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ヒトでなし 金剛界の章
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ヒトでなし 金剛界の章の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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とても理屈っぽいヒトでなしぶりは京極さんだ。 話の進行が伊坂さんぽくもあったけど。 胎蔵界もあるんですよね。 | ||||
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京極のノン・シリーズ作品を読むのは久しぶりだ。 読みやすい文章の上に改行が多くてページの下半分が白いので、長くてもあっさり読めた。 自らをヒトでなしと自認する男が、自殺志願の女や破産したもと同級生と出会って、うだうだと話す。 呆れるほど何も起こらない。が、ある事件をきっかけに急転直下ストーリーが転がりだす。 人間失格者たちの重すぎる事情が錯綜し、事態は混迷する。 主人公は何があっても投げやりに「どうでもいいよ」という態度だ。 不思議とその態度が、悩めるクズたちを引き付ける。もしかすると、これは宗教の本質なのか。 同じクズの見本市を描いても、馳星周や桐野夏生ならまったく異なる印象を受けるだろう。 妖怪シリーズのような娯楽作ではないが、底に流れるものは共通しているように思う。 京極にしか書けない作品ではある。重い内容だが、どこか 飄々としている。 後半で前半の退屈さを挽回してくれるが、読者を選ぶ小説だ。京極ファンは読んだ方がいい。 | ||||
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正真正銘の「ヒトでなし」を主人公とした異色の物語。「ヒトでなし」の人間から見た時の社会正義、倫理観、生きる価値等を問うた諧謔小説の様である。冒頭から、「果たしてこれは物語になるのだろうか?」という疑問を抱かせる程に物語の要素に乏しいのだが、これをいつも通りの長編小説に仕上げている(文の最後と頁の最後を合せる作法もいつも通り)作者の筆力には感心させられた。しかし、作者のファンでない方にとっては、読み通すのがキツイのではないか。 途中から新興宗教(カルト教団)小説になるのではという予想に反し、最後まで思弁小説で貫いている姿勢も如何にも作者らしい。言ってみれば、全編、詭弁で成り立っている小説なのだが、所々、我が身を考えさせる箇所がある点が流石と言える。ワザワザ、複数のシリアル・キラーを登場させながら、正真正銘の「ヒトでなし」に比べれば、シリアル・キラーの方がまだしも"人間らしい"という辺りが作者の本領発揮か。「金剛界の章」とあるので、続編を予定しているらしいが、どのような展開になるのか楽しみである。 | ||||
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