックも然ることながら驚きは少ない。
物語に浸れるかが好みの分かれどころかな。

おいげん
PQLRUDUD
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