ギリシア棺の謎



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初公開日(参考)1959年01月
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長編小説

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ギリシャ棺の謎【新訳版】 (創元推理文庫)

2014年07月30日 ギリシャ棺の謎【新訳版】 (創元推理文庫)

ギリシャ人美術商の豪邸で起きた小箱の消失に端を発する難事件は、若き日の名探偵エラリーを極限まで追いこむ強固な謎をはらんでいた。〈国名シリーズ〉最大級の傑作登場! (「BOOK」データベースより)




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ギリシア棺の謎の総合評価:7.84/10点レビュー 51件。Aランク


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全5件 1~5 1/1ページ
No.5:
(6pt)

もやもやする部分(駄文注意)


▼以下、ネタバレ感想

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tool
VQI3B6U0
No.4:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

クイーンのチャラ男ぶりが見れる本格ミステリ

シリーズ4作目での趣向はトライアル&エラー、つまり複数の推理による事件の解決である。つまり今回、エラリーは一度誤った推理を犯し、二度目は父親である警視の推理に出し抜かれ、三度目にしてようやく真相に辿り着く。
この趣向を行うために作者は時代を遡り、エラリー最初の事件としている。そしてその趣向のため自然ページ数も最大となってきている。つまりそれほどこの作品には自信があるということだ。

で、その自信作はというと、いやあ、確かに素晴らしい出来映え。またもやものの見事に騙された。今回は真に完敗である
正直に云えば、犯人が明かされたとき、驚きよりも懐疑が勝っていた。この真相はちょっと狙いすぎだろうと。しかし40ページに渡って繰り広げられるエラリーの推理を読んで、その心境は喝采に変わった。実に素晴らしいどんでん返しだと。正にこれはクイーンがこれだけのページを費やすに値する自信作だ。

本書における真犯人は第4の犯人であるが、読者への挑戦は第3の犯人が提示される前に挿入されている。この第3の犯人を立証する論理が非常に穴だらけで、何だ、これは?とこぼしてしまったが、それを洗い流すだけのカタルシスが最後に得られた。

しかし、本書において1つだけ腑に落ちない論理がある。それは第1段階の推理で判明する被害者の従弟が色盲であるという事実を証明するシーンだ。
その従弟は緑が赤に見え、赤が緑に見えるという。これがちょっとおかしい。本書ではこの色盲を部分的色盲と述べているが、例えば赤が緑に見えるのは解るにしてもその逆が成り立つかどうか甚だ疑問である。
そしてこの推理にはもう1つの解釈が出来る。このギリシアから呼ばれた従弟は白痴であり、それゆえに単語を覚える段階で「赤」を「緑」と覚え、「緑」を「赤」と間違って覚えたという解釈だ。こっちの方が理論的にすっきりすると思うのだが。

あと事件の発端ともいうべき、紛失した遺言書をいかに盗んだかについて何ら解明されていない事だ。誰かが盗んだのは出てくるにしても、執事がうたた寝しながらも金庫の前に鎮座していたという状況下でどのように盗んだのか興味があったのだが、結局それについては流されてしまった。事件の捜査が進むに連れ、この無くなった遺言書についてはそれほど重要視されなくなったのも気になった。
あとタイプライターについての推理は、読者、特に日本の読者には推理しようにも出来ない代物だ。どこのタイプライターか、特定する材料として£(英国ポンド)のキーがある珍しいタイプという述懐があるが、解明の糸口となる電報の件でもポンドはカタカナ表記だし、これは正に騙し打ちの感がある。まあこれは海外ミステリの抱える一種の業のようなものだから仕方ないか。

また、この時代を遡るという設定は今までの作品と違って、エラリーの理解者である父親のクイーン警視や地方検事のサンプトンらが、エラリーの存在を疎ましく思っている効果を生み出し、それが面白い。とはいえ、他の名探偵物に比べるとやはり警視の息子ということで特別扱いをされている感は否めない。
明らかに捜査の邪魔となるエラリーの気紛れな所作は、激昂の上、退場を命ぜられてもおかしくないものばかりだし、また大学出たてのくせに周囲の大人にタメ口をきく無礼さ―まあ、これは翻訳の綾かもしれないが―も寛容に受け止められている風がある。

それ以外に、時代性を感じさせる表現があったので、ここに書きとめておこう。
書中でおやっと思ったのは事件のキー・パーソンとなっているハルキス氏の秘書ジョアン・ブレット女史が自分の年齢が22で、結婚年齢が過ぎたと述べていること。これは早すぎではないか?というより、この1930年代とはそういう風潮だったのか?今の日本の結婚適齢期を考えると、ものすごい隔世の感がある。
そしてエラリーは明らかにこのジョアン女史に色目を使っている。ちゃらちゃらしてますね、彼。そして初対面時のくどき文句がすごい。
「僕が、あなたについて、たとえ予備知識をもっていなかったとしても、僕の循環組織が、それを教えてくれるとは、お考えになりませんか」
つまり、要約すると、「貴女の事について、何も知らなかったとしても、いきなり胸がドキドキしたってこと、解ります?」ってことなんだろう。これをわざわざ回りくどい表現を使うクイーン。まあ、大学ぽっと出の、頭でっかちな時にしか浮かばないセリフだな。

今回は密室状況下での殺人とかダイイング・メッセージとか、衆人環視での殺人、人物消失などといった不可能趣味というよりも色々出てくる事実に辻褄が合う1つのストーリーはこれだ!といった類いのミステリだったので、決定的な証拠があるわけでもなく、読者への挑戦まで堅牢な自分の推理というのが持てなかったのが、悔しい。が、やはりこれほどまでにロジックに彩られたミステリはやはり面白いものだ。
そして最後の中島河太郎氏によって明かされる本書に隠された趣向もまた素晴らしい!いやあ、やるねぇ、クイーン!


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Tetchy
WHOKS60S
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

作家クイーンの全盛期にして、探偵クイーンの成長期の作品

『国名シリーズ』の4作目ですが、時系列的には大学を卒業したたてのクイーンが本格的に犯罪捜査に関わった最初の事件とされている作品であり、それゆえにまだ彼が探偵としても人間としても未熟な面が多々あり、後期クイーン問題とはまた違った苦渋を舐めさせられることになるお話です。
クイーンに限らず、なぜ名探偵は何かに気づいていながらもったいぶった言動で最後まで真相を告げず、周囲の人間や読者をイラつかせるのか、という答えを提示してくれていると言ってもいい作品です。

この事件は作中人物が、どいつもこいつもとにかく嘘つきだらけです。
そして真犯人を筆頭に事件の中心にいる人物ほど、重要かつ高度な嘘をつくので、探偵と犯人の壮絶な知略戦に読者は巻き込まれることになります。

ロジカルさもさることながら、まさに二転三転していく真相は凄まじいものがあり、戦前ですでにこんな作品があっては、欧米ではとっくに本格推理というジャンルが廃れてしまったのもやむなしか……と思うほどでした。

クイーンの中で「最長」の作品でもあり、海外古典で500ページクラスとなると少し読むのに尻ごみしましたが、序盤から終盤まで話の動きが大きかったので退屈せずに読めました。ただ、登場人物が多いわりに人物相関がわかりにくいのが難点かなと。

▼以下、ネタバレ感想

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マリオネットK
UIU36MHZ
No.2:
(5pt)

謎か秘密か統一してください

まあまあでした。厭きませんでしたが。

わたろう
0BCEGGR4
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

ギリシア棺の謎の感想

古典的クイーンの名作を、KMCのメンバーでもある北田さんの翻訳で読ませていただきました。中学の頃この本を創元文庫で買ってよんだのですが、訳が固くて大変読みにくいといった印象でした。作品自体も長くて挫折しそうになりました。今の新訳はよみやすく頭にすぐはいってきました。 自分の好きなジャンルであるダビンチの美術作品に絡む殺人事件で、活躍しているエラリーの若々しさが感じられる作品です。論理的で緻密な解決方法を述べているところはさすがクイーンですね。

氣學師
S90TRJAH
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未読の方はご注意ください

No.46:
(4pt)

トリックとロジック攻めの傑作パズラー

クイーンの国名シリーズの中で代表的な傑作とされる。かつて同シリーズ最高作は「エジプト十字架」であり、次点が「ギリシャ棺」か「オランダ靴」という位置づけだったが、約10年前に出された「東西ミステリ・ベスト100」では逆転し、本作がもっとも上位になった。
本作の真犯人は事件解明へのミスリードを繰り返し、かなり強敵。エラリィの最初の推理は犯人に騙されたカタチだが、そのロジックが非常によくできていて感心する。推理後に出てきた証言で、全てがひっくり返る趣向も大変面白い。
後半もトリックとロジック攻めで、さすがにエラリィ・クイーンというところだが、謎解きミステリの宿命とはいえ、本作のロジックはやや強引さが目立つし、犯行動機も説得力を欠くように思う。あまり細かいことは気にせず、パズラーとして純粋に楽しむのがコツ。
ギリシャ棺の秘密 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 3-30)Amazon書評・レビュー:ギリシャ棺の秘密 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 3-30)より
415070130X
No.45:
(3pt)

完全なネタバレなのでご注意を

私は子供のころからの推理小説ファンで、今でもおりにつけて読む。
アンチの立場からの言い分ではないが、これまでたぶん千の単位でいろいろな作品を読んできた結果として言うと、いわゆる「つっこみどころ」のない本格推理小説は1冊もない。あるというのなら、未読のものであるのは間違いないので是非とも教えてほしいと思う。
違いは、無理があるその「程度」の違いに過ぎないと思う。で、クイーンのこの作品は、その設定にかなりの無理がある方に属するだろう。
あやしいフシがあるということで棺桶を掘り出してみると、なんと思いもしなかったもの、もう一つの死体が発見されるという話。
あっとびっくりするのは確かだが、実践するのは殆ど無理であろう。骨の数が合わない、なんてのはあり得るかもしれないが、成人の男一人がプラスされているなんて、とうてい考えられない設定である。
だいいち、実行の現場を発見される可能性を勘案すると、そんなリスクを犯す必然性はゼロ。他にもいくらでもやりようがあったことを否めない。
なんのために密室にするのか分からない密室殺人というのが、けっこうあったけど、それと同じだ。
要するに、奇抜な話を楽しむ点に主眼を置かなければ、とても読めたものじゃないわけで、まあ、それでもなんとかそれなりには読めたのがこの小説であったのでした。
ギリシャ棺の秘密 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 3-30)Amazon書評・レビュー:ギリシャ棺の秘密 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 3-30)より
415070130X
No.44:
(5pt)

国名シリーズで一番の傑作

エジプト十字架の謎が通例では一番の傑作と評されているようですが、ぼくは一番はこの「ギリシャ棺」だと思います。

プロット・状況設定全てにクイーンの冴えたストーリー・テラーぶりが発揮され、その意外な犯人にたどり着くまで一気に読ませるその技量たるや素晴らしいの一言。国名シリーズ全部読まなくてもこれはぜひ読んで欲しいです。
ギリシャ棺の謎【新訳版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ギリシャ棺の謎【新訳版】 (創元推理文庫)より
4488104398
No.43:
(4pt)

ミステリーの王道

トリックの奇抜さ、自然なストーリー展開、意外な犯人。しかし、実際の場合どうかなと思う点が一つ、そんなに簡単に死体を運べるか?
ギリシャ棺の秘密 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 3-30)Amazon書評・レビュー:ギリシャ棺の秘密 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 3-30)より
415070130X
No.42:
(5pt)

クイーン小説の魅力

1.長い思考操作の台詞でも論理の運びに無駄がない。
2.登場人物の多さにもかかわらず、登場タイミングと説明の良さで誰が誰だかわからなくならない。
3.伏線ではなくても各人物の性格を表す言動によってドラマに奥深さが感じられる。
4.論理は細かいが、男女の機微等人間の心の動きの描写はくどくなく読者の想像に任せる。
5.上記によって映画を観ているかのような読書感。
6.犯罪を論理で暴くことに主眼があるが、全ての人間が持つ善と悪の感情を否定しない。

「ギリシャ棺の秘密」は上記に加え、失敗から学び取る若きエラリィと好敵手との闘いと、
お洒落なラストシーンが好きだ。
ギリシャ棺の秘密 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 3-30)Amazon書評・レビュー:ギリシャ棺の秘密 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ク 3-30)より
415070130X



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