ヒトでなし 金剛界の章
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初版刊行(参考)
種別
長編
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あらすじ
評判
ヒトでなし 金剛界の章の評価:
0.00/10点 レビュー 0件。 D ランク
ヒトでなし 金剛界の章の総合評価:
8.24/10点 レビュー 25件。
感想一覧
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
Amazonレビュー
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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主人公は他者に関心を持てない性格である。それでもそれまでは社会人・家庭人を普通に演じてきた。
しかし、幼い娘の死を境に主人公の境遇は激変していく。
それほど悲しんでいるとは見えない主人公を妻は人でなしだとなじり続ける。離婚手続きのため妻と
会った最後の夜、ホームレス必至の状況なのに主人公は「ヒトでなし」の自覚を胸に、妙に穏やかな
気持ち-生にも死にも囚われない-で夜も街をさまよい始める。
自殺未遂者と不本意にかかわり、偶然に高校時代の友人に会ったのが発端となって物語は展開していく。
「お前は立派な人でなしなのさ。~それは極めてシンプルな在り方だ。~のしがらみもなければ、粉飾
もねえ、見栄も張らなきゃ謙遜もしねえ」これは友人が主人公を評した言葉である。主人公は他者への
関心もないが、自我も希薄になっていた。
主人公の挑発的で利得勘定に乏しい言葉は、危機的状況にある者たち-自殺未遂の女、衝動殺人を犯した
未成年、死にたい願望の女など-に現実を直視させて、心を落ち着かせる。
物語の展開よりもたびたび独白されている主人公の覚者あるいは心理学の大家のような洞察的な思い(下記**
に一部を引用)が響いた。
そのような洞察の境地と主人公の言動にはギャップがある点を突っ込んだら切りがない。宗教的要素と
エンターテイメントを融合させようとしたら、この種の齟齬を回避するのは難しいと思うが、次回作が
あるなら酷な注文だがちょっと以上に改善されることを期待する。
**二つの「テ-マ」を見た
当然の反応とされる感情を否定:俺の悲しみは俺が生んでいるんだよ。感情は自分が生み出しているもの
なんだ。
自我(俺,私)の否定:俺というものがあって、俺以外のものがあって、そして社会が成り立つのだと~、
だが俺というものがなければ俺以外もない。俺などというつまらない線引きをするから、何もかもおかしな
具合になってしまうようにも思う。