(短編集)
黄色いアイリス
- ミス・マープル・シリーズ (17)
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先日Kindleで読んだ『ポアロ登場』と同じく、どの収録作のどの位置で「栞」を挿もうが、栞に表示される見出しがすべて「目次」となってしまう不具合は、本書でも健在である。不具合というか、電子化担当者の怠慢だろう。 パブリック・ドメインになる日もそれほど遠くない古典を電子書籍化して、いまだに商売しているというのに、もう少し労力をかけてもよいのでは? 紙媒体と違って、いくらでもアプデをかけることはできるのだから、対応されることを期待したい。 閑話休題。 本書は、本国でThe Regatta Mystery and Other Storiesとして出版された短篇集だが、このハヤカワ版とはいくつかの収録作品の違いがあり、表題作も変更されて『黄色いアイリス』となった。 収録された9篇中5作品がポワロものなので、その中から表題作を選ぶのは、まぁ順当だろう。 その他は、2作品がパーカー・パインもの、1作品がミス・マープルもの、1作品はシリーズ外となっている。 著者が創造した名探偵の三人の話を読むことができるので、クリスティ初心者にはむしろお薦めの短篇集かもしれない。わたしにとっても、パーカー・パインは初だった。 | ||||
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オフィシャルマークないけど、内容は一緒(和訳とか)なんですかね | ||||
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クリスティとしてはごくごく普通の出来では。 どれもそこそこおもしろいけど、際だったものはない。 表題作がいちばんおもしろかった。 | ||||
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ポアロ物5編、マープル物1編、パイン物2編、幻想怪奇物1編の9編が収録されています。元になった短編集は一応1939年に米国で発行された『The Regatta Mystery and Other Stories』ですが、米国版では収録されていた「夢」がカットされ(『クリスマス・プディングの冒険』に収録)、代わりに「二度目のゴング」が入っています。 この短編集は特定の探偵を主役を据えたわけではなく、一定のテーマに沿ってもいませんが、1932~1937年にかけて、ホームズ譚で有名なThe Strand Magazineを中心に掲載された作品が集められています。この頃、クリスティは『オリエント急行の殺人』『ABC殺人事件』『ナイルに死す』など、著名な長編を次々と発表しており、キャリアの中でも黄金期と称される時期にあたります。そうした時代にどんな短編が書かれたのか伺うことができるのが、本作の魅力といえます。 ポアロ物の5編には後に中編化されたり、長編へと拡大された作品が含まれます。興味深いのは、エクステンド版が書かれた時期によっては、オリジナルのほうが出来がいいと思われることです。やはりクリスティの充実期だったことの証左でしょう。 パイン物の2編は、短編集『パーカー・パイン登場』に収録されなかった作品。これらを併せて読めば、パーカー・パインが登場する全14作品を完読できます(彼は短編オンリーの探偵役で長編には出ていません)。 マープル物の1編と幻想怪奇物の1編は、ともにラジオの朗読番組用に執筆され、後に1934~1935年にかけ、The Strand Magazine以外の雑誌に掲載された作品です。ただし、後者はなぜか放送がなかったようですが。前者は1934年5月に無事放送され、しかもクリスティ自身の朗読という、今思うと恐ろしくプレミアムな内容になっていました。 以下、収録作品について簡単に触れておきます。ネタバレはありません。 レガッタ・デーの事件 宝石の盗難事件を扱ったパイン物の第14作。ただし、1936年にThe Strand Magazineで発表されたときのタイトルは、“Poirot and the Regatta Mystery”、つまりポアロ物でした。後に『The Regatta Mystery and Other Stories』に収録される際、パイン物に書き直されましたが、そうした経緯があるせいか、他の13作とは若干雰囲気が異なります。パーカー・パインが登場する話を一編も読んでいない場合は、後回しにすることをお勧めします。 バグダッドの大櫃の謎 ポアロ物の第30作で、1932年、初めてThe Strand Magazineに発表された短編です。クリスティも気合いが入ったのか、男女間の満たされぬ愛を底流に、切れ味の鋭い本格物として仕上げています。後に「スペイン櫃の秘密」(『クリスマス・プディングの冒険』収録)として中編化されますが、話が伸びた分、やや間延びした感が否めず、出来としては本作に軍配が上がります。なお、ヘイスティングスが語り手を務める短編は、これが最後になりました。 あなたの庭はどんな庭? 1935年に発表された、ポアロ物の短編第32作。パーカー・パインシリーズで登場していたミス・レモンがポアロの秘書としてカムバック、ヘイスティングスやジョージなど、先行する相棒役とはまた違ったコンビネーションを楽しませてくれます。ストーリーも謎解き部分こそそれほど強くないものの、展開に淀みがなく、登場人物の個性が際立っていて、純粋に小説として読ませます。特にデラフォンテーン夫人の造形は見事です。そして何より最大の魅力は主な舞台となるローズバンク荘の描写。庭、居間、さらには食事の内容など、英国の田舎家での暮らしが細密な筆致で描かれていきます。原題の「How Does Your Garden Grow?」はマザー・グースのひとつ、“Contrary Mary”(つむじ曲がりのメアリー)からの引用。その意味では、『そして誰もいなくなった』に代表される、童謡物の一編でもあります。 ポリェンサ海岸の事件 1935年、The Strand Magazineに掲載。地中海に浮かぶマヨルカ島のリゾート地を舞台に、パーカー・パインがいかにも彼らしい活躍を見せてくれます。マヨルカ島の観光案内や地図を見ながら読むと、さらに雰囲気がよくなってくるでしょう。『パーカー・パイン登場』を読んでいなくても問題なく楽しめます。 黄色いアイリス バンドブースやダンスフロアが設けられたレストラン。そこで開かれた身内だけの集まりを舞台にした、一種独特な雰囲気を持つ作品。発表は1937年、ポアロ物短編としては第38話にあたります。このムードがよほど気に入ったのか、クリスティは後年『忘れられぬ死』の冒頭部を本作とほぼ同じにしています。 ミス・マープルの思い出話 マープル物の短編としては14作目、すなわち『火曜クラブ』収録の13話に続いて発表された作品です。それだけに、ペザリック弁護士が持ち込んだ事件をマープル自身が甥のレイモンドとその婚約者ジョーンに語って聞かせるという、ファンサービス的な形態が取られています。謎解きとしてはそれほど複雑ではありませんが、上述のように元は朗読番組用に作られているので、それを意識して読むと印象が変わってきます。テキストでの掲載は1935年、Home Journalが最初でした。 仄暗い鏡の中に 当初ラジオ用として書かれましたが、放送はされず、Woman's Journalで1934年に発表されました。短い話ですが、クリスティのストーリーテラーとしての手腕が如何なく発揮され、完成度の高い作品です。ここで描かれるある特殊な心理は後の長編『満潮に乗って』へと引き継がれていきます。 船上の怪事件 1935年発表のポアロ物短編第33作。地中海を巡るクルーズ船で起きた殺人事件を描きます。トリックについては賛否両論があるかもしれません。なお、The Strand Magazineでは、この作品の次に「砂に書かれた三角形」(『死人の鏡』収録)が掲載されています。こちらの作品はロードス島が舞台になっており、単体で読むとなぜポアロがそんなところにいるのか驚きますが、本作からの繋がりで考えると頷けます。 二度目のゴング 莫大な資産を持つ一方、かなりの変人として知られる人物が拳銃自殺を遂げます。生前彼から捜査の依頼を受けていたポアロが解決に乗り出し1932年に発表された、ポアロ物の短編第31作。事件の構造や登場人物の設定は後の中編『死人の鏡』(『死人の鏡』収録)とほぼ同じ。明らかに中編のほうが出来がいいため、できればそちらを先に読むまで封印しておくことをお勧めします。 | ||||
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知り合いの弁護士ペサリックの紹介でバーンチェスターで起こった殺人事件の真犯人を推理する。 マープルものにしては、つまらない。 ポアロもの5編、パーカー・ペインもの2編、幻想小説1編、マープルもの1編、合計9編。 マープルものはまとめて欲しい。 | ||||
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