心憑かれて
- 精神科医 (98)
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やはりと言うか、流石と言うか。 綿々と続く日常生活の描写と、そこに併走する登場人物の心理描写が、とにかく読ませます。 女児に執拗な執着を持つ32歳の男性キャラクターはともかく、二人の女児と、彼女らを取り巻く家庭の描写が、とにかく不穏で。 あぁ、アメリカ女性の男性嫌悪って、こうやって始まるんだ。 あぁ、アメリカ男性のある種の女性恐怖って、こうして根付くんだ。 …ってな事が、やたら腑に落ちました。 アメリカって国は、巨大な人間社会の実験装置みたい。この国で、いわゆる平凡な人間が幸せになるのは、至難の技なんだろうか。いや、もちろん幸せな人は一杯いるだろうけど。 ミラー作品て、こうやって人の心って壊れて行くんだ、っていう実況中継の様なお話ばかりなんですけど、その観察眼が神がかっていて、読むのを止められません。 | ||||
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ある中年の男が九歳の女の子に惹かれ・・・というお話。 ここで展開されるペドフィリア、所謂ロリコンに関しては昨今非常に問題になっていて、私も九〇年代にアンドリュー・ヴァクスやベンジャミン・シュッツの作品に衝撃を受けた口なのですが、これが書かれた六〇年代はまだ然程問題になっていなかったせいか、割合淡泊に書かれている所に時代を感じました。例えば、主人公の精神に問題を抱えた男から少女の親に無署名の手紙が来ても、性犯罪を疑ったりしないで、分かれた夫からの脅迫を疑ったり、警察でも全く性的な犯罪だと思わない所など。そういう意味でこの時点でこういう問題の小説を書いたマーガレット・ミラーという人は、前書きの内容を鑑みても先見性のある作家だったのだなと、思いました。 まぁ個人的に今の私の脳がおかしいせいで、意外な結末等は衝撃を受けませんでした(残念)が異常心理をあつかったニューロティック・スリラー(サイコ・スリラーの前身)として重宝されるべき作品に思いました。 文章の流麗さに定評のある偉大な作家の残した秀作。機会があったら是非。 | ||||
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性的変質者を扱った話ということで、もはやそれが小説の中だけに存在するものではなくなった今、ミラーの他の作品に比べて読みにくいイメージがする本書ですが、実際はずいぶん読みやすい穏やかな話です。 この作品の主人公である精神異常者は、害のない心に病を負った男という感じです。謎と言う謎がなかなか出てきませんが、人物の描写がとにかく上手く、主人公のチャーリー、ベン、ルイーズのそれは特に非凡であると思います。他にも、少し中途半端に終わり、割と真相もあっさりしていた感もありますが、最後までゆったりした暖かい感じの話です。 まったく今ではきついテーマですが、それを熱い場面も静かな調子で描いたサイコサスペンスでした。 | ||||
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