■スポンサードリンク


エジプト十字架の謎



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

エジプト十字架の謎の評価: 5.50/10点 レビュー 6件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点5.50pt

■スポンサードリンク


サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全3件 1~3 1/1ページ
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

シリーズ中、かなり異端な作品

エラリー・クイーンの国名シリーズを幾つか読んできましたが、本作はこれまでの作品と毛色が違うと思いました。
一つは、何をおいても事件の猟奇性。丁字路に磔にされた死体――それだけでも猟奇的じみてますが、その死体には頭部がありません。それまでのクイーンの作品でこれほどまで残虐な死体は出てこなかったので、かなり珍しいと思いました。
思えば、手術を受ける患者がオペ前に殺されていた『オランダ靴の謎』や、劇の最中に観客の一人が殺されていた『ローマ帽子の謎』同様、読者の好奇心を見事に誘う出だしだと言えましょう。
二つ目は、スリリングな要素。エラリーが、次なる犠牲を阻止しようと駆けめぐる描写に、かなり惹き込まれました。

エジプト要素がないから国名シリーズに相応しくないというレビューがありました。たしかに、現場はアメリカで、エラリーがエジプト要素を持ち出すも、結果的に関係ないという話が序盤で明らかとなります。けれど私が初めて読んだオランダ靴の謎で、オランダ要素が皆無とわかっていたので、そこはご愛嬌と、あまり気になりませんでした。むしろ、エラリーがエジプトの蘊蓄を並べたことが、結果的にオチに繋がっていて、なかなか凝ってるし遊び心を感じられます。

ただ、ミステリ要素としては、ありがちだなと辛めにレビューしておきます。当時は珍しい仕掛けだったのでしょうか。けれど本作の仕掛けが幾つもある推理小説において、結末を予想でき、やっぱりなと思った読者は多いと思います。
古典小説なのだから現代人に通じるドンデン返しを求めるのは贅沢と言われるかもしれませんが、少々強引かなと思いました。
古典ついでに言えば、監視カメラが数多く設置されてる現在、死体を堂々と道標に磔にする大胆さは、古典小説ならではの発想の柔軟さだと思いました。監視カメラやらあらゆる技術の進化が、現在のミステリ作家を苦労させるなと、同情しました。

ついでに、エラリーやら検事やらが警戒するなか、みすみす連続殺人を起こさせてしまったのがマイナス評価でした。
探偵といえど完璧でない、けれど、次に狙われる可能性がある人物を殺されるのは、間が抜けてると言わざるをえません。

本書は創元推理文庫で読みました。直訳のような堅苦しい文章ですが、角川版と違って表紙が好みなので、創元推理文庫を贔屓にしてます。国名シリーズの未読は『ギリシャ棺の謎』を残すのみ。他の国名シリーズも文庫化をゆっくり待ち続けてます。

bamboo
NU17PFML
No.2:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

タイトル「Tの悲劇」の方が良くないですか?

「エジプト」という国名はその文字だけで、人々の様々な想像を引き出し、魅力を感じさせますが、この作品にはエジプトは1ミリも関わりませんので、間違っても『ナイルに死す』みたいな内容を期待してはいけません(笑)

首切りトリックの教科書のような内容で、綿密なロジックといい、発表が80年以上前ということを踏まえれば、完成度や質は非常に高い推理小説だと思うのですが、単純に読んでて「面白くない」と思いました。
とにかく理屈ばかりでなかなか話が進まず、退屈な内容でした(そういうのが好きな人は好きなんでしょうが)

その退屈さを紛らわせる要素のつもりなのでしょうか、途中で話に組み込まれる「ヌーディストの島」ですが、正直これに関しては物語上の必要性が全くわかりません

▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

マリオネットK
UIU36MHZ
No.1:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

エジプト十字架の謎の感想


▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

梁山泊
MTNH2G0O

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!