了巷説百物語
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もう続きは読めないと思っていた巷説百物語シリーズの最新刊。 一作目の「小豆洗い」から約20年、ボロボロになるまで文庫本を何度も読み返したシリーズがついに完結を迎えてしまい、 自分の人生もここで一つの区切りを迎えたような気分になってます。 生まれてまもない息子を抱え、シングルマザーになり、昼夜を問わず懸命に働き続けた私を ことあるたびに支えてくれていたのは、御行の又一というダークヒーローの存在でした。 母子家庭になったことで、世間様からの差別的な言葉や振る舞いに心を痛め、 離婚という選択をしたことで、いわゆる「世間様」から取りこぼされた存在になってしまった感覚を持っていた当時、 人別外にあった又一を含む登場人物たちのセリフや活躍に共感を覚え、 同時に彼らの持つ「誰が決めたのかわからない理不尽な常識とされるルールに否と言える強さ」を持ちたいと切に願っていました。 シリーズを読み続け50歳を超えた今、会社組織にある「よくわからんルール」に従うことが 無理な性格だということを自覚し、フリーランスという道を選びそれなりに不自由のない毎日を送る中刊行された最新刊。これは読まねばとKindle版を購入しました。 初登場の稲荷藤兵衛を主人公に加え、懐かしい名前が出てくるストーリー運びに 「次はどうなるの?この仕掛けのネタばらしは?」と心踊らせページを捲り一気に読み終えましたが。 嘘を見破る稲荷藤兵衛や正論で人を説得する中禪寺にも、なぜか感情移入することがでず、 格闘シーンの描写が多く、タネも仕掛けも見破られた妖には、当時感じた怖さもなく、 期待していた又一の活躍は、、、、といった感じです。 読み終わって気付かされたのは「私は御行の又一と妖に恋焦がれていた」こと。 私がこの物語に引き込まれていたのは、妖という「不確かだけども畏怖の対象になる存在への恐怖と憧れ」と御行の又一というダークヒーローの活躍だったようです。 老眼でメガネが手放せないこの頃、電子書籍のありがたさが身に沁みました。 書籍で持っているシリーズ全て、Kindle版で読み返したいと思った次第です。 | ||||
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巷説百物語を初めから読み、了巷説百物語を読み終えたー。祭 か宴を終えた気分です。 ラストは、洞観屋、陰陽師、化け物使いが共闘し、諸悪の元の福久率いる七福連と戦う。 皆、敵も味方も満身創痍となりながらそれぞれの憑き物は、陰陽師によって落とされ、悲しい結末を迎える。 壮絶な日は終えると嘘のように、誰も彼も無関心で、平穏な日々が訪れる。ラストは百介や又市がひょっこりと出てきて、物語は幕を閉じる。寂しいような。何か、ポッカリ胸に穴が空いた感じです。もう、又一には、会えないだなぁーって思った。 | ||||
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時代劇とは現代劇である。何十年も前に、高校の先生がそう言っていたのを思い出しました。最後のチャンバラが興醒めだったのが残念ですが読書の愉悦をたっぷり味わいました。 | ||||
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昭和元禄という言葉が以前流行ったが、令和天保とでも言うのか作者にとっては江戸の末期のぐだぐだの改革と、現代が同一視されているような描き方だった。後半はアクション主体で、まあたくさん人が死ぬ。必要性はあるのだろうが今までのシリーズと違ったテイストで星を下げた。作者は意外と社会批判をするし、本気で憤っている様子。グッと押さえて残りのシリーズの執筆に集中して欲しいところ。 | ||||
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1000ページ超えの長作ですが、非常にテンポよく話が進んでいきます。 今まで出てきた役者が再度自分の頭の中で動き出すのが楽しくてあっと言う間に終えてしまいました。 可能なら映画やドラマ化してほしいな。 これで高校から読み進めた話が終了するのか…という気持ちになったので、再度小豆洗いから読み直します。 | ||||
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