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ヒトでなし 金剛界の章



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【この小説が収録されている参考書籍】
ヒトでなし 金剛界の章
ヒトでなし: 金剛界の章 (新潮文庫)

ヒトでなし 金剛界の章の評価: 4.12/5点 レビュー 25件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.12pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全19件 1~19 1/1ページ
No.19:
(5pt)

「どうでもいい」の切れ味よ

長い物語は最後の一幕の為にある。タイトルヒトでなし は「人ではない」という目から鱗の作者の仕掛け。最後まで読まないと分からない。最後から読むと理解出来ない。一人称尾田のセリフ思考は最初から最後まで「どうでもいい」一言。しかし物語が進むに従って研ぎ澄まされていく「どうでもいい」は言いようのない切れ味で全てを、最後物語そのものをぶった斬る。仏教なのか?何言ってるか分からないと思うが、ありのままを伝えたらこんな感じだ。
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No.18:
(5pt)

人ではないから人偏にム(無)と書く

私なんぞに仏教というものを理解することはできませんがもともとお坊さんになるのが夢だったという京極さんは違うのでしょう
人間としての情愛を持たず人間としての欲望を持たずすべてをありのままに受け入れる尾田慎吾の姿はまさに現代の仏
続編が楽しみです
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No.17:
(5pt)

美品でした。

いつも、お世話になっております。美品でした。満足しております。
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No.16:
(5pt)

おみそれいたしました

羨ましいことも憧れることも、あり得た自分に未練を感じたり、誘惑は多く、しかし全ては自分事。
主人公は痛快ですね。とても楽しませていただきました。

小さい吾と書いて悟りと書きますが、己を殺す必要もなく、誘惑がそうでなくなったところ、執着という概念がなくなったところ、「無い」ことを表現できることが小説で著者の凄いところですね。
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No.15:
(4pt)

感想

人でなし、題名は恐ろしいですが、京極夏彦は割と、読みやすいです。自殺しかけた女に付きまとわれるところから始まりやがて、人殺しや、やくざお坊さん、実の娘、嫁などがどろどろした人間関係ででてきます。会社を首になり、同級生の、男とコンビニの酒飲みながら、語らう、うーん、、、っていうラストですが読みやすいです、最後まで一気に読めました。娘実子誤って殺してしまうのが納得いきませんでした。京極先生の本は初めて読みましたが、読みやすかったです。
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No.14:
(5pt)

京極夏彦のファンにはたまらない作品だと思う

論理的かつ狷介な文体
1人称的な長い会話文からの、3人称的な短い地の文
中毒性がある
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No.13:
(5pt)

ヒトでなしとは?

11の章から成っている。第一話からどん底の話で、これ以上どうやって続くのか?と
訝しんでしまう。本作は800頁近くもあるのだ。
帯にある「人間をやめた男が救世主に!?」「超・宗教エンタテインメント」を見ると、
ヒトでなしの主人公が新興宗教でも興して再起を?なんてチープに考えそうだが、京極夏彦は
そんなことはしない。ヒトでなし―という言葉が随所に出てくるが不思議とそれが鼻に付かない。
一人称の物語だから、発するのはほぼ主人公だ。ヒトでなしであることをはじめは疑問に感じていた
主人公の感情の推移が面白い。
ヒトでなしとは、人以下なのかそれとも人を超越したモノなのか。
一見難解なテーマでも一気読み必須にさせてしまうのだから、著者の話運びの巧さにはまた舌を巻く。
読み終えたころには決して難解な話ではなかったと気づくだろう。
京極堂シリーズもそうだが、またどこにも属さないテーマの作品が生まれた。
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No.12:
(5pt)

人でなしの連中の愚かな物語!

会社を解雇され、妻に離縁され、娘を亡くした主人公の男と、彼の旧友で事業に失敗し、高級マンションに引きこもり、借金取りから身を隠す男と、主人公に自殺を止められ、感謝して同行する失恋女、旧友のマンションへ取り立てに来た借金取りの兄貴分を殺してしまった愚かな弟分が、その死体を隠すために旧友の祖父が営む禅寺を頼る。この祖父は破僧であった。死体隠しに協力する。ここから先のストーリーは書けないが、よくここまで人でなしの人物ばかりを登場させたものだ。人でなし達の人生が見事に連鎖している。仏法に言う縁起とはこの事を言うのであろう。しかも、仏教で言えば、皆凡夫(悪人)であり、自力では救われない。いったいこの死体隠しは成功するのであろうか?
因果応報という観念が仏教にはあるが、著者は仏教の教えに頼らない。読み所は五人の人でなしの会話の妙味にある。人でなしにもそれぞれ言い分というものがあり、それらが会話においてぶつかり合うところが面白い。そして可笑しくて、笑い出してしまう。この小説は宗教を身にまとったエンターテイメントである。あまりに馬鹿馬鹿しくて、途中で投げ出したくもなるが、そこはじっと我慢して読み進めるのがよい。きっと得るものがあるはすだ。 お勧めの一冊だ。
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No.11:
(4pt)

自己、他者との関わりについて考えさせられる本

3分の1位読んで止まっています。娘の死をきっかけに全てを放り投げ歩む人生は帯の説明の通り。地に堕ち底から見た景色は良いも悪いもなくありのままのただあるという仏の言う悟りの境地に達したようた主人公の心境を上手く表現している。命以外の全ての物をなくし無感動、無関心になった人間の沈着思考が人に救いと目覚めを与え希望すらも与えてしまう逆説的救世主感が面白い。主人公の淡々とした己への洞察と他者へのクレバーな語りとの組み合わせによる物語の進行がうまくクロスオーバーしていて読みやすい。分厚いがすらすら読める良本である。
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No.10:
(5pt)

「人」を救えるのは、「人」を捨てた者だけか?

読み終えてから結構時間が経っているので細部の記憶がかなり危ういのですが、今思っているのは「人」を救えるのは「人」やめた者つまり「人」でなくなった者、「ヒトでなし」にしかできないということを考えさせられます。
「非道」の上の「人でなし」ではなく、人間の煩悩を捨てた「ヒト」にしか人を救うことはできないということを「感じさせてくれる」小説です。
他の方が書かれているように

犯罪小説であり思弁小説であり宗教小説であり…云々

一見救世主誕生のようなストーリー

どれも正しくどれも十分ではないと思います、極端な人物ばかりではあるものの決して異次元の話ではなく仏教の根本であるところの「執着を捨てる」ことの意味を考えさせられるのではなく「感じさせてくれる」小説です、面白かったです。
次の章が期待されますが、このお話はココで終わりなのではないかとも思います。
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No.9:
(5pt)

「ヒトでなし」をやってるつもりがスピリチャルマスター

「俺の中心には俺以外の凡てに対する無関心ががん細胞のように巣喰っている」
主人公は他者に関心を持てない性格である。それでもそれまでは社会人・家庭人を普通に演じてきた。
しかし、幼い娘の死を境に主人公の境遇は激変していく。
それほど悲しんでいるとは見えない主人公を妻は人でなしだとなじり続ける。離婚手続きのため妻と
会った最後の夜、ホームレス必至の状況なのに主人公は「ヒトでなし」の自覚を胸に、妙に穏やかな
気持ち-生にも死にも囚われない-で夜も街をさまよい始める。
自殺未遂者と不本意にかかわり、偶然に高校時代の友人に会ったのが発端となって物語は展開していく。

「お前は立派な人でなしなのさ。~それは極めてシンプルな在り方だ。~のしがらみもなければ、粉飾
もねえ、見栄も張らなきゃ謙遜もしねえ」これは友人が主人公を評した言葉である。主人公は他者への
関心もないが、自我も希薄になっていた。

主人公の挑発的で利得勘定に乏しい言葉は、危機的状況にある者たち-自殺未遂の女、衝動殺人を犯した
未成年、死にたい願望の女など-に現実を直視させて、心を落ち着かせる。

物語の展開よりもたびたび独白されている主人公の覚者あるいは心理学の大家のような洞察的な思い(下記**
に一部を引用)が響いた。

そのような洞察の境地と主人公の言動にはギャップがある点を突っ込んだら切りがない。宗教的要素と
エンターテイメントを融合させようとしたら、この種の齟齬を回避するのは難しいと思うが、次回作が
あるなら酷な注文だがちょっと以上に改善されることを期待する。

**二つの「テ-マ」を見た
当然の反応とされる感情を否定:俺の悲しみは俺が生んでいるんだよ。感情は自分が生み出しているもの
なんだ。
自我(俺,私)の否定:俺というものがあって、俺以外のものがあって、そして社会が成り立つのだと~、
だが俺というものがなければ俺以外もない。俺などというつまらない線引きをするから、何もかもおかしな
具合になってしまうようにも思う。
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No.8:
(5pt)

迫力ある禅問答

人に教えることができるのは、人であってはならない。つまりヒトでなしだ。この本に出てくる登場人物の遣り取りは、深い次元での禅問答であり、本来眠くなるような内容が、小説のストーリー展開と相俟って非常に分かりやすく、引き込まれて行く。その道の悟りのようなものが垣間見え、尚且つ人間、如いてはこの世の生きとし生けるものの真理が語られている。まるで般若心経を小説にしたような書である。
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No.7:
(4pt)

序章

娘の死をきっかけに、妻だった人、そして職を失った、主人公が社会から離脱し、ヒトでなくなっていく過程を描いています。 ヒトでなしに早々なるのですが、少なからず、迷いながらも自分と向き合っていく過程で、金・信頼・感情・死を象徴する"人" が彼の基に集まって行きます。 死ぬ事の意味ではなく、生きるための意味を考える、そして感情とは、金とは、、社会の構図とはを紐解いていきます。 極端な登場人物が多いのですが、考えることが多い良作だと思います。
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No.6:
(4pt)

堂々巡りだが、ブレない悟り小説

娘を亡くしたことで、妻が去り仕事も家も失い、心が感情が壊れ死んだ男が様々な人と出会い関わり、何故か崇められ必要とされる、一見救世主誕生のようなストーリー。でも、そんな男は自分を、ヒトでなし、と思っている。

タワマンに住む借金塗れの級友や、莫大な資産を相続した女、すぐキレる若いチンピラ等、いずれも一癖ある人物たちと絡みますが、結局行き着く先は同じような結論になります。しかし、そこに至るまでの心理描写が相変わらず独特で実に巧みです。

特に中盤以降に小説の舞台が変わってからの展開は、人間関係ややり取りが更に濃密となり心の闇に切り込んでいきます。最後は息詰まるシーンが最高潮に達しますが、読み終えた時は思わずフーッと息を吐き出すほどの緊張感がありました。
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No.5:
(5pt)

ヒトではないものって。

主人公が迫力あります。 亡羊としているようで、なんだか強い吸引力がある。 人生すべてを投げ捨てているようだが、投げやりなわけでもない。 これまで見たことが無いようなキャラクターです。 主人公の周りに、次々と集まってくる人々もみんな真っ当な人生から外れてしまったヒトばかりです。 会話がテンポ良く進んでいくので、ぶ厚い本でもどんどん読み進めます。 京極先生の文体に酔わせられてしまいました。
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No.4:
(5pt)

なんなんだ、これは

もともと京極氏の文体は好きではない。
回りくどいし、べたべたと抒情的で、繰り返しが多い。
この小説も、主人公の独白で、いつもの文章が続く。事件は起こるが、とりたててドラマチックな展開になる訳ではない。
しかし、引き込まれていく。いつの間にかページをめくる手が止まらなくなる。
「一体、なんなんだ、この小説は」というのが正直な思い。言葉で他人へ伝えるのは難しい。読まないと、分からない世界がある。
主人公の回りに、IT長者になったが今は危ない筋の借金取りに追われる男、大金を相続したものの人間関係に嫌気がさして自殺しようとする女、ついカッとして恩人を殺してしまう頭の悪い少年、リストカットを繰り返す女、少女連続殺人犯の男やらが現れ、「ヒトでなし」の主人公に触れ、何かを得ていく。
展開はまだ序章に過ぎないのだろうが、早く続きが読みたくてたまらない。
京極氏の新しい代表作となる予感がします。
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No.3:
(5pt)

京極先生の行方は?

「死ねばいいのに」→「ヒトでなし」→「ヒトごろし」・・・最近の京極作品のタイトルってこんな感じ。 極端なキャラクターを設置して、そこから人生を俯瞰し、価値観を解体するような作業が続いています。 その先にあるのは、癒しでしょうか、虚無でしょうか。 京極先生が何処に行きつくのか今後が楽しみです。
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No.2:
(4pt)

期待をこめて4

シリーズというからには、これから彼等の大暴走が始まりそうだ、ということで期待をこめて4。 単発なら3でした。 というのも、ちと「人でなし」がくどすぎ。 そして物語が動くのが今一つ遅い。 この書きぶりは現代ものより百物語系の方に近いとは思うのですが、それでも何か動きがひどく鈍くて、少し読むのにへこたれそうになりました。 「人でなし」ということを説明するのにそれほどくどく書かなくてはならなかったのか。 その辺りが疑問です。 続きに期待です。
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No.1:
(4pt)

達観小説

本の帯に、犯罪小説であり思弁小説であり宗教小説であり…云々書いてあったが読んで納得しました。 禅問答や哲学書だと思います。 なんて言えば小難しいと思われるかもしれませんが、とても世俗的でもあり読みやすい。 私にとっては生きる意味や自分である事の辛さが薄らぐような、達観した主人公の想いの一つ一つにスッと軽くなれたような気がします。 なるほど。 教祖にと見込んだ友人の見る目は鋭い…てか、京極さんに脱帽しました。 シリーズらしいので次回作が楽しみです。
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