死との約束
- エルキュール・ポアロ (40)
- エルキュール・ポアロ・シリーズ (37)
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これはアガサ・クリスティー作品中、あまり知られていないものなのだろう。 自分はまず三谷幸喜脚本のドラマで知った。ポアロ役は野村萬斎。共演者に、鈴木京香、松坂慶子、 市原隼人、山本耕史、比嘉愛未、堀田真由、原菜乃華といった豪華メンバーが、適材適所で配役 されている。物語としてもよくできていて、楽しく見られた。でも、どうもよくわからないところが あり、”あそこはどういうことなのか?”という疑問を解くため、原作にあたった。 読んでみると、三谷幸喜の翻訳(アレンジ)のアイデアがよくわかる。まずクリスティー自身の 旅行経験が元になっている小説だが、原作の舞台は中東で、エルサレムで始まり、ヨルダンの ペトラ遺跡に移動する。死海周辺にあるので映画化された時は『死海殺人事件』となった。 ちなみに原作の邦訳タイトルは『死との約束』となっている。だが原題は、promiseではなく、 appointoment wit deathなので、「死への面会」という方が内容に近い。 三谷脚本は、中東への旅を、熊野古道に変える。どちらも古い歴史があり、異教の気配が濃い。 原作では犯人が、エジプトの現地人の服装をカモフラージュに使用するが、三谷作品ではそれが 天狗のコスプレになっている。 西洋人がアラブの現地人に変装する、というのはまだ普通の感覚だが、天狗が殺人事件を犯す というのは荒唐無稽。だがそれを脚本家は面白いと確信犯的に書いている。ドラマの中では、 宿泊するホテルのディスプレイとして、天狗が大きく登場するし、会話にも出てくる。 原作では老齢の男性心理学者が登場し、この人物が、被害者となる女性の心理などを分析する。 三谷版では、その役割もポアロ役である勝呂(スグロ)が兼ねている。 *以下、内容に触れています。 原作で、犯人は、最後のポアロの推理劇(関係者が集まった上での謎解き)で、突然名指しされる ような形で明らかになるが、三谷劇では、最初の方から重要な存在として登場する。 彼女は、若い頃、銀座の宝石店を荒らす泥棒で、警察官と派手な立ち回りを繰り広げる。キャット ウーマンを意識したようなキャラクターを、鈴木杏果が身のこなしも鮮やかに演じる。。ネット フリックスの忍者ドラマ『忍びの家』では、木村多江が女忍者役なのに、街中を走るシーンが、 ただのおばさん走りになっていて、ドラマに必要なリアリティを台無しにしていた。鈴木京香の 俊敏な走りは、表面的なの役柄・ポーズではなく、後で事件の重要な要素としても絡んでくる。 三谷版の方は、放映時間160分のドラマとしての完成度と内容の充実に重点があるが、クリスティー の方は当然、小説としての読む喜びを志向している。自分としては、話の展開とともに、クリスティー 流の名文句が楽しかった。 「真相というやつは、いつも奇妙で、じつに美しいものです」 この小説は、何種類もの訳が出ているが、この訳者は「女性らしさ」という意味で出てくるsex という言葉を、いつもセックスと表記するので、その度にドキッとしてしまうと同時に違和感を感じた。 | ||||
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話の半ばまでは、とにかくこの嫌なババアが早く誰かに殺されないかなと、その期待の一心で頁をめくってましたね。この気持ちは、霜月 蒼氏が『アガサ・クリスティー完全攻略〔決定版〕』(ハヤカワ文庫)の書評で書いている、そのとおりです。「〈オリエント急行〉みたいな成り行きになっても、ボイントンのババアに関しては、あたしゃ、文句は言いませんよ!」てな、ったく憎たらしい登場人物だったなあ。 このミステリが良いなと好感を持ったのは、ひとえに、殺人犯が分かってから後の展開、そこが魅力的だったこと。 なんかシルクハットからぽんと取り出すようにして、エルキュール・ポアロが真犯人を名指ししたところで、まず、びっくりしましたわ。自分には全く予想外の犯人だったので。 そして、最後に置かれた「エピローグ」の章が、実に心地よい、ほっとくつろげるものだったんすよねぇ。このラスト、私はとても気に入りました。 訳文は、あちこちで変てこな日本語の文章や言葉遣いに出くわして、目を白黒してしまいました。新訳版を期待したいです。 | ||||
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正に毒親! 家族全員はもちろん、関係者全てに殺害動機があると言う、横暴な被害者の存在感が凄い。この小説の前半は、このボイントン夫人が、家族に過干渉して、支配しようとする暴君ぶりが描かれ、こんな奴、殺されれば良いのに、と読者まで、殺人者に同情してしまう。従って、冒頭で殺害を相談していた2人は、早々とポアロに知られてしまうけど、真犯人じゃないんだな、と逆に容疑者から外れてしまう。 まあ、それは小説だから、と言う面があるものの、ポアロが一人一人に尋問する度に、又新しく容疑者が浮かんで来て、どれだけ皆に嫌われてるんだ、コイツ、と思い、読んでいておかしかった。これじゃ、真犯人に同情してしまうな、と思っていたら、全然同情の余地がない、意外な真犯人で、読後感は良好。後日談も味が良く、クリスティの小説作りの巧みさが光る。大したトリックがあるわけでもないのに、十分楽しませてもらった。 | ||||
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本作は中近東を舞台にした、エルキュール・ポアロが探偵役の作品ある。 登場人物が限られ、場所的にも限られた範囲内でストーリーが展開する。 にもかかわらず意外な結末を迎えるが、仕掛けが小さい感はある。 詳しくは書けないが、登場人物の二、三の供述が決め手になってしまい、やられた感はあまり起きない。 クリスティーは多くの傑作ミステリーを創作したが、本作は出来が良い方ではないと思う。 | ||||
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高評価が多いですが、直訳すぎるのかわかりにくい部分があります。 私だけかな? | ||||
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