入学早々鬱々と過ごす関口に、声を掛ける者がいた。教師も一目置く中禅寺。

関口の“弟子"から映画館に繁栄をもたらす妖怪・桟敷童の噂を聞いた榎木津は、下僕を従え妖怪探しに乗り出した。

吾輩は猫である。名は、石榴。

怖いものとは何だろう。本当に怖いものを知るため、とある屋敷を訪れた男は、通された座敷で思案する。

明治二十年代の半ば。雑木林と荒れ地ばかりの東京の外れで日々無為に過ごしていた高遠は、異様な書舗と巡りあう。

昭和17年、兄の勧めで港蘭女学院に入学した中禅寺敦子は、寮生活をおくることになる。

庭に咲く艶々とした椿の花とは対照に、暗い座敷に座る小山内君は痩せ細り、土気色の顔をしている。

武蔵野連続バラバラ殺人の顛末を描いた『魍魎の匣』が発表された。

ミステリー作家・有栖川有栖が挑むまったく新しい大阪の怪談。

この現実は、すべて虚構だ。価値観を揺るがす連作奇譚集! 元デザイナーで小説家の「僕」は、知人友人からよく相談を受ける。

人に見えないものが視える。闇の中に、他人の恐怖が悔恨が苦痛が悲哀が―視えてしまう。

明治三十年代初頭。古今東西の書物が集う書舗に導かれる、一人の若き女性。

「神隠し――と云うより天狗攫いね。高尾山だし」 聞き終えた敦子は先ずそう云った。

「先祖代代、片倉の女は殺される定めだとか。

昭和29年、夏。複雑に蛇行する夷隅川水系に、次々と奇妙な水死体が浮かんだ。

ウォーカロン。「単独歩行者」と呼ばれる人工細胞で作られた生命体。

死んだ女のことを教えてくれないか。三箇月前、自宅マンションで何者かによって殺された鹿島亜佐美。

チベット、ナクチュ。外界から隔離された特別居住区。

アポロンのように美しい少年、と噂される連続通り魔事件の容疑者。お笑い芸人志望の若者達の悲劇。

SNS炎上、対人トラブル――あらゆる争いは言葉の行き違いから起きています。

昭和29年春から夏にかけて続く怪事件。 「先祖代代、片倉の女は殺される定めだとか。

益子徳一、七十二歳、独身。定年後の人生を慎ましく過ごす独居老人の大真面目で可笑しくて少しだけせつない日常。

いまや誰もが知っている“妖怪”。

βと名乗る教祖をあおぐ宗教団体の施設・美之里。調査に訪れた探偵・水野は加部谷恵美たちと偶然の再会を果たす。

殺人の記憶を持つ娘に惑わされる作家。消えた三つの他殺体を追う刑事。

怪異譚を蒐集するため諸国を巡る戯作者志望の青年・山岡百介は、雨宿りに寄った越後の山小屋で不思議な者たちと出会う。

理由あって上方から江戸へ流れてきた双六売りの又市は、根岸の損料屋「ゑんま屋」の手伝いをすることに。

下総国に暮らす狐狩りの名人・稲荷藤兵衛には、裏の渡世がある。

舞台は明治30年代後半。

人間の愚かさ、残酷さ、哀しみ、業――これぞ江戸怪談の最高峰! 塩断ちを機に次々と家族を襲った身も凍るほどの怪異、妖を呼び寄せる声をもった女中の奉公話、世にも奇妙な写本の話……人間の愚かさ、残酷さ、哀しみ、業――清濁すべての感情を併せ呑む、

直木賞受賞作がついに文庫で登場 京極夏彦の直木賞受賞作。ラストに訪れる仕掛けが読者の胸を打つ感動作。

日本最古の神社の一つ、奈良・大神神社近くの河原で高校生が殺害された。

鯨井留可は完全犯罪を目指さない男。そんな彼がアリバイ工作のために声をかけたのは、白髪の美女。

女にしては、美しすぎる。 パリの女優殺害に端を発する連続殺人。

調査も捜査も推理もしない、天下無敵の薔薇十字探偵、榎木津礼二郎。

「おお!そこに人殺しが居る!」探偵・榎木津礼一郎は、その場に歩み入るなりそう叫んだ―。

「魔女の薬草」を探し求めていた生薬学者が失踪した。

「あなた―妖怪お好きですか」。その男は真顔で尋ねる。

押入で死んだように生きる木幡小平次は、天下随一の幽霊役者。

この世には不思議なことなど何もないのだよ―古本屋にして陰陽師が憑物を落とし事件を解きほぐす人気シリーズ第一弾。

夫を四度殺した女、朱美。極度の強迫観念に脅える元精神科医、降旗。

虚実は綯い交ぜになって物語になる。視界が歪み、記憶が混濁し、暗闇が臭いたち、眩暈をよぶ。

当然、僕の動きも読み込まれているのだろうな―二つの事件は京極堂をしてかく言わしめた。

「妖怪」はいずこより来るのか…。

阿良々木暦を監視する式神童女・斧乃木余接。

悪魔のごとき頭脳を危険視され、わずか13歳にして特殊房に収監されている少年、ローレン・ディルーカ。

藍の卒業を祝し、オカ研の面々は温泉に出かけることに。

地響きがする―と思って戴きたい…相撲取りの討ち入りを描く「四十七人の力士」、肥満ミトコンドリアが暴れる「パラサイト・デブ」などなど数々の名作を下敷きに、パロディの極北を目指したお笑い連作巨編がついに文庫化。

江戸川、大磯で発見された毒殺死体。二つの事件に繋がりはないのか。

「推理はしないんです。彼は」。

「……り……に、毒を」被害者は奇妙な言葉を遺して死んだ。毒物の正体は不明。

忽然と出現した修行僧の屍、山中駆ける振袖の童女、埋没した「経蔵」…。

少女たちを襲った悍ましい事件から三箇月。来生律子の許を訪れた作倉雛子は、小壜に入った“毒”を托し姿を消した。

元銀幕の大スター・片桐大三郎(現芸能プロ社長)の趣味は、犯罪捜査に首を突っ込むこと。

2058年4月、上海大学で20世紀の探偵小説を研究していたユアン・チンルウは、国家科学技術局から呼び出される。

中学生がビルから飛び降りた自殺未遂事件。