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雪の墓標



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【この小説が収録されている参考書籍】
雪の墓標 (論創海外ミステリ 155)

雪の墓標の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

愚かで悲しい愛ばかり・・

心理ミステリーの巨匠マーガレット・ミラーが1952年に発表した長編第10作。とはいえ、ミステリーやサスペンスというよりロマンティックな要素が勝った作品である。
泥酔したあげく嫉妬から愛人を刺殺したとして逮捕された娘ヴァージニアを救うために、ミセス・ハミルトンはデトロイト近郊の町にやってきた。ヴァージニアの夫に依頼された弁護士ミーチャムが、ヴァージニアの釈放を求めて活動していたがなかなか容疑が晴れず、ヴァージニアは拘置されたままだった。そんなとき、ロフタスという青年がミーチャムに近づき、「自分がやった」と告げた。さらに、ロフタスは告白書を持って警察に出頭し、ヴァージニアは釈放されることになった。これで一件落着と見えたが、ロフタスと被害者の関係がよく分からず、ミーチャムは納得できないでいた。
ヴァージニアは事件当時の記憶がなく、不利な状況証拠ばかり。一方のロフタスは犯行を認めているものの犯行動機に説得力がない。果たして、どちらが犯人なのか? あるいは第三者の真犯人がいるのか? ミーチャムを主人公にフーダニット、ワイダニットの物語が展開され、最後は意外な結末を迎えることになる。
本作の魅力は、捜査プロセスのサスペンスやスリルではなく、優しくて愚かな登場人物たちの悲喜こもごものドラマにある。1950年代のメロドラマを見ているような、やるせなさ、切なさが強い印象を残す。まさに「心理ミステリー」である。

iisan
927253Y1

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