(短編集)

ダック・コール



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初公開日(参考)1991年02月
分類

短編集

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ダック・コール (ハヤカワ文庫JA)

1994年02月01日 ダック・コール (ハヤカワ文庫JA)

石に鳥の絵を描く不思議な男に河原で出会った青年は、微睡むうち鳥と男たちについての六つの夢を見る―。絶滅する鳥たち、少年のパチンコ名人と中年男の密猟の冒険、脱獄囚を追っての山中のマンハント、人と鳥と亀との漂流譚、デコイと少年の友情などを。ブラッドベリの『刺青の男』にヒントをえた、ハードボイルドと幻想が交差する異色作品集。“まれに見る美しさを持った小説”と絶賛された第四回山本周五郎賞受賞作。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.67pt

ダック・コールの総合評価:8.55/10点レビュー 29件。Bランク


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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(5pt)

男っぽい短編集でした

「狩猟小説」というものがあるのかはわかりませんが、この作家はそういったジャンルの話を書いていきたいらしい。心に響くエピソードが二つありました。

わたろう
0BCEGGR4
No.2:
(5pt)

インドア派とは対角に位置する。

まず始めに断っておきたいのが、この作品自体がミステリ作品ではなく、あくまで純文学であり本来の評価が話の面白さによるものであるべきではないということです。自然を見事に描写した美しい文体で情景を豊かに描いており、私自身全く鳥や自然については詳しくないですが、それでも情景がしっかりと浮かびました。
この作品には作者の人柄がよく表れていると思います。短編集として一貫されているのは鳥が出てくること。自然に触れることやその美しさに著者が深い関心を持っていることがわかりました。対して完全にインドアな私としてはあまり興味を持てず、結果としてうわの空になりながら読んでしまいがちでした。

個人的には、第四話の「ホイッパーウィル」が印象に残りました。もと軍人の日系アメリカ人であるケンが警察と共に脱獄囚を追という話。日系であるがゆえに人種差別を受け、インディアンに間違われるといった心情が精緻に描かれています。

陰気な私は地球を回さない
L1K3MG03
No.1:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

古き良き老人の昔語り

稲見一良という作家との出会いは『このミス』である。見慣れない作家が過去にもランクインしているのを見て興味を持ったのが最初。寡作家だったので当時その作品は比較的手に入りやすく、文庫化されていた作品は容易に手に入った。

物語の構成は世俗に疲れて旅に出た若者が出会った男が紡ぐ物語という構成を取っている。その男は石に鳥の絵を描くのを趣味としており、それら石に纏わる、もしくは連想される話という趣向が取られている。

「望遠」はCM会社に勤める男が撮影用の写真を撮るため、何日も寝ずに待っていたが、そこに稀少種の鳥がいるのを発見するという話。仕事を取るか、己が心底欲する物を取るか、惑う瞬間を描いた作品。

「パッセンジャー」は危険と知りながらも敵対する村の近くへ狩りに行った男が目の当たりにする鳥の大量虐殺の話。

「密漁志願」では癌を患って退職した男が狩猟中に出会った少年とのふれ合いを描き、「ホイッパーウィル」ではネイティヴ・アメリカンの脱走兵とそれを捕まえに行った男を描く。

「波の枕」は老人が若かりし頃、難破した船から辛くも逃れて亀に捕まって漂っていた夢を、「デコイとブンタ」は狩猟用の木彫りの鴨の彫刻と少年の冒険譚といずれもメルヘンチックな話。

これらに共通するのは自然の恩恵に対する敬意と慈しむ心だ。読書と銃と狩猟を趣味とした作者が人生の晩年に差し掛かって残そうとした自然に対する思いが優しく、また時に厳しい警告を伴って心に染み渡っていく。
泥臭ささえも感じさせる男の矜持、不器用さ、腕白少年のカッコよさ、自分の主義を愚直なまでに死守する姿勢など、忘れかけていた人間として大切なものを思い出させてくれる。
便利さが横行した現在ではもはやここに書かれている内容はもう既に一昔前の話、老人の昔語り程度ぐらいにしか感じてくれないかもしれない。でも十人のうち一人でもこの稲見一良という作家が残したかった物を感じ取ってもらえればそれで本望ではないだろうか。

私はこの作品を手に取るまでにはずい分と時間が掛かった。ずっと積上げたまま、読むその日が来るのを待っていた。その待っている最中に作者の人となりを知る機会があった。彼自身が癌に侵され、闘病生活の末に生き長らえた事。しかしまだ病巣は残っており、いつ再発してもおかしくない事。そんな背景から彼が高齢になって作家に転身した思いが作品に乗り移っていることを知った。
そしてこの作品に出てくる人物は作者の分身だ。稲見氏の生き様さえも見え隠れして、それまでの歩みを、またはこれからしたいであろう事が語られている。一人の人間として尊敬の念を自然と抱かせてくれる、そんな作品だ。
男ならば是非とも読んでほしい珠玉の短編集。私は永遠にこの本を手元に置いて決して離さずにいようと思う。


Tetchy
WHOKS60S
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.26:
(5pt)

懐かしく読ませていただきました。

稲見一良さんのファンです。
この本だけなかったので買って満足です。
ダック・コール (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:ダック・コール (ハヤカワ文庫JA)より
4150304025
No.25:
(4pt)

大人のメルヘンを探す人へ

"画が上手というのではなかった。むしろ稚拙といえた。そして正確でもなかった。図鑑的な見方をすれば、形や色に写実が徹底しないところがあった。だがそんなことは問題ではなかった。これを描いた者の、鳥たちへの深くあたたかな愛情があった。"1991年発刊の本書はハードボイルドから幻想まで美しい6つの連作集。

個人的には本書が優れた物語性を有する小説・文芸書に贈られる文学賞【山本周五郎賞受賞作】という前情報だけで手にとってみました。(本との出会いは偶然さもたまに楽しい)

さて、そんな本書はブラッドペリの『刺青の男』にヒントを得て、冒頭で川辺や浜辺で拾った石に鳥のイメージを描く男に出会った若者が【石の鳥に魅了されて次々と見る6つの夢ー6つの物語】として読者の前に展開していくのですが。

映画撮影から密猟、脱獄囚のマンハント、漁師の漂流から観覧車からの脱走まで。それぞれの物語同士が直接的に関係しあう事はなくも、大人の男性になっても【どこかで持ち続けている自然と共にある原風景】少年心を想起させてくれて懐かしかった。

また余談的だが、いつか。いや近い目標としてキャンピングカーもとい【ブックバスの様な移動本屋で旅に出たい】そんな事も考えていることから、密猟をテーマに中年男とパチンコ名人の少年、そして施設の老婦人との交流を描く『密猟志願』は(中年男に)ドンピシャに感情移入させられて特に気に入りました。

男性的な大人のメルヘンを探す人へ。また自然や鳥をテーマにした作品好きな誰かにもオススメ。
ダック・コール (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:ダック・コール (ハヤカワ文庫JA)より
4150304025
No.24:
(5pt)

発想が面白い

ラジコンボートでカモの追い出しをするところがあるが、今はラジコンボートで撃ち落したカモの回収が出来るようになった。発想が面白い。2読目
ダック・コール (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:ダック・コール (ハヤカワ文庫JA)より
4150304025
No.23:
(4pt)

面白い!

石に鳥の絵を描く不思議な男に河原で出会った青年は、微睡むうち鳥と男たちについての六つの夢を見る―。絶滅する鳥たち、少年のパチンコ名人と中年男の密猟の冒険、脱獄囚を追っての山中のマンハント、人と鳥と亀との漂流譚、デコイと少年の友情などを。ブラッドベリの『刺青の男』にヒントをえた、ハードボイルドと幻想が交差する異色作品集。“まれに見る美しさを持った小説”と絶賛された第四回山本周五郎賞受賞作。
ダック・コール (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:ダック・コール (ハヤカワ文庫JA)より
4150304025
No.22:
(3pt)

情景描写はリリカルだが・・・

鳥にまつわる短編集.
いずれも若干アウトローな主人公と鳥とのエピソードが描かれる.

自然と鳥との風景を描いた情景描写は詳細で詩的であり美しい.
主人公たちは孤独感や疎外感と,
鳥にまつわるエピソードから他者や社会との関わりを描くストーリーも悪くない.

ただ,思わせぶりな割に,ストーリーに大きな山場があるわけでもひねりがあるわけでもないし,
おすすめミステリーとして挙げているサイトを見て読んでみたが,少なくともミステリーではない.
といって,純文学としては,地の文章から登場人物の心理が伝わってこない.
なんだか中途半端な印象.
ダック・コール (ハヤカワ文庫JA)Amazon書評・レビュー:ダック・コール (ハヤカワ文庫JA)より
4150304025



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