(短編集)

犯罪カレンダー(1月~6月)



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犯罪カレンダー 1月~6月 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

2002年08月01日 犯罪カレンダー 1月~6月 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ミステリ史上最大の巨人クイーンは、短篇の名手であり、優れたアンソロジストでもあった。その巨匠が精魂を込めたミステリ歳時記が本書である―1791年2月、初代大統領ワシントンは、ある場所に密かに記念の品を埋蔵した。そして一世紀半後、エラリイ・クイーンがその場所の割り出しに挑戦する!大統領と名探偵の、時空を超えた頭脳対決を描く「大統領の5セント貨」をはじめ、本巻には1月から6月までの六篇を収録。 (「BOOK」データベースより)




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犯罪カレンダー(1月~6月)の総合評価:6.11/10点レビュー 9件。Cランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

四季折々の犯罪

クイーン版ミステリ歳時記ともいうべき短編集。本書は1~6月までの事件が収録されている。

まず先鋒を切るのは「双面神クラブの秘密」。
ミッシングリンク物でミステリの興趣をそそる内容。即ち秘密クラブのメンバーの各人に共通する鍵があるというものだが、これを解き明かすのは日本人には辛いものがある。しかし知的パズルゲームとして純粋に面白い作品だ。

次の「大統領の5セント貨」は収集家がエラリイの許へと集まる奇妙な幕開けから始まる。
これも非常にアクロバティックな論理展開が面白い作品だが、推理の鍵となるのがやはりアメリカの歴史とジョージ・ワシントンの性癖という日本人には解りにくい鍵だったのが残念。

3月は「マイケル・マグーンの凶月」だ。
事件の真相よりもこの作品には当時アメリカミステリシーンで台頭していたハードボイルドを揶揄する表現が多々出ているのが読みどころ。
チャンドラーしかり『マルタの鷹』しかり。
マイケル・マグーンは彼らが描く私立探偵の流れに沿う人物として書かれているが、ダサい服装に冴えない風貌と、読者の幻想を打ち砕く容貌である。そして彼がエラリイ・クイーンの許へ事件解決の依頼に来るという展開はハードボイルド探偵ではパズラーは解けないとあからさまに云っているように思えた。

次の「皇帝のダイス」は最後に至ってなるほど、4月の物語だと思わせさせられる。
これは最後の一行の為の作品。
恐らくカーが得意とするオカルト趣味的本格ミステリを目指した作者がこの頃ミステリシーンを席巻していたハードボイルド小説におけるリアリティについて最後の最後で意識が芽生え、このような結末になったのではないかと勘ぐってしまう。

5月の最終月曜日は南北戦争の戦没将兵記念日。従ってそれに関係する「ゲティスバーグのラッパ」がこの月のお話。
クリスティの『ABC殺人事件』から着想を得たのではないかと思われる作品。
アトウェル(A)、ビゲロー(B)、チェイス(C)の3人の関係は南北戦争の生き残り。そして彼らには隠した財宝があり、最後の生き残りがその全てを手に入れることが出来る。最初に死んだのはA、次に死んだのはC、最後に死んだのはBとこの順序がエラリイの推理の鍵になるのだが、ここではさらに捻りが加えられている。
作品の雰囲気、最後のロジックはなんだかチェスタトンを思い起こさせる。

6月といえば梅雨を思い浮かべるが、それは日本だけの話。西洋ではそんな陰鬱なイメージではなく、華やかなイベントがある。ジューン・ブライド。本書最後を飾る「くすり指の秘密」は結婚に纏わる悲劇が語られる。
シンプル・イズ・ベスト。
たった一言、しかも正に誰もが気付いたであろうある事実が見えない犯人の靄を晴らすロジックの冴え亘る作品。


クイーンのいるところ犯罪有り。本書は1年を通じてその月に起きた事件を綴った短編集。各編はその月の出来事に関連している。

1月の「双面神クラブの秘密」は大学の年次会が行われる1月1日(これはアメリカの大学ならば通例なのかは判らないが)。
2月の「大統領の5セント貨」はワシントンの誕生日があることからワシントンに纏わるお話が。
3月の「マイケル・マグーンの凶月」は確定申告の〆切で申告書を盗まれた探偵の依頼が。
4月の「皇帝のダイス」は最後の最後でその基となるあるイベントが明らかにされる。
そして5月の「ゲティスバーグのラッパ」は南北戦争の戦没将兵記念日、6月の「くすり指の秘密」はジューン・ブライダル、といった具合だ。

月ごとの特色が十分にプロットに活用されているかといえばそうとは云えない。寧ろ各月の記念日や祝日、そして由来をアイデアのヒントに物語と綴ったという色が濃い。プロットと有機的に組み合わさっているのは「皇帝のダイス」ぐらいか。

しかしなんといっても本書ではクイーン初期のロジック重視のパズラーの面白さが味わえるのが最大の読みどころ。それぞれ50~60ページという分量で語られるそれぞれの事件は無駄がなく、作品もロジックに特化された内容で引き締まっている。

さらにニッキイ・ポーターとエラリイのコンビが楽しめるのが一番の読みどころ。シリーズのコメディエンヌとも云えるニッキイとエラリイのやり取りは読書の絶妙なスパイスとなってクイクイ読まされてしまう。

しかしニッキイはどうやら短編のみの助手らしい。長編でも出てくれればいいのだが、後期クイーンシリーズのシリアスさには合わないのかもしれない。ニッキイのお陰で短編は実に明るい雰囲気で読める。

後期クイーンの探偵の存在意義が触れられるのは最後の「くすり指の秘密」ぐらいか。この作品はロジックの美しさといい、この結末といい、個人的ベストだ。

次点ではチェスタトン風の雰囲気とクリスティ的論理が融合した「ゲティスバーグのラッパ」を上げる。

他に緻密なエラリイのロジックを楽しめるのは「大統領の5セント貨」だが、これは数学の公式を解くような精緻さとあまり日本人に馴染みのないアメリカ初代大統領のエピソードが鍵となっているので、純粋にそのロジックの美しさを楽しめないのが玉に瑕。

ここに収められた6編にはクイーンとしか云えないロジック重視の作品もありつつ、カーを髣髴させるオカルト趣味的な作品に、隔絶された社会での事件というチェスタトン的な独特な雰囲気の物、さらにクリスティ的な論理の妙を楽しめる作品とヴァリエーションに富んでいるように感じた。

これは1945年に創立されたアメリカ探偵作家クラブがクイーンの作品に影響を与えているように思う。今までダネイとリー2人のアイデアで作られていた作品に、クラブの創設で他の作家との交流が深まり、お互い刺激しあうことでアイデアの幅が広がり、作風にも他作家の影響が出てきたのではないだろうか?
奥付を見ると収録作が発表されたのは1946年以降だからこの推察はあながち間違いではないだろう。

しかしクイーンは短編でも面白い。「くすり指の秘密」クラスの作品があと2作収録されていれば文句なし星10を進呈しただろう。
残りの7月~12月の作品が愉しみだ。


▼以下、ネタバレ感想

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No.8:
(3pt)

普通です。

この短編集は、ちょっとひねりが足りない作品が多いかな、と言う感じでした。 この作品を読む前に「新冒険」を読んだ後だったせいか、ストーリーの展開やトリック、犯人、いずれもイマイチだったかな~と・・。 それでも短編ですから、普通にそれなりには楽しめました。
犯罪カレンダー 1月~6月 (ハヤカワ・ミステリ 700)Amazon書評・レビュー:犯罪カレンダー 1月~6月 (ハヤカワ・ミステリ 700)より
4150007004
No.7:
(3pt)

それぞれの月に因む短編集

1月 双面神クラブの秘密 イースタン大学における第一回卒業生、初々しくかしましい、合言葉はヤヌス!台座にヤヌス! だったけどいささか俗に(笑)、クラ
ブの中のクラブ、連続する発展過程の選択、それを課す(科す)のは誰か? じゃ今回のヒントはヤーチャイカの「散ル散ル満チル」の歌詞及びビデオの中に
あるよ 二面性 聖と俗 おもうに有意義に再生されるんじゃないか本来は、山崎闇斎ってひとがいて、観念と実地のバランスが絶妙で、結局それが繋がり
り、日本独自のものになったわけで、神がかれば神がかるほど欧米化できるし、欧米化するほどに神がかるんだね。頭に入れるスタンダードを近代にするよ
さは、どう経てきたかわかりやすくなるし(暗記クイズじゃなく)、どう辿ってゆくかわかりやすくなることだろう。暗記は何年かすりゃ忘れるんだからね、なるほ
ど、過去にはこだわらぬ、フロンティアするんだっていったって、近代的自助精神が抜け落ちてるのにそんなことできるのか?過去もなきゃ未来もない惰性の産物
2月 大統領の5セント貨 動員された蒐集家達、時間のヴェール越しに、ポップな懐疑がありました。ジョージ・ワシントンという名のポップなキャラ(笑)。
モラルと脱慣習、意表を突く新鮮さ、透明雜誌「性的地獄」 再び両翼、白状(薄情)する人が違う、決して負け犬の遠吠えではないと、封建的秩序を残しな
がら閉じ続けるか、それをやめて開くか、どっちかしかない。二者択一。幕府のノリで開明するなんてことはありえない。進歩的な幕府が倒されたってことが
重要で、やる方は実地なんだからね。観念としての大義名分だけじゃなしに、その後本当にこっからやるんだぞ、立て直すんだぞと、一番感じさせてくれた
のが龍馬と慎太郎だろうね、そしてそれは生き続けるわけだからおもいは 決定付いてる 人の命は物じゃないんだね 一方で進歩的知識人って人達は、
長生きしてもまるで耐用年数が切れちゃったみたいな、何にも誰にも名前すら覚えてもらえないだろう 断絶 部分的な批判はともかく、まったく開き直った
ように断罪するってことは断絶そのもので、それじゃあなたはどっからやってきたのか?まるでどっかから降ってきたみたいじゃないか、でも降ってきたってこ
とを批判してるわけでしょ、やってることとやってることが違うんだから病気なんだよ(笑)。もっと頭の良い右批判として欧米を基準に物事を考えてるって
やつがあるんだけど、それは反対もあって鎖国リベラルなんだよね 結局断絶 じゃなぜいるのか(笑) それじゃあ外に出れば筋が通るのかというと、どこ
の国も繋がってきてあるわけだから理屈の上では成り立たないんだね、テロリストじゃあるまいし
3月 マイケル・マグーンの凶月 増田壮太「僕らはシークレット」 図解 4月 皇帝のダイス Sevyn Streeter「I Like It」
5月 ゲティスバーグのラッパ 南北戦争の戦場のあとを訪れたエラリー、この戦争の生き残りの三老人、メモリアル・デイのしきたり ラッパによって死は
宣告される それは 戦争の最中 拾って来た大きな夢(俗な 笑)に関係することみたいだ。はて はてな 當山みれい「Memories」 さて、従来通りの
責任と囲いを取り払うことについて 現実が仮想に相当するっていったって写し取れると思う?実際はあべこべで、手短に端的にネット通販の需要は逆行
することなく高まるわけだから、人が体を動かして汗をかいて運ぶわけだから 偉そうに指図するんじゃなくて、自分が先頭に立ってやっていくなら男女
なんて関係ないはずで、一年中温度調整されたような部屋で男女平等の意識を醸成するとかなんとか、誰がそんな人に力を貸してくれるって思うんだろう
思うに日本女性ってのは専業主婦に向いてなくて(あれ食べたい、あれなんとか、じっとしてられない)、しかし同時に働くことに対して執着とか粘りがない
立ち位置 反対も同じで執着とか粘りがないけどじっとしてられない 故に仕事をする立ち位置(勤勉とか働き者とか事実過ぎるほど事実だけど自分達で
言う胡散臭さ 笑) まあ直に型を取ってみればそういう配慮的振り付け 見合ってる(笑) 解放(とんちんかん)された人ってのは社会のどの立ち位置に
いて何の道を究める人なのか?都合のいいことはない 風俗嬢じゃあるまいし そしてそういう主張(とんちんかん)する人達は女性の性の搾取は許さない
って人達で、自己矛盾に気付かないのか
6月 くすり指の秘密 複合的からの結婚式 しかもそれらは執拗に、、 歯に衣着せぬはやさ(のろさ) おやっさん そのぶん?(多分にそういうものだろう)
、引き上げるエラリー のろい(はやい) しょっちゅう(笑) そこにしか唯一がなかったものは・・・Victoria Duffield「Break My Heart」 じゃあ挙げる例は、、
行き過ぎた揺り戻しとしてアメリカで20年くらい前、もっと前、男性にも権利をって運動が流行ってたんだけど、それが今の日本って感じで、だので個人の
意識はそれぐらい違うのに最先端の同じツールをもってるわけだから土台まともじゃないというか(笑)、加速するもので減速するあべこべな島国の珍事 笑
村八分のノリから抜け出せず 遠ざかる自決 騒いで終わり次がない ソフトバンクのCM見ればわかるだろうけど、あれは斬新に家族を再構成してるのは
いいんだけど、知的貧困なんだよね 知ってのは対応できるってことで次があるんだけど故に選り好みするって性質があるんだね それがヨーロッパだね、
これがアメリカになったら あのひとたちは知と行動が分かち難く結びついていて、お父さんワンちゃん?じゃお母さんワンちゃんもやろう そしてどうせやる
なら、より面白く馬鹿馬鹿しく徹底的にとことんやろうってのがアメリカ人だよね そしてそれは反駁の余地がないわけだから これを日本でやったらすごい
苦情というか、火を見るより明らか(笑) 平等とか自由とか看板だけ 綺麗に看板しかない(笑) 反対がなきゃ理性もなく 理性がなきゃ批評もなく 批評
がなきゃ評価もなく 評価がなきゃ表現も・・・ がっかりの極みみたいな(笑) 何でも同じになる必要はないんだけどね 自問せざる得ないだろう
犯罪カレンダー 1月~6月 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:犯罪カレンダー 1月~6月 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150701474
No.6:
(2pt)

良と言う表示でしたが普通が来ました。(落札後に100円引きの申し入れがありました)

状態は良と表示していたのがすが良に該当しない(破れなどがある)と言うことなので100円の値引きをして貰いました。来た本の後ろの擦り傷がありました。100円を引いておいて貰ってなんですが本の表示は的確にお願いします。
犯罪カレンダー 1月~6月 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:犯罪カレンダー 1月~6月 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150701474
No.5:
(3pt)

煮え切らない作品多し

本当のところは2に近い3という感じです。
なぜならば、ユーモアのつもりでしょうが、
日本人にはまったく通用しない言い回しがあること。
これは文化上の問題ですから仕方ないにしろ
かなりのマイナスポイントです。

でもよい作品はあることはあります。
それは、「くすり指の秘密」のような
ちょっとエラリイが失敗してしまう作品。
最後の表情が浮かぶようです。

悪いことは言いません。
他の作品を読んだほうがいいですよ。
犯罪カレンダー 1月~6月 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:犯罪カレンダー 1月~6月 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150701474
No.4:
(3pt)

アメリカの月ごとの風物

1962年にハヤカワ・ミステリとして出たものの文庫化。
 月々の記念日や風物をからめつつ、12篇の短篇を構成している。1月なら元日、4月ならエイプリル・フール、6月ならジューン・ブライドという具合である。上巻には1〜6月が収められている。
 アメリカの歴史に絡めたりと、蘊蓄の盛り込まれている作品が多い。アメリカ人の歴史観、それぞれの月にまつわる慣習が分かって面白かった。
 肝心のミステリとしての部分はいまいち。唯一「ゲティスバーグのラッパ」が光っている。ほかはトリックもまずいし、ガッカリするような結末の待ちかまえているものが目立つ。
 もともとラジオドラマとして書かれたものを手直ししたとかで、いかにもそれっぽい雰囲気だ。コメディ・タッチだったり。
 法月綸太郎氏による解説は鋭い。
 法月綸太郎『六人の女王の問題−犯罪ホロスコープ'T』(光文社,2008年)の原型になったことでも知られる。
犯罪カレンダー 1月~6月 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:犯罪カレンダー 1月~6月 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150701474



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