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初公開日(参考)1968年01月
分類

長編小説

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顔 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 2-23))

1979年09月01日 顔 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 2-23))

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書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

の総合評価:7.57/10点レビュー 7件。Cランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

深すぎるダイイングメッセージ

クイーン後期の作品だが、ダイイングメッセージと意外な犯人、と少しも本格スピリッツは衰えていないことを示した佳作。

複数の女性を浮名を流す、石田○一のようなジゴロ、カーロス・アーマンドがいかにして前妻グローリーを殺したか?というのが今回の事件。
このカーロスがものすごい女たらしであり、さらには何故かほとんどの女性は彼の手に落ちてしまうという凄腕テクニックの持ち主。そして彼の殺人計画の片棒を担いだのがすみれ色のヴェールを被った謎の女。クイーンと相棒のスコットランド人の私立探偵ハリー・バークは事件のカギを握るこの「幻の女」を探し出そうと躍起になる。

つまり本書はいつもと趣向が変わっている。主犯が明らかになっているのだが、実行犯である共犯者を探し出すという物語なのだ。しかしこの趣向は物語が終わってから気付かされるのであり、今までのクイーン作品を読んだ読者ならば犯人捜しがメインだと思わされるのだ。

例えば『災厄の町』などの諸作に見られる価値観の転換という手法をクイーンはよく取る。従って今回も早々に判明する夫の妻殺害計画もまたこの価値観の転換により覆るのではないかと思わされるからだ。往年の読者でさえも自らの作品傾向を利用してミスディレクションする、というのは穿ちすぎだろうか?

さらに今回は今までの作品で見られた趣向が織り交ぜられているにも気づかされる。トリックに関してもそうだが、それは他の作品を読んでない読者の興を削ぐのでやめておくが、特に近似性を感じたのが『ドラゴンの歯』。今回タッグを組むハリー・バークは『ドラゴン~』で相棒を務めたボー・ランメルだ。
両者が事件の関係者と恋に落ちるところなどもそうだが、更によく読めば今回の登場人物の名前の一部が『ドラゴン~』でも出てくるところなんかもそうだ―容疑者“カーロス”・アーマンドと執事のエドマンド・デ・“カーロス”―。

さらには被害者グローリー・ギルドの姪ロレット・スパニアが公演をするローマン劇場は第一作『ローマ帽子の謎』の舞台ローマ劇場と思われるし、物語の終盤に登場するJ・J・マッキューは初期クイーン作品で語り手を務めたJ・J・マックであろう。つまりこれは原点回帰の作品ともいえる。

『盤面の敵』(これは純粋にはシオドア・スタージョンとフレデリック・ダネイの合作だが)と本作と晩年のクイーンはいわゆる後期クイーン問題を経て、改めて原点に戻ったパズラー志向を目指したようだ。それには初期の荒唐無稽さはなりを潜め、中期から後期にかけて人の心の謎を織り交ぜ、地味ながらもあくまでロジックで事件を解き明かすことを追求している。この頃、ようやく自分の足元を見つめて自らの書きたい作品を書くことを再認識したのではないだろうか?

しかし、とはいえ今回の真相には首を傾げざるを得ない。

またクイーンはダイイングメッセージが好きでよく作品で使われているが、本作のメッセージは実にシンプル。なんせ“face(顔)”の一語。しかもなんともありふれた単語だ。このメッセージに込められた意味はしかし実に深い。

この謎解きを読んだ時に、いくらなんでも死の間際にここまで機転を利かせたメッセージを残せるだろうかとはなはだ疑問だったが、ここで物語の初期に登場する同じ単語が浮かび上がる日記の白紙のページに浮かび上がる“face”の文字という伏線が生きてくる。

さて今回やたらと当時の風俗を忍ばせる固有名詞が頻出する。NASAやビートルズ、ジョーン・バエズ、プレイボーイにポップ・アート、etc。
もしかしたら今までもこのような固有名詞は出てきていたのかもしれないが、自分が知っている、いや地続き感を覚える固有名詞は初めてである。それまではるか昔の作家だと思っていたが、ここにきてようやく私の時代に繋がった、そんな思いがした。

しかし余談だがかつてのクイーン作品で女性のバストに注目した小説はあっただろうか?いやに出てくる驚くべき胸のふくらみという描写。これも当時活況を呈したグラヴィアの流行なのだろうか。前述の固有名詞の頻出と云い、今まで以上に現代風味に溢れた内容になっている。

シンプルな謎、そしてたった一つの殺人事件ながらも謎解きは複雑で、おまけにアイリッシュを髣髴させる「幻の女」探しと、晩年の作品ながらもミステリ趣向溢れる作品なのだが、ネタバレに書いた理由により、肝心の真相に納得がいかなかった。

本書巻末に添えられた著作リストによればクイーン作品はあと4作。そこに私が感じるミステリがあるのか。期待してみよう。



▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
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No.6:
(4pt)

犯人の意外性はなかったですが、読み進むのが早く面白く読ませてもらいました。
顔 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 2-23))Amazon書評・レビュー:顔 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 2-23))より
4150701237
No.5:
(3pt)

尽きることなき幻想的着想 暗示 制作 濃密さを増す迷宮のような空間を

1967年の作品。原題はFACE TO FACE。彼方此方の都市の警察署長から役に立つ話を聞き出しながら世界を回っていたエラリー・クイーン君。
ニューヨークに戻る前に、ロンドンでスコットランド人の私立探偵ハリー・バーク君と出逢いました。
偶然にも父であるリチャード・クイーン警視を訪ねてニューヨークへ行くというので仲良く大西洋横断して自宅に帰ってみると、父は出ており、
代わりに電話番号が書いてある置き手紙が、なんでもエラリーに是非会いたいというロバータ・ウェストなる女性のもの、さっそく電話して
みるといますぐにでも会いたいと、へとへとなのに、でも声から察するに美人そうなこともあって(笑)、不純ながら(笑)、事件の始まり
なんです
そしてまあ、過去の栄光、哀れな獣、有望な鉱脈といった登場人物が出てきたりするんだね。それはこの世の楽園の住人だったり、
獲物に飛びかかる快楽に飢えてたり、アンバランスなほどの唐突な変化だったり・・・・・・ね、男女の愛憎もつれるエキセントリックな
芸能パーティーの開催だよ?大勢の賓客の皆様をもてなすレセプションは      やっぱりお得意のダイイング・メッセージなんだ(笑)
死に際に残されたのはたったの一語face(顔) そして被害者がつけていた日記の殺される四週間前のページにも同じく一語だけ残された
faceが    他愛無い遊びにして死の抱擁
この作品は全体を俯瞰させない巧妙な構成なんだね、等価で並べられるという法則 その基本的な捜査当局の弱点とも呼べるものをまず前提に
置いてるから、それらを個別に切り離して取り上げてみても自分達を幻影装置へと変容させてしまってるもんだから決して解決法を見いだす
ことができないんだ
そしてまさか酔い痴れる幸福 そのおこぼれにあずかることが 突破口だなんて。最終局面の真空恐怖症的なこと・・・・・・
断固とした表明にして有害な自省。それ自体ひとりでに意識を持ってしまったかのようなエラリーのためてためての霊的推理
その思考 残酷なおもちゃ。息苦しさに襲われながらも如何にもな面目躍如、この子供っぽい老成者
さて!! 今回もヒントを! 土岐麻子さんの「Gift〜あなたはマドンナ〜」の曲の中にあるよ!!!!!

すばらしかった。
エラリイは、しびれる神経にさからいながら、ステージから目をそらし、まわりの人々の様子を見た。父親は半ば目を閉じ、苦しみと楽しさを
刻んだ乾いたくちびるに微笑を浮かべて身をのり出していた。暗がりの中でも見える少数の人々の顔は見るに耐えなかった。どの顔からも、
人前での体裁が取り除かれ、礼儀と制約が失われ、裸の自我がむき出しになっていた。いい眺めではなかった。だが彼を不快にさせると同時に
魅力をも感じさせた。エラリイは考えた。彼女は社会をこわす力になるだろう。仲のいい共同体を、よだれを流してほっつき歩く狼の群れに
変えてしまうだろう、青年たちの若者らしい憧れを消して、その代わりに、大学の寄宿舎にマリファナとLSDを流行させるだろう。彼女は自分の
力の危険性を知っているはずがない。彼女のレコードは何千万枚も売れるだろう。彼女を取り締まる法律がなければならない。

世にも恐ろしい予想(笑) あれだな 予想ということで最近思ったことは、今は亡きアメリカの国際政治学者サミュエル・P・ハンティントン
の日本は西欧文明に従っているがいずれ中華文明に従うことになるだろうって予言は今やなんか面白かったな
ほんで彼のことを老人の戯言とするフランスの人類学者エマニュエル・トッド君はこうだ 亀裂は旧世界と新世界 つまり欧米とくくるのが
もうろくで、日欧なんであって。そしてだから軍事同盟から解放され、中国と均衡を取る意味でも日本も手っ取り早く核保有するべきだと
エラリーにならって中道を行こうとして あんまりにも大人気な中国(笑)
時代の流れとしての でもあれだな また 内の問題を棚上げにして外に向かわせる これが愛すべきオットー・フォン・ビスマルク君
ヴィルヘルム1世の妃アウグスタが決して認めないんだよね(笑) 小言のうるさいおばさん
この関係性が何かに似てるなって思ったら ネット右翼のそれと、とりあえずちょっと左寄りのことを言っとけば無難だろうというマスコミの
それ 現実感がないからやっぱり中道で 笑
顔 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 2-23))Amazon書評・レビュー:顔 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 2-23))より
4150701237
No.4:
(5pt)

実は倒叙要素が。

多分女性の方が見ると
冒頭部分で気分を悪くしてしまうことでしょう。
何せある男のとんでもない女性遍歴が
露わになってくるからです。
ちなみにエラリイの作品では珍しく、
この作品には若干の「倒叙」要素が含まれています。
多分物分りのよい読者だったら
読んですぐに犯人は明らかに絞られるのに
お気づきになるかと。
ただ最後は後味悪いです。
何せ一人の人間が
事件の犠牲で精神的な傷を
こうむるのですから。
顔 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 2-23))Amazon書評・レビュー:顔 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 2-23))より
4150701237
No.3:
(5pt)

実は倒叙要素が。

多分女性の方が見ると
冒頭部分で気分を悪くしてしまうことでしょう。
何せある男のとんでもない女性遍歴が
露わになってくるからです。

ちなみにエラリイの作品では珍しく、
この作品には若干の「倒叙」要素が含まれています。
多分物分りのよい読者だったら
読んですぐに犯人は明らかに絞られるのに
お気づきになるかと。

ただ最後は後味悪いです。
何せ一人の人間が
事件の犠牲で精神的な傷を
こうむるのですから。
顔 (1968年) (世界ミステリシリーズ)Amazon書評・レビュー:顔 (1968年) (世界ミステリシリーズ)より
B000JA3G5W
No.2:
(3pt)

FACE

ダイイングメッセージ「FACE」の意味するところはなんぞ?を中心に謎が展開するクイーン後期の作品このころになるとエラリイ・クイーンというのはハウスネームになっていてプロットはともかく筆は別の作家が担当しているのが残念
顔 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 2-23))Amazon書評・レビュー:顔 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 2-23))より
4150701237



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