恐怖の研究



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初公開日(参考)1967年01月
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長編小説

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恐怖の研究 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-10)

1976年11月01日 恐怖の研究 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-10)

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書評・レビュー点数毎のグラフです平均点5.00pt

恐怖の研究の総合評価:6.08/10点レビュー 12件。Dランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(5pt)

クイーンがホームズを書くとき

クイーンが伝説の名探偵ホームズに挑む。しかも扱う事件は切り裂きジャック事件!
当時のミステリ界ではこんな煽情的な謳い文句が躍ったのではないかと推測されるが、クイーン作品にしては文庫本にしてたった200ページ強と今まで一番短い小説である本書は、識者によれば映画作品のノヴェライズだという。

ドイルのホームズ譚に切り裂きジャック事件がないのか、いやいや『バスカヴィル家の犬』事件で途中ホームズがいなくなるのは切り裂きジャック事件に取り組んでいたからだ、などとマニア、シャーロッキアンの間ではまことしやかに囁かれていた稀代の名探偵と稀代の殺人鬼の対決がエラリイ・クイーンの手によって実現されたのが本書。
本書はエラリイの許にワトスン博士の未発表原稿と思しき文書がもたらされ、その内容がホームズが切り裂きジャック事件に挑む話だったという作中作で構成されている。
ホームズの物語ではドイルのホームズ譚にまつわる人物や事件、舞台がそこここにあしらわれ、マニア、シャーロッキアンの興趣をくすぐる。

とにかく1章当りの分量が少なく、おまけに1ページ当りの文章量も少ない本書はサクサク読めることだろう。特にホームズ作品に慣れ親しんだ読者ならば実に親近感を持って読めるに違いない。
前述したようにホームズ作品を読んだ者にとって楽しめるネタが仕込まれているし、作中作のホームズ譚はドイルが書いたそれと比べても違和感はない(ホームズ作品が出てくる文章は他の作家の手によるものらしい)。

限られた登場人物たちで繰り広げられる切り裂きジャック事件の鍵となるのはオズボーン家という公爵の爵位を持つ貴族にまつわる忌まわしいエピソードだ。
事件の発端は何者かによってホームズの許へ送られてきた手術道具セット。そこに隠されていたのはシャイアズ公爵オズボーン家の紋章。そこから物語は行方知れずとなった公爵の次男、そしてフランス帰りと思しき白痴の男の登場と通常の切り裂きジャック事件とは変わった切り口から事件とその犯人が明かされる。

そしてやはりクイーン。単にホームズによる事件解決に話は留まらない。
まず送られた原稿がワトスン博士によるものかという真偽の問題から、ホームズの解決からさらに一歩踏み込んで別の解決を導く。
そしてその真相をワトスンの未発表原稿を叙述トリックに用いているのだからすごい。この発想の素晴らしさ。さすがクイーンと認めざるを得ない。

物語として、また一連のクイーン作品群の中においても出来栄えではごく普通の作品に過ぎないかもしれない。しかし上に書いたこの作品が内包する当時の時代背景や世情、さらにこの作品が書かれた背景ーホームズが切り裂きジャック事件に挑むという映画のノヴェライゼーションを頼まれたクイーンが、その映画の内容を作中作にしてエラリイに謎を解かせるという構造に置き換え、さらに真相をも変えてしまったらしい―を考えるとなかなかに深い作品だと云える。
さらに現代の日本のミステリシーンにおいてもしばしば作家によって試みられているテキストによる叙述トリックの走りだと考えるとこの作品の歴史的意義はかなり大きい。


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Tetchy
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No.11:
(3pt)

古いミステリーについての感想

妹に頼まれての注文でしたが、面白くて満足との由です。
恐怖の研究 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-10)Amazon書評・レビュー:恐怖の研究 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-10)より
4150701105
No.10:
(3pt)

ホームズ物の凡百

ストーリーがあっさりしていて淡々としている。エラリーとホームズの2つの時代を行き来し、ラストはホームズの意図をエラリーが説明するという構成。しかし、ホームズ側のストーリーはただ時間が流れていくだけ。ホームズの調査は結局あさっての方を向いていたし、推理もしていない。結局何もしておらず、切り裂きジャックを追い詰めもしない。何だったんだろうと思う。
歴上の犯罪者と対峙するため、結局表層的な犯人像となっていて、何故切り裂きジャックなのかも説明されない。歴史ドラマにも、ホームズが出ているためできないし、中途半端にならざるを得なかったと思われる。
恐怖の研究 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-10)Amazon書評・レビュー:恐怖の研究 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-10)より
4150701105
No.9:
(3pt)

ホームズVS切り裂きジャックの嚆矢?

当初ホームズは、この事件にあまり興味を示していなかったが、彼宛に送り主不明の外科医用手術器具のケースが届けられ、またそのケースに貴族の紋章がついていたことから、事件を追うことになる。
 80年の時を隔てた二人の名探偵のそれぞれに、送り主不明の品が届くという韻を踏ませた発端がステキだ。
 というわけで、クイーン側とホームズ側の物語が交互に進む構成になっているが、分量的に"ワトスンの書簡"が主なので、クイーン側の「謎」の解明が味気ないのは致し方ない。「解説」で中島河太郎は、「感興の妨げになるばかりで失敗だった」(P.218)と断じているが、ここはやはり、探偵エラリー・クイーンのファンに向けてのボーナス・トラックとして了解したいw

 当然クイーンは、ワトスンの文体に注意を払っているはずだが、そこはよくわからない。
 創元版になじんでいるわたしは、ワトスンの妻の「メリー・モースタン」表記に強い違和感を感じてしまうくらいなので、文体以前の問題だw
 ちなみに、メアリ/メリー・モースタンはMary Morstanと綴る。
 彼女やマイクロフト、ハドスンさんやレストレードも登場するし、ベーカー街遊撃隊のウィギンズの近況にまで触れていて、ホームズファンへの擽りは充分以上である。

 なんにせよ、わたしの知る限りでは、切り裂きジャックvsホームズのはしりであるし、この時点での著者のチャレンジに拍手したい。クイーンは――というか、マンフレッド・リーは――『エラリー・クイーンの国際事件簿』で犯罪実話にも多大な興味を示していることからも、犯人が不明のこの有名な事件に手をつけたのは当然の帰結かもしれないが、本作に対するリーとフレデリック・ダネイの役割や関心度の相違を知りたいところだw【注1】

 切り裂きジャック事件(1888年4月3日~1891年2月13日にかけて発生した11件の未解決殺人の総称であるホワイトチャペル殺人事件の一部)では、犠牲者の腹部等を切り裂いて、内臓を解体したり、一部を持ち去ったりしていることから、当初から外科医や肉屋、屠殺業者の犯人説が疑われ、犯人が特定されないことから、王族の関与までささやかれてきた。
 ホームズはその冒険譚で、何度も高貴な依頼人の便宜を図っているので、本作で貴族が絡んでくるのはごく自然な流れだと思うが、しっかり医者や屠殺業者も登場させている。ぶっちゃけシャイアズ公爵家の中の三択で進むのだがw
 その中でサプライズを試みているのも、さすがはクイーンといったところ。
 巧くいったとはとても云えないにしても……。

 さて、クイーンはワトスンの文体のパスティーシュだけでなく、史実の切り裂きジャック事件のディテールには、細心の注意を払ったはず。
 ――と思ったが、その一連の事件に関しての、さまざまにある魅力的な要素にも全然触れてこない。もちろんそれらの中には、当時の新聞があることないこと煽情的に報じたことで、増え散らかした憶測が多い(というかほとんどかも)のだろうが、史実に類する固有名詞はアニー・チャップマンくらいだった……。

 当時のホワイトチャペル地区には、スコットランド・ヤードの公式見解によれば、62の売春宿と1200人ほどの売春婦が存在したというが、上記のホワイトチャペル殺人事件の中で、まず切り裂きジャックの犯行であるとされているのは五件で、それすら怪しいものである。
 一応その五件を下に記してみたが、エリザベス・ストライド殺害は関係ないかもしれない【注2】し、逆にこの五件以外にもジャックの犯行があったかもしれない。
 ホームズとワトスンは、死体安置所でアニー・チャップマンの遺体と対面するが、レストレードは、これで五人目だと述べている。

 そもそもこの残虐な犯行に「切り裂きジャック」の名がついたのは、Jack the Ripperの署名で9/25にマスコミに送られた手紙「親愛なるボスへ」から流布したのがはじまりである。だからワトスンが(1908年にまとめたと思われる)地の文で、切り裂きジャックと表記するのは問題ないが、アニー・チャップマン事件に際して、ホームズたちが会話の中でそのように呼称するのは間違いである。
 また――主にワトスンの先走りの失態の所為【注3】で――次にポリーという犠牲者が出てしまうが、これに類した事件が実際にあったのかも不明だ。チャップマンより前の事件で、ジャックの第一の犠牲者(とされる)メアリー・アン・ニコルズは、一名ポリー・ニコルズといったらしいが……。

8月31日……メアリー・アン・ニコルズ殺害
9月8日……アニー・チャップマン殺害
9月25日……「親愛なるボスへ(Dear Boss)」セントラル・ニュース・エージェンシー宛
9月30日……エリザベス・ストライド殺害
9月30日……キャサリン・エドウッズ殺害
10月1日……「生意気なジャッキー(Saucy Jacky)」セントラル・ニュース・エージェンシー宛
10月16日……「地獄より(From Hell)」ホワイトチャペル自警団ジョージ・ラスク宛
11月9日……メアリー・ジェーン・ケリー殺害

 付け加えると、"犯人"からマスコミへ声明を伝えた手紙は、この三件だけではなく、それこそ数百件あったらしい。

 【注1】探偵作家がこの手の事件に興味を示すのは当然かもしれないが、例えば、「うつし世はゆめ 夜の夢こそまこと」の江戸川乱歩は、現実の事件には何の興味もないと明言していた。

 【注2】この五件には、売春婦の喉を裂いて殺害したという共通項に加えて、死体損壊の程度が徐々に酷くなっていく特徴があるが、エリザベス・ストライドは特に損壊されていない。ただ同日に起こったキャサリン・エドウッズ殺しと合わせて、翌日のJack the Ripperからの手紙「生意気なジャッキー」で、この二件がdouble eventと表明されているので、一般的には、何らかの邪魔が入ったためにストライドの"解体"を中断したのだろうと考えられている。ただし手紙は事件の公表前に郵送されたから本物、いやいや消印は一日以上経過後だからイタズラだと評価がわかれている。

 【注3】個人的には、パスティーシュの中で、ワトスンの間抜けが助長されるのは好きではない。
恐怖の研究 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-10)Amazon書評・レビュー:恐怖の研究 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-10)より
4150701105
No.8:
(4pt)

エラリー・クイーンは一人で二人分の役割をやっています。

ワトソンが書いた部分とエラリー・クイーンが書いた部分が交互に出て来ます。推理小説としてはエラリーの書いた部分は、少なくとも途中までは不要な感じですが、これが挿入されているお蔭でワトソン部分も真実味(本当にワトソンが書いた未公開の文章であると)を感じさせる作りになっています。ちなみにエラリー・クイーンは探偵にして作家と、ホームズとワトソンの二人の役を一人でこなしていますが、エレリ―。クイーンというのは実はプロット担当と文章担当の従兄弟二人のペンネームなので、コナン・ドイルが一人でやっていることを二人でやっている事になります。
恐怖の研究 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-10)Amazon書評・レビュー:恐怖の研究 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-10)より
4150701105
No.7:
(4pt)

本の内容

面白かった。
恐怖の研究 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-10)Amazon書評・レビュー:恐怖の研究 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-10)より
4150701105



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