Yの悲劇



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Yの悲劇【新訳版】 (創元推理文庫)

2022年08月19日 Yの悲劇【新訳版】 (創元推理文庫)

ニューヨーク湾に浮かんだ死体は、行方不明だった大富豪ハッター家の当主ヨークのものだった。警察は自殺と結論づけるが、二ヶ月後、ハッター邸で毒物混入事件が発生。解決を要請された名優にして名探偵のドルリー・レーンも手をつかねるうち、ついには屋敷で殺人が……。一族を相次ぎ襲う惨劇の恐るべき真相とは? 巨匠クイーンのレーン四部作屈指の傑作であり、オールタイムベスト常連の古典名作ミステリが21世紀によみがえる!(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.31pt

Yの悲劇の総合評価:8.08/10点レビュー 131件。Sランク


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全13件 1~13 1/1ページ
No.13:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

Yの悲劇の感想

40年以上前に読み6年ほど前に読み返したが、今回新訳を読んでみた。
翻訳物が苦手でもスムーズに読めるほどうまく、小説になっていた。
前のような差別用語がないのは逆に物足りなさは残りますが
これからこの作品を読む人にとっては、この本はおすすめである。
90年前の作品の点数ではない。

jethro tull
1MWR4UH4
No.12:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

Yの悲劇の感想

数学者や論理学者的な突き詰め方、悪く言えば偏屈さは、もちろん感心させられるのですが、見方を変えると、「推理小説」のためにとことん整えられた舞台という印象も少なからずありました。

▼以下、ネタバレ感想

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マー君
S2HJR096
No.11:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)
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Yの悲劇の感想

意外な犯人を成立させるために周りの人物を特異な設定にして、ひとつひとつ積み上げていく物語の作り方は当時とすれば驚嘆に値すると思います。それこそ誰も書かなかったミステリと言えるでしょう。
当時の社会から見れば差別にあたる物言いや捉え方はそう問題とは認識していなかったのでしょうが、現代にこれを読むとやや心苦しい点があります。それはさて置いて、血脈というものに焦点を当てて大げさな問題として
事件の中に溶け込ませるこの手はクイーンが最初なんでしょうか。足跡、凶器、毒薬の存在、といろいろな謎を絡ませていながら大きなミスリードを誘う前半の事件が最大限の効果を発揮するところがこのミステリの胆です。
ここを書きながらダネイとリーはほくそ笑んだことでしよう。犯行や動機については一見無理筋のように思いますが、とにかく意外な犯人を作り上げるには致し方ないのかも知れません。
半分ほど読み終えてドルリ―・レーンに先駆けて犯人を指摘した人はどれほどいたのでしょうか。ホワイ、ダニットがこれほど悩ませるのも特筆です。
やはりエラリー・クイーンはミステリの神様です。

ニコラス刑事
25MT9OHA
No.10:6人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

Yの悲劇は本当に終わったのか?

各種オールタイムベストランキングで常に1,2位、少なくとも上位5位以内には位置を占める不朽の名作『Yの悲劇』。21世紀の世になり、かなりの小説を消化してきてようやく着手した。

舞台となるハッター家の邸に住まう、気ちがいハッター家と世間で揶揄される面々がいつもに比べて非常に強烈なキャラクター性を放っている。
傲岸不遜を地で行くエミリー・ハッターを筆頭に、精神的虐待で自身の私的研究室に終始篭っていた被害者ヨーク。世間で天才の名を恣にしている長女で詩人のバーバラ。学生の頃から今に至るまで夜の街で暴れては警察の厄介になり、各種の犯罪を犯しては母の権力でもみ消してもらっている無頼派の長男コンラッド。美貌を活かし、男をとっかえひっかえして、数多のスキャンダルを繰り返す末娘のジル。ハッター家に嫁ぐもエミリーの君主的支配からヨーク同様の生きる屍の如く毎日を送るコンラッドの妻マーサ。そしてコンラッドとの間に出来た二人の息子ジャッキーとビリーは狂暴かつ乱暴で悪知恵が働き、常に残忍な悪戯をして周囲を困らせている。そして聾唖盲の三重苦を背負ったエミリーの前夫との娘ルイザ。

なんともヴァラエティに富んだキャスティングではないか。今まで読んだ他の作品と比べても、エラリーが本作に多大なる力を注いだのがこの人物設定からも十分窺える。
そして『Xの悲劇』が様々な公共交通機関で起こる、云わば外に向けられた連続殺人劇であるのに対し、この『Yの悲劇』は古典ミステリの原点回帰とも云うべき、ハッター家という邸内で起こる連続殺人劇というのが非常に特徴的だ。これも作者が正面から古典本格に戦いを挑んだ姿勢とも取れる。

このクイーンの過去の名作への挑戦とも云える本書の感想を率直に述べよう。
確かに傑作。これはすごい。読み終わった後、鳥肌が立った。これほど明確なまでに探偵の収集した情報を読者の眼前に詳らかにした上で、最後の舞台裏の章で明かされる事件の真相の凄さ。本作で展開されるロジックの畳み掛けはクイーン特有のロジックの美しさというよりも、論理を超えた論理とも云うべき凄味すら感じさせられた。

この書を手に取るに辺り、多大なる期待と多大なる不安があったことをまず正直に述べておこう。なぜなら私自身、これまで数多の推理小説を読んできたと自負しているので、世の読書家、書評子の方々が諸手を挙げて傑作、傑作と囃し立てるほどの驚きは感じられないだろうと高を括っていた。が、全く以ってそれが自身の自惚れにしか過ぎないことが読後の今、痛感させられた。

ここで子供じみた自画自賛的主張を述べるが、真相に至る前に犯人は解っていた。私には十全に推理が組み立てられなくとも、読書の最中で、ふと犯人が閃く事がある。それは各登場人物の描写における違和感や何気なく描かれた一行程度の仕種だったり、探偵役の調査の過程で思弁を凝らした時だったり、添付された見取り図をじっと凝視している時に、電撃のように頭に閃くのである。時にはそれが作者の文体の癖からだったりもし、これになるともはや推理というよりも単なる勘であるのだが。
で、今回はレーンが実験室を調査中にふと閃く事があり、その直感を元に見取り図を見て、ある文字が頭に飛び込んできた時に、ざわっとしたような啓示を受けた。その時、浮かんだのは、この手の真相はこの小説が起源だったのかということだった。そしてこの時浮かんだ島田氏の本書の題名に非常によく似た作品について、恨みめいた感情を抱いたものだ。

だから舞台裏の最初でレーンの口から犯人が明かされた時、正に我が意を得たりといった満足感があった。この真相は発表当時は衝撃だったであろうが、今となっては一つのジャンルとなりつつあるこの手の真相を扱った小説、映画を観てきた現代人にしてみれば、それほど衝撃的ではないし、逆にこの趣向を使ってもっと戦慄を感じさせる小説は後世にも出てきており、何故これほどまでに今に至って傑作と評されるのかが疑問だった。
しかしそれから展開される探偵の推理と真相はページを捲る手を休ませないほど、微に入り細を穿ち、なおかつ堅牢無比のロジックが目くるめく展開する。

未だに「推理小説で凶器といって何を思い浮かべるか」という質問があったときに、「マンドリン」と答える人が複数いるという。それは暗にこの小説で扱われた凶器がその人たちの記憶に鮮明に残っているからなのだが、これは確かにものすごく強烈に記憶に残る。いやむしろ叩き込まれるといった方が正鵠を射ているだろう。
小学校で習う掛け算の九九や三角形の面積の出し方、円周率が3.14であることと同じくらい、死ぬまで残る記憶に残るのではないか。私も30過ぎて読んだが、多分今後このマンドリンという凶器とそれをなぜ犯人が使ったのかという理由のロジックの見事さは忘れられないだろう。

更にこの犯人であることを補完する証拠や犯人の心理がレーンの口から理路整然と次々に語られる。そしてこれが犯人が犯人であるだけに論理だけに落ちず、感情的にも深く心に染み込む理解となった。
そして読後の今、私が犯人を当てたなどは単なる直感に過ぎず、何の推理もしていなかったことが気持ちのいいほど腑に落とされた。自信喪失というよりも爽快感しかない。

そして最後の毒殺の真相。これがこの作品に他作とは一線を画する余韻をもたらしている。レーンのこの事件で感じた絶望が読後、時間が経つにつれ心の中に染入るほどに降り積もる。

読後の今、この作品を振り返ってみると、これはエラリー・クイーンが書いたとは思えないほど、暗い物語だ。家庭内の悲劇が事件によって暴かれる。これは正にロス・マクドナルドではないか。もしかしてロスマクの諸作品はこの『Yの悲劇』が下敷きとなっているのではないかとも取れる。
犯行の動機があまりに短絡的でありながら純粋かつ無邪気なところがこの驚愕を際立たせる。そして今現在、日本各地で起こっている衝動的殺人のほとんどがこの『Yの悲劇』と同様の動機であることに思い当たる。だからこそ現代でも燦然と輝く傑作なのか。

そして私はこれは未完の傑作だと考える。なぜなら冒頭のヨーク・ハッター氏の真相が明かされていないからだ。ヨーク・ハッター氏は果たして自殺だったのか、それとも?なぜヨークは失踪したのか?
まだ『Yの悲劇』は終わらない。


▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.9:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

日本人に好まれる海外ミステリの代表

海外では『xの悲劇』などの方が評価が高いようですが、日本ではとにかく人気な海外ミステリ作品ですね。
私もクイーンの作品の中ではこれが一番好きです(そこまでたくさん読んでるわけじゃないですが……)
とにかくキチ○イ一家たちのキャラが立ってて面白いですし、予想外で衝撃的な結末に驚かされた作品でした。

今読んでも面白いと思う一方「狂った一族に流れる犯罪者の血が~」などという差別と偏見に満ちた発言を、完璧超人のように描かれる探偵役がさも客観的事実として口にしてしまっているのは違和感を覚えずにはいられないですね。
DNAと遺伝子の関係すらわかっていなかった当時を踏まえれば、現代の価値観で批判してはいけないということはわかるのですが……

この作品が日本人好み、というのは日本の推理小説の巨頭である横溝御代の『金田一耕助シリーズ』にも多大な影響を与えているであろう所からもうかがえるかと思います。
条件によって分配が変化する奇妙な遺言状によって過熱する骨肉の争いという面は『犬神家の一族』
一族から不遇の扱いを受けた末に変死した男が、実は生きていて復讐しているかのように事件に不気味な影を匂わす展開は『悪魔が来たりて笛を吹く』
そしてその一連の殺人計画のシナリオは……という面では『×××』と





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マリオネットK
UIU36MHZ
No.8:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

何が悲劇かと言われると

えっ??ここで終わり!?
クイーンの作品はどれも意外な犯人と結末にいつも驚かされるのですが、「Yの悲劇」もまた然りでした。古典作品なので誰よりも先駆けているのに、こんな作品読んだことない!と結末に驚愕しました。言葉を矛盾させると、斬新です。

ストーリーや構成はとっても見事だったんですが、考え方の古臭さや前作ほどドルリー・レーンが魅力に欠けていた点が若干マイナス。

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陰気な私は地球を回さない
L1K3MG03
No.7:
(9pt)

意外な犯人

登場人物のキャラクターが丁寧に描かれています。

わたろう
0BCEGGR4
No.6:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

Yの悲劇の感想

十角館の殺人が初出される半世紀以上前に、本格物の黄金時代を迎えていたアメリカにおいて登場したのが本作品。論理的なレーンの解決手法、結末の意外性、場面やキャラクターの強烈さ、科学的捜査や検証もあり、現代人が読んでも十分に読み応えある作品。まさに、八十年前の作品とは思えない、東西ミステリーの傑作として君臨する作品。


氣學師
S90TRJAH
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(6pt)

Yの悲劇の感想

傑作と名高い作品なのですが…。
フェアな文章はさすがですが、正直無理がありすぎかと…。
個人的な好みで言えばXの方が好きです。
とはいえ解答編での伏線回収とロジックは見事なうえ、ラストの衝撃は素晴らしいものがありました。

歌舞伎蝶
LMC3R9P9
No.4:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

Yの悲劇の感想

Xの悲劇に続いて読了。本格推理の代名詞とも言うべき作品であるのは知っていましたが、個人的には好みでは無かったです。フェアに書かれている手がかりから読者も真相にたどり着ける、と言う論理的な内容に文句は有りません。ただ、時代背景なのか国民性なのか分かりませんが、あまりにも差別的に偏った思いによる最後の判断。
前作のレーン氏のヒーローっぷりに魅せられておりましたので、鬱々と苦悩する様子に魅力は半減です。神ならぬ身に探偵は荷が重いのか?

なおひろ
R1UV05YV
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(10pt)

Yの悲劇の感想

初読了の海外ミステリ長編。終盤の騒然とした雰囲気から打って変わっての穏やかな雰囲気が。不安感を見事に打ち消して解決編というラストは見事。まさにこのカタルシスのための焦らし戦法。これをきっかけに海外ミステリ長編への苦手意識は克服できそうです。

水生
89I2I7TQ
No.2:5人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

Yの悲劇の感想

たまには海外古典でもと思い図書館で借りてきて読んだ作品です。
四部作の2番目の作品ですが、Xの悲劇が図書館になかったため、この作品を手に取りました。
若干の後悔があります。
クイーン作品は今更ながら初読でした。
クリスティの名作は、未読でも結末を知っている作品が多いのに・・・こんな衝撃的な結末の作品を何故これまで知らなかったんだろう。


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梁山泊
MTNH2G0O
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(2pt)

当時は面白かったのかな・・・?

意外な犯人や凶器の謎、そして推理のロジックも良く出来ている。
だけど他人の評価の印象に影響を受けている気がして、
私には面白みが分からなかった。
やはり時代や国の問題だろうか。

Emm
Q2MI66AG
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