■スポンサードリンク


ヒトでなし 金剛界の章



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
ヒトでなし 金剛界の章
ヒトでなし: 金剛界の章 (新潮文庫)

ヒトでなし 金剛界の章の評価: 4.12/5点 レビュー 25件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.12pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全25件 1~20 1/2ページ
12>>
No.25:
(5pt)

「どうでもいい」の切れ味よ

長い物語は最後の一幕の為にある。タイトルヒトでなし は「人ではない」という目から鱗の作者の仕掛け。最後まで読まないと分からない。最後から読むと理解出来ない。一人称尾田のセリフ思考は最初から最後まで「どうでもいい」一言。しかし物語が進むに従って研ぎ澄まされていく「どうでもいい」は言いようのない切れ味で全てを、最後物語そのものをぶった斬る。仏教なのか?何言ってるか分からないと思うが、ありのままを伝えたらこんな感じだ。
ヒトでなし: 金剛界の章 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ヒトでなし: 金剛界の章 (新潮文庫)より
4101353522
No.24:
(1pt)

京極堂シリーズと比較すると

恐ろしいほどテンポと間の悪い退屈な文体でした。
滅多にそんなことはしないのですが、
途中で読むのを止めました。
ヒトでなし: 金剛界の章 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ヒトでなし: 金剛界の章 (新潮文庫)より
4101353522
No.23:
(5pt)

人ではないから人偏にム(無)と書く

私なんぞに仏教というものを理解することはできませんがもともとお坊さんになるのが夢だったという京極さんは違うのでしょう
人間としての情愛を持たず人間としての欲望を持たずすべてをありのままに受け入れる尾田慎吾の姿はまさに現代の仏
続編が楽しみです
ヒトでなし: 金剛界の章 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ヒトでなし: 金剛界の章 (新潮文庫)より
4101353522
No.22:
(5pt)

美品でした。

いつも、お世話になっております。美品でした。満足しております。
ヒトでなし: 金剛界の章 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ヒトでなし: 金剛界の章 (新潮文庫)より
4101353522
No.21:
(5pt)

おみそれいたしました

羨ましいことも憧れることも、あり得た自分に未練を感じたり、誘惑は多く、しかし全ては自分事。
主人公は痛快ですね。とても楽しませていただきました。

小さい吾と書いて悟りと書きますが、己を殺す必要もなく、誘惑がそうでなくなったところ、執着という概念がなくなったところ、「無い」ことを表現できることが小説で著者の凄いところですね。
ヒトでなし: 金剛界の章 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ヒトでなし: 金剛界の章 (新潮文庫)より
4101353522
No.20:
(4pt)

感想

人でなし、題名は恐ろしいですが、京極夏彦は割と、読みやすいです。自殺しかけた女に付きまとわれるところから始まりやがて、人殺しや、やくざお坊さん、実の娘、嫁などがどろどろした人間関係ででてきます。会社を首になり、同級生の、男とコンビニの酒飲みながら、語らう、うーん、、、っていうラストですが読みやすいです、最後まで一気に読めました。娘実子誤って殺してしまうのが納得いきませんでした。京極先生の本は初めて読みましたが、読みやすかったです。
ヒトでなし: 金剛界の章 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ヒトでなし: 金剛界の章 (新潮文庫)より
4101353522
No.19:
(5pt)

京極夏彦のファンにはたまらない作品だと思う

論理的かつ狷介な文体
1人称的な長い会話文からの、3人称的な短い地の文
中毒性がある
ヒトでなし: 金剛界の章 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ヒトでなし: 金剛界の章 (新潮文庫)より
4101353522
No.18:
(3pt)

あらまあ

とても理屈っぽいヒトでなしぶりは京極さんだ。
話の進行が伊坂さんぽくもあったけど。
胎蔵界もあるんですよね。
ヒトでなし 金剛界の章Amazon書評・レビュー:ヒトでなし 金剛界の章より
4103396113
No.17:
(3pt)

宗教小説?面白いけど読者を選ぶ

京極のノン・シリーズ作品を読むのは久しぶりだ。
読みやすい文章の上に改行が多くてページの下半分が白いので、長くてもあっさり読めた。
自らをヒトでなしと自認する男が、自殺志願の女や破産したもと同級生と出会って、うだうだと話す。
呆れるほど何も起こらない。が、ある事件をきっかけに急転直下ストーリーが転がりだす。
人間失格者たちの重すぎる事情が錯綜し、事態は混迷する。

主人公は何があっても投げやりに「どうでもいいよ」という態度だ。
不思議とその態度が、悩めるクズたちを引き付ける。もしかすると、これは宗教の本質なのか。
同じクズの見本市を描いても、馳星周や桐野夏生ならまったく異なる印象を受けるだろう。
妖怪シリーズのような娯楽作ではないが、底に流れるものは共通しているように思う。
京極にしか書けない作品ではある。重い内容だが、どこか 飄々としている。
後半で前半の退屈さを挽回してくれるが、読者を選ぶ小説だ。京極ファンは読んだ方がいい。
ヒトでなし: 金剛界の章 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ヒトでなし: 金剛界の章 (新潮文庫)より
4101353522
No.16:
(5pt)

ヒトでなしとは?

11の章から成っている。第一話からどん底の話で、これ以上どうやって続くのか?と
訝しんでしまう。本作は800頁近くもあるのだ。
帯にある「人間をやめた男が救世主に!?」「超・宗教エンタテインメント」を見ると、
ヒトでなしの主人公が新興宗教でも興して再起を?なんてチープに考えそうだが、京極夏彦は
そんなことはしない。ヒトでなし―という言葉が随所に出てくるが不思議とそれが鼻に付かない。
一人称の物語だから、発するのはほぼ主人公だ。ヒトでなしであることをはじめは疑問に感じていた
主人公の感情の推移が面白い。
ヒトでなしとは、人以下なのかそれとも人を超越したモノなのか。
一見難解なテーマでも一気読み必須にさせてしまうのだから、著者の話運びの巧さにはまた舌を巻く。
読み終えたころには決して難解な話ではなかったと気づくだろう。
京極堂シリーズもそうだが、またどこにも属さないテーマの作品が生まれた。
ヒトでなし: 金剛界の章 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ヒトでなし: 金剛界の章 (新潮文庫)より
4101353522
No.15:
(5pt)

人でなしの連中の愚かな物語!

会社を解雇され、妻に離縁され、娘を亡くした主人公の男と、彼の旧友で事業に失敗し、高級マンションに引きこもり、借金取りから身を隠す男と、主人公に自殺を止められ、感謝して同行する失恋女、旧友のマンションへ取り立てに来た借金取りの兄貴分を殺してしまった愚かな弟分が、その死体を隠すために旧友の祖父が営む禅寺を頼る。この祖父は破僧であった。死体隠しに協力する。ここから先のストーリーは書けないが、よくここまで人でなしの人物ばかりを登場させたものだ。人でなし達の人生が見事に連鎖している。仏法に言う縁起とはこの事を言うのであろう。しかも、仏教で言えば、皆凡夫(悪人)であり、自力では救われない。いったいこの死体隠しは成功するのであろうか?
因果応報という観念が仏教にはあるが、著者は仏教の教えに頼らない。読み所は五人の人でなしの会話の妙味にある。人でなしにもそれぞれ言い分というものがあり、それらが会話においてぶつかり合うところが面白い。そして可笑しくて、笑い出してしまう。この小説は宗教を身にまとったエンターテイメントである。あまりに馬鹿馬鹿しくて、途中で投げ出したくもなるが、そこはじっと我慢して読み進めるのがよい。きっと得るものがあるはすだ。 お勧めの一冊だ。
ヒトでなし: 金剛界の章 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ヒトでなし: 金剛界の章 (新潮文庫)より
4101353522
No.14:
(4pt)

自己、他者との関わりについて考えさせられる本

3分の1位読んで止まっています。娘の死をきっかけに全てを放り投げ歩む人生は帯の説明の通り。地に堕ち底から見た景色は良いも悪いもなくありのままのただあるという仏の言う悟りの境地に達したようた主人公の心境を上手く表現している。命以外の全ての物をなくし無感動、無関心になった人間の沈着思考が人に救いと目覚めを与え希望すらも与えてしまう逆説的救世主感が面白い。主人公の淡々とした己への洞察と他者へのクレバーな語りとの組み合わせによる物語の進行がうまくクロスオーバーしていて読みやすい。分厚いがすらすら読める良本である。
ヒトでなし 金剛界の章Amazon書評・レビュー:ヒトでなし 金剛界の章より
4103396113
No.13:
(5pt)

「人」を救えるのは、「人」を捨てた者だけか?

読み終えてから結構時間が経っているので細部の記憶がかなり危ういのですが、今思っているのは「人」を救えるのは「人」やめた者つまり「人」でなくなった者、「ヒトでなし」にしかできないということを考えさせられます。
「非道」の上の「人でなし」ではなく、人間の煩悩を捨てた「ヒト」にしか人を救うことはできないということを「感じさせてくれる」小説です。
他の方が書かれているように

犯罪小説であり思弁小説であり宗教小説であり…云々

一見救世主誕生のようなストーリー

どれも正しくどれも十分ではないと思います、極端な人物ばかりではあるものの決して異次元の話ではなく仏教の根本であるところの「執着を捨てる」ことの意味を考えさせられるのではなく「感じさせてくれる」小説です、面白かったです。
次の章が期待されますが、このお話はココで終わりなのではないかとも思います。
ヒトでなし 金剛界の章Amazon書評・レビュー:ヒトでなし 金剛界の章より
4103396113
No.12:
(2pt)

小説の形を借りた京極教の書

もともとこの小説家の作品には読後の爽快感など期待してはいけないのだが、それにしてもあまりに共感できない内容だった。考える起点にはなると思う。
ヒトでなし 金剛界の章Amazon書評・レビュー:ヒトでなし 金剛界の章より
4103396113
No.11:
(5pt)

「ヒトでなし」をやってるつもりがスピリチャルマスター

「俺の中心には俺以外の凡てに対する無関心ががん細胞のように巣喰っている」
主人公は他者に関心を持てない性格である。それでもそれまでは社会人・家庭人を普通に演じてきた。
しかし、幼い娘の死を境に主人公の境遇は激変していく。
それほど悲しんでいるとは見えない主人公を妻は人でなしだとなじり続ける。離婚手続きのため妻と
会った最後の夜、ホームレス必至の状況なのに主人公は「ヒトでなし」の自覚を胸に、妙に穏やかな
気持ち-生にも死にも囚われない-で夜も街をさまよい始める。
自殺未遂者と不本意にかかわり、偶然に高校時代の友人に会ったのが発端となって物語は展開していく。

「お前は立派な人でなしなのさ。~それは極めてシンプルな在り方だ。~のしがらみもなければ、粉飾
もねえ、見栄も張らなきゃ謙遜もしねえ」これは友人が主人公を評した言葉である。主人公は他者への
関心もないが、自我も希薄になっていた。

主人公の挑発的で利得勘定に乏しい言葉は、危機的状況にある者たち-自殺未遂の女、衝動殺人を犯した
未成年、死にたい願望の女など-に現実を直視させて、心を落ち着かせる。

物語の展開よりもたびたび独白されている主人公の覚者あるいは心理学の大家のような洞察的な思い(下記**
に一部を引用)が響いた。

そのような洞察の境地と主人公の言動にはギャップがある点を突っ込んだら切りがない。宗教的要素と
エンターテイメントを融合させようとしたら、この種の齟齬を回避するのは難しいと思うが、次回作が
あるなら酷な注文だがちょっと以上に改善されることを期待する。

**二つの「テ-マ」を見た
当然の反応とされる感情を否定:俺の悲しみは俺が生んでいるんだよ。感情は自分が生み出しているもの
なんだ。
自我(俺,私)の否定:俺というものがあって、俺以外のものがあって、そして社会が成り立つのだと~、
だが俺というものがなければ俺以外もない。俺などというつまらない線引きをするから、何もかもおかしな
具合になってしまうようにも思う。
ヒトでなし 金剛界の章Amazon書評・レビュー:ヒトでなし 金剛界の章より
4103396113
No.10:
(2pt)

ある意味ハーレムもの

何もかもがどうでもよくなった男が何故か祭り上げられる話。
男は遠慮がないというだけで至極当たり前の事しか言ってないのだが、男の周りにいる連中はどうしてだか救われた気になるらしい。
私は男がヒトでなしとは思えない。どうでもよくなっただけの人である。むしろこんな男に惹かれる周りの連中の方がまともでないように思えた。
少なくとも私は男の発言に共感はしても救われた気にはならなかった。
ヒトでなし 金剛界の章Amazon書評・レビュー:ヒトでなし 金剛界の章より
4103396113
No.9:
(5pt)

迫力ある禅問答

人に教えることができるのは、人であってはならない。つまりヒトでなしだ。この本に出てくる登場人物の遣り取りは、深い次元での禅問答であり、本来眠くなるような内容が、小説のストーリー展開と相俟って非常に分かりやすく、引き込まれて行く。その道の悟りのようなものが垣間見え、尚且つ人間、如いてはこの世の生きとし生けるものの真理が語られている。まるで般若心経を小説にしたような書である。
ヒトでなし 金剛界の章Amazon書評・レビュー:ヒトでなし 金剛界の章より
4103396113
No.8:
(3pt)

正真正銘の「ヒトでなし」に比べれば、シリアル・キラーの方がまだしも"人間らしい" ?

正真正銘の「ヒトでなし」を主人公とした異色の物語。「ヒトでなし」の人間から見た時の社会正義、倫理観、生きる価値等を問うた諧謔小説の様である。冒頭から、「果たしてこれは物語になるのだろうか?」という疑問を抱かせる程に物語の要素に乏しいのだが、これをいつも通りの長編小説に仕上げている(文の最後と頁の最後を合せる作法もいつも通り)作者の筆力には感心させられた。しかし、作者のファンでない方にとっては、読み通すのがキツイのではないか。

途中から新興宗教(カルト教団)小説になるのではという予想に反し、最後まで思弁小説で貫いている姿勢も如何にも作者らしい。言ってみれば、全編、詭弁で成り立っている小説なのだが、所々、我が身を考えさせる箇所がある点が流石と言える。ワザワザ、複数のシリアル・キラーを登場させながら、正真正銘の「ヒトでなし」に比べれば、シリアル・キラーの方がまだしも"人間らしい"という辺りが作者の本領発揮か。「金剛界の章」とあるので、続編を予定しているらしいが、どのような展開になるのか楽しみである。
ヒトでなし 金剛界の章Amazon書評・レビュー:ヒトでなし 金剛界の章より
4103396113
No.7:
(4pt)

序章

娘の死をきっかけに、妻だった人、そして職を失った、主人公が社会から離脱し、ヒトでなくなっていく過程を描いています。 ヒトでなしに早々なるのですが、少なからず、迷いながらも自分と向き合っていく過程で、金・信頼・感情・死を象徴する"人" が彼の基に集まって行きます。 死ぬ事の意味ではなく、生きるための意味を考える、そして感情とは、金とは、、社会の構図とはを紐解いていきます。 極端な登場人物が多いのですが、考えることが多い良作だと思います。
ヒトでなし 金剛界の章Amazon書評・レビュー:ヒトでなし 金剛界の章より
4103396113
No.6:
(4pt)

堂々巡りだが、ブレない悟り小説

娘を亡くしたことで、妻が去り仕事も家も失い、心が感情が壊れ死んだ男が様々な人と出会い関わり、何故か崇められ必要とされる、一見救世主誕生のようなストーリー。でも、そんな男は自分を、ヒトでなし、と思っている。

タワマンに住む借金塗れの級友や、莫大な資産を相続した女、すぐキレる若いチンピラ等、いずれも一癖ある人物たちと絡みますが、結局行き着く先は同じような結論になります。しかし、そこに至るまでの心理描写が相変わらず独特で実に巧みです。

特に中盤以降に小説の舞台が変わってからの展開は、人間関係ややり取りが更に濃密となり心の闇に切り込んでいきます。最後は息詰まるシーンが最高潮に達しますが、読み終えた時は思わずフーッと息を吐き出すほどの緊張感がありました。
ヒトでなし 金剛界の章Amazon書評・レビュー:ヒトでなし 金剛界の章より
4103396113

スポンサードリンク

  



12>>
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!